書名:神々の殺人
著者:篠田秀幸
発行所:角川春樹事務所
発行日:2006/12/18
定価:1333円+税
記紀神話に潜む日本国家の起源と殺人事件を絡めた謎解き本格ミステリーです。前作卑弥呼の殺人に続いて卑弥呼以前から記紀神話に至まで日本国家の起源を探る広大な旅にと連れて行ってくれます。朝鮮半島南部に居住していた部族が九州北部に、そこで邪馬台国を建設運営(甘木市、朝倉)、卑弥呼が亡くなると日田、宇佐方面に領土を広げ、高千穂を超えて熊襲(くまそ)と戦う、宮崎県の西都市に進出する勢力と、大和へ進出する勢力、そして大和朝廷をつくる(神武東遷)。ここではあまてらすおおみかみ=卑弥呼説をとっている。いろいろな説を紹介してくれているので、記紀神話解釈の入門書的な役割も果たしてくれている。前作でもそうですが、殺人事件と絡めたところがちょっと複雑すぎるきらいもあるが楽しく読むことが出来る一冊です。