書名:親日派のための弁明
著者：金完燮（キムワンソプ）
訳者：荒木和博、荒木和子
発行所：草思社
発行日：2002/07/18
定価：1500円＋税
この本の著者は韓国人です。「日本の朝鮮支配は結果的に良かった」「韓国人の誤った歴史認識をなんとでも正さなければならない」という思いで綴った李氏朝鮮末期の歴史を冷静な視点から検証し、抑圧的な旧体制（李氏朝鮮）の清算と日本の支援なくしては朝鮮の近代化はありえなかったと主張しています。日本の鷹派でも驚くような本です。幕僚長の田母神氏の論文なんかも霞んでしまう位。日本でも進歩的左翼人には毛嫌いされそうな本です。でも冷静に反論するには相当勉強しないと行けない。ちょっと独断というところがありますが、よく勉強されていると思います。著者はアメリカに留学しており、アメリカの視点からの日韓、特に韓国感は本国韓国内と反日教育とは全く別のものを経験して、韓国の歴史に興味を持ったとか？
国内にいたときと全く正反対の歴史観に目覚めたとか？
「青少年有害図書」としてビニールで包装して「19歳未満購読不可」として韓国の書店には一般の書籍とは別のコーナーで売られているとか？戦後韓国政府が行った反日教育を支える歴史認識は間違っていると厳しく批判している。もう少し前ならばこの本を出しただけで逮捕、国家反逆罪で死刑、塀の中に永久に閉じ込められるかも知れない。ようやく少し冷静に日韓の歴史を発言できることが出来る時代になったのではという気もする。歴史を考える原点として今現時点の価値基準、法令などを基点としてはいけない。（当たり前のことですが、世の中の識者と呼ばれる人ほどこの原則を忘れている）
いままでマスコミ一辺倒の情報とは違った視点で考えることの出来る一書です。