山田村訪問記


 1996年11月に山田村に視察にいかれました高度情報化推進室の山口さん の山田村視察レポートです。

 (テレビ東京で山田村のことを放送していた時、飯牟礼さんがテレビに映っ ていた山口さんの名刺を見つけて、山口さんにこのレポートをお願いしたという いきさつがあります。)

 飯牟礼さんの観察力には驚きました,実は山田村の視察に他の自治体のインタ ーネット担当者と行ったときに、テレビ東京の取材があったのです。以下、その 時部屋でアップした簡単な報告を載せておきます。

 人の書いた報告の文書に付け足しをしたものなのでつぎはぎですが、ご参考ま でに。

山田村視察・ヒアリング。(11月8日(金)午後)

山田村助役 小西源清,総務課 岩杉洋一

 現在の状況

 全世帯456の世帯のうち325世帯に配布済み(71%)内容はMachintosh270 台、IBM55台、全てテレビ電話つき役所には5台導入済み(役所自体はちょうど横 浜の土木事務所の位の規模)現在情報センターを建設中きっかけは中学校がPC 通信やりたいと言ってきたことから。年度途中に専用の線がほしいと言うので最 初は断ったが、話を聞いてみると大変なことであると思った。

 山田村には小学校、中学校が一つづつしかない。そうするとその間を通して 顔触れが変わらないと言うことになり、学ぶと言うことに対してよい刺激がない 、能力や可能性を伸ばそうという意欲がなくなるという事らしい。

 そう言うことならというので、やろうということで回線を申し込んだら,N TTから今後の事を考えてインターネットはどうですか、と言われた。

 当初,受信だけのつもりだったが、発信もしてみたら以外にアクセスが多く、 PR手段として有効と認識した。

 そうこうする内に,国土庁のモデル事業に手を上げたら、たいして考えても いなかったのに当たってしまった。さーて大変だぞとメーカーからもいろいろプ ランを聞いたがどうもうちに合ったものと思えなかった。その中で村の中にブレ インはいないかと思って見回したところ、ネットワークを利用して機械設計をや っている倉田さんという人が村にいた。倉田さんは早くから今で言うSOHO的 な環境での業務形態をとっており、4年前の村民と語る会で「光ケーブルをひい てくれ」というような要望を出していた人でもある。

 (以後、この人との出会いを機に、山田村の情報化への取り組みが進み始めた と行ってもよい。倉田氏は村の職員ではないが、後述のように、その後のネット ワークの推進、講習・普及啓発に大きな力を発揮、ここでのかなり理想的なパー トナーシップを形成し、一つのコミュニティ醸成を行っている。世間での印象の ように、情報化が目的ではなく、村民のコミュニティの形成と言う点に重きが置 かれているような印象を受けた)

 メーカーのはなしもぴんとこないし、国土庁もハコモノ指向だった、センタ ーを作ったからといっても,それだけで村民が触りにきてくれるとは思えなかっ た。年寄りも多く、若いもんも仕事終わって夜帰ってきてと言う状況ではとても 情報センターに勉強しにきてはくれないと思った。やはり、家庭に置きたい、そ してコミュニケーションツールとして使いたいという事で国土庁に相談し了解を 得た。

 実際に利用すると言うことで機種などについて検討したところ、NTTはア ップルで開発したテレビ会議システムの乗っているパソコンが利用勝手がよかっ たので、これを導入することにした,基本的にISDN使用なのでNTTに相談 し回線も変更した、通話料金や基本料金は今後村民から徴収する、機械について は3年間保証と言うことで、メンテナンスもそこに含んでいる(と言うかやって もらう)機器は買い取り。 現在、中央公民館の横に情報センターを建設中,稼 働は12月を予定している。ここでダイヤルアップの接続を受けることになるが 、現在そのアカウントをどのような形で割り振るのかを検討中。名字などは同じ ものが多いので、屋号などを利用することも考えている。

 基本的に現在各家庭にいれているものからインターネットに接続できるよう になるのは、それができあがってから、テレビ電話機能は現在利用できる。これ まで、有線放送などの競合メディアは村にはない。各家庭のセットアップは、月 曜に配布、水〜木でセッティングと言う形。役所に質問などが集中するのをさけ るため、キーマンと呼ばれる人を村全体で約40人ほど選定、一義的にはその人 に相談をするようにしてもらう体制としている。それで手に負えなければ役所や 業者の登場となる。

 説明会などは、村民全員にまんべんなく行った、前述の倉田さんにも何回も 登場してもらい、非常によい講師として活躍してもらっている。議委員への説明 なども行ったがその際,熱のこもった説明の中,バッジはずせ事件(注1)等も あったが、それらの事も乗り越え,みんなの理解を得ている。報道に対しては基 本的にオープンだが、先日無理解な記者などによる「H画像騒動」報道(注2) のようなことがおきた。

 村の全体予算は約35億円(一般会計)今回の事業費は全体で3億6千万な ので約10%の規模、実際に村が出すのは一般財源分(約1200万円)ヒアリング 後、好意で山田小学校に案内され視察をする機会を得る。新しく整備された教室 には、ゆったりとパソコン置かれ、表計算のソフトなどを小学生が利用していた 。

 外部記憶媒体としてはZIPを用い、何台かのパソコンをつなげたHUBは赤 外線LANを用いて中央のHUBにカスケード接続されていた。

 今後、役場と情報センターは赤外線LANで接続する模様

 (注1)☆バッジはずせ事件

 倉田さんが事業を議員に説明した際に、「あんたらもバッジつけて悠長に構え てる場合じゃない。はずして汗を流せ。」とはっぱをかけたため、一時もめたら しい。もちろん今は関係は良好、村には無くてはならない人である

 (注2)☆「H画像騒動」報道

 パソコン通信使ったわいせつ画像頒布事件もあり、県警が教育、通信関係者等 を集めたときに山田村もよばれた。その際システムの説明も行ったが,ファイア ウオールの説明で、「不正なアクセスを制限」と言ったような説明をしたところ 、富山新聞の記者が「ポルノはどうするか。チェックできるか。」というから、 (ファイアウオールとは別に)制限することは可能だから(そのような意見が多 く)やかましくなれば考えるのかな、と言ったら、「アメリカ,ペンタゴンでも 使用しているシステム(ファイアウオールのこと?)で村がアクセス制限」とい う変な記事になった。それを、富山大学の先生が検閲だと言って、読売がH画像 騒動と全国版で茶化された。

    高度情報化推進室  山口

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