書名:大麻ヒステリー
思考停止になる日本人
著者:武田邦彦
発行所:光文社
発行年月日:2009/06/20
定価:740円+税
先日、NHKのクローズアップ現代でインターネットで大麻の種を入手して、大麻を栽培している現状を追いかけた番組をやっていた。取り上げられていたのはインターネットで販売していた会社の顧客名簿1600人を入手した麻薬Gメンが名簿に記載された一般市民を内偵して,逮捕まで。それも最重要犯人を捕まえるような仰々しさ、大学生が自宅、合宿所で栽培しただけで退学。マスコミに大騒ぎされて社会的には相当する実刑に比べて格段に大きな制裁(少々では立ち直れない)を受けないといけない程「大麻取締法」違反は悪いことなのか?ちょっと疑問になって本書を読んでみました。
大麻と呼ばれている麻は日本人の暮らしになくてはならないものとして古代から利用されてきたもの、繊維としての麻、衣料、ロープの材料、紙の材料、また身近なところでは七味唐辛子に入っている麻の実など。この麻が痲薬?
アメリカで出来た「禁酒法」1920-1933「大麻課税法」1937-。禁酒法は「強い酒ウィスキーなどを家庭で飲むのは良いけれど、作ったり、売ったり、輸送してはいけない」という中途半端な法律。禁酒法が廃止されてから4年。アンスリンガーという人が始めたマリファナ追放キャンペーン(大麻というのは植物名、マリファナは大麻が原料)、「マリファナは人格を破壊する」いう宣伝を始めた。またアメリカではメキシコ等南米から移住してきた人々(貧乏)がタバコが吸えないので仕方なくマリファナをすっていた。人種差別もあって「大麻課税法」が科学的な根拠もなく成立してしまった。
戦後日本に進駐したアメリカ軍が日本では麻が禁止されていないので、アメリカ兵がマリファナを吸っては問題だということでGHQのご指導で大麻取締法が無理矢理成立した。したがってこの法律は目的も書いてない。(まさかアメリカから強引に申し入れられたとも書けない)産業用に使う大麻草の栽培は届けをすることで栽培は可能。この法律の判らないところは大麻そのものを取締り対象にしていること。
痲薬として大麻であるのであれば陶酔成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量%以上の大麻・マリファナ等の規制などない。
大麻というとヘロイン、コカインと同等の痲薬、強力な依存性をもつものと理解している人が大半だと思うが、この本、その他調べてもお酒、タバコよりも陶酔、依存性など軽いとのこと。また大麻のなかでは日本麻は痲薬として効果はすくない。(痲薬にならない)テトラヒドロカンナビノール(THC)の含有量の多い麻はインド麻などと。
悪法も法である以上「大麻取締法」も遵守すべき法律であるが、説得性のない法律でもあるようだ。それよりも大学生等前途ある若い人が社会的に復活できない程ダメージ(社会の目、マスコミの目にさらされて)のほうがもっと悪い。大麻取締法という法律があるから破りたくなる人が多くなって来ているのではないか?ちなみにオランダなどでは大麻は禁止されていない。法に振り回されいて自分で考えなくなって社会の先行きが怖い。魔女狩り時代に逆行してしているようにも思う。
今まで殆ど知識もなく大麻もヘロイン等同様であると思っていたがこの本を読んで認識を新たにした。こんなことは他にも色々とあると思う。誤謬のまま社会運動と一気に行ってしまったダイオキシン、複合汚染、反捕鯨運動、禁煙運動、CO2削減運動、環境保護、自然保護など同じ問題を含んでいるように思う。
関連法
麻薬及び向精神薬取締法・・・ヘロイン・コカイン等
覚せい剤取締法・・・覚醒剤
大麻取締法・・・大麻
未成年者飲酒禁止法・・・お酒
アサ(麻)は中央アジア原産とされるアサ科属で一年生の草本で、大麻(たいま)または大麻草(たいまそう)のこと。この植物から採れる麻薬を特に大麻(マリファナ)と呼ぶ。
日本に自生するアサには陶酔成分であるテトラヒドロカンナビノール(THC) が0.1%未満含まれている。他の品種は1.8から20%含有
七味唐辛子
唐辛子を主原料とし、七種類の原料から作られることからその名がある。各種の副材料で風味をつけるとともに、辛味をほどよく抑えている。
内容は生産者によって異なるが、唐辛子以外では以下がよく使用される。
* 芥子(けし、ケシの実)
* 陳皮(ちんぴ、ミカンの皮)
* 胡麻(ごま)
* 山椒(さんしょう)
* 麻の実(おのみ、あさのみ)
* 紫蘇(しそ)
* 海苔(のり)
* 青海苔(あおのり)
* 生姜(しょうが)
* 菜種(なたね)