マルチメディア社会と生涯学習・学校教育


 「マルチメディア社会と生涯学習・学校教育」    王子全主

グループ参加者:有田益堆、矢田彩子、下村陽子、徳田容子、嶋多龍夫、渡口 秀樹、寺田慶治、廣瀬敏夫、佐藤重行、飯牟礼成則 

1.はじめに

 これからの学校教育、生涯学習をどのような形でマルチメディア社会との関 わりの中で考えていけるか?

 人にとっての学習期間は学校卒業と同時に、全て卒業という時代ではなく、 機会あるごと何らかの学習というのは必要になってきていると思います。したが って限りある期間だけで学習・教育というものをとらえるのではなく、例えば登 校拒否児童に対して、在宅学習、また通学しなくても単位の取得できる制度等色 々と今までとは違った形での学習、教育機会を自由に選べる可能性のある時代に 、雛形となるようなものを提案していければと考えています。

 オンライン生涯学習を少し発展した形で、学んでいる人々は個人の個性でバ ラバラでありながら、あるプロジェクトに対して共同していけるような形での学 習。また毎日通学するのではなくオンラインで交流をしながらの学習で、週1, 2回学校でのオフラインミーティング的な生身の交流をするという様な形態も考 えられるのではないかと思います。教育、学習に対する目的と喜び、楽しさの味 わえる雰囲気作りが出来るのではないかと思う。

2.マルチメディアの利用による教育の多様化について
 教育は必要だと誰しも否定しません。教育を行うことは良いことだというこ とになっています。教育をすることで良い人間に育てる。またそういうことが出 来るという神話みたいなものがあります。過去のことを覚える、名前を覚えるな どの暗記教育なんかをやって点数が上がることが教育だと考えればそれもいえる かもしれませんが、教育をじっくり考えていくと本人が育ってくることを手助け をすることが教育の本質という気がします。無理矢理引っ張ったり、無理矢理覚 え込ませることは教育ではないと思います。本来は学問、知らないことを知って いく喜び、結果を重視するのではなく経過ロセスが人間を成長させていくことで はないでしょうか?
 A.今までの知識蓄積型はマルチメディアでの利用

 B.集合型教育だけが教育ではない

 C.オンラインによる相互学習

 D.衛星放送を利用した学習

 E.物理的な場所としての学校から空間的な場としてのメーリングリストの 利用

 F.既存の教育システムの活用

 G.いろいろな形態での学習で単位を取得しても一定の資格、卒業が出来る 仕組み

3.個性の時代
 個性を重視する教育というのはある意味では個人にとって非常に責任の重い 時代である。やる気があって次々と目標が自主的に作っていける人には学習機会 、方法はマルチメディアの発展によってチャンスが広がってくるが、今までのよ うに何となく受動的な学習で、誰かのたてた目標にチャレンジというタイプの人 にとってはマルチメディア社会からの逃避という選択も出てくるかもしれない。

 学校教育、生涯学習にとってのマルチメディア社会というのは個の確立とい う事が重要になってくるように思う。個の確立とは自己の存在意義の確認であり 、自己責任の追及である。一人一人の個性を大切にするという事においては今、 以上の自己責任の求められる社会の出現であり、受動的参加から能動的参加を期 待される社会という気がする。

                            
                                                            以上

有田です;

 折角のインターネットを通じた生涯学級ですから、自らに知的作業の課題を与 える、という意味で「メディアと生涯学習(又はリフレッシュ教育)」というテ ーマを考えてみましたが、特にアイデアがあるわけではありません。ただ、近い 将来、NTT電話料金は日本全国一律になると思いますし、メディアも静止軌道 衛星やISDN、光ファイバー、ケーブルテレビ回線等のみならず、低軌道周回 衛星も広く一般的に使われるようになると思います。一方、壁掛けテレビやバー チャルリアリティの大型テレビがより身近なものになると思います。また、イン ターネットもJAVA等の登場により、ますます使いやすくなると思います。そ うすると、お互い数百キロや数千キロ離れていても、次のことが簡単に実現する ようになると思います。

  1. 人と人との「ふれあい」が、各年代層を通じて仮想的に密になる。
  2. 児童・小中高生への教育方法がより双方向的、育成的になる。

(3) 大学や大学院の授業が時間・空間を超えて簡単にできるようになる。 (大学に関しては既に試行段階)

(4) 各種ボランティア活動への参加とボランティアに対する教育・訓練を 容易に能率的に行えるようになる。

(5) 各種職業教育・訓練を容易に能率的に行えるようになる。

(6) 核家族化による肉親間疎遠が解消する。

(7) 若い母親へのアドヴァイスが容易に能率的に行えるようになる。

(8) 國の政策等に国民が直接参画できるようになる。(例:建設省のPI 方式)

(9) 膨大かつ有益な政府各種刊行物、その他リリーズされる諸情報を広く の一般国民のみならず海外の人達も、簡単に利用できるようになる。 
 などなど。勿論、情報格差、貧富の増大の懸念等マイナス要素もあります。そ こで、最も緊急な課題はメディアに流されるコンテンツを充実させることです。この分野で、ビジネスが盛んにな れば競争原理でより優れたコンテンツがメディアに流されるようになるでしょうし、メディアやハードウエアも一層 発達し、安価になってゆくでしょう。

 それこそ行政が先頭に立って、周知を集め、マルチメディア時代に向けたコンテンツ作りの研究を積極的に進める必要があります。この分野での学問的研究も深められる必要があります。横浜市が地方自治体の先頭を切って、この面での取り組みを行ったら大変素晴らしいのではないかと思います。「震源地」横浜の「巨大なマルチメディアのエネルギー」が全国に伝搬、わが国の市民社会を振動させるようなことは、決して起こり得ないことではないと思います。以上、私の考えていることですが、関心のある方々からのコメントを頂ければその方々とのディスカッションを通じて、もしかすると大変素晴らしい発展も期待できるかもしれない、と思っております。

 二つとも似たようなテーマですので、お互いに参加しましょう。似たようなテ ーマですが王子さんのは、学校教育の面で、私のは生涯学習の面で研究すること になります。

 「メディアと生涯学習」研究参加者は、飯牟礼さん、広瀬さん、渡口さん、そ れに私の4人、王子さんが参加して下されば5人になると思いますが、他に手を 挙げておられた方がいましたでしょうか? もし失礼があればお許し下さい。

 研究の方法ですが、骨子を思い付くままに列挙してみます。

これについてご意見なりアイデアなり頂けると有り難いです。

(1) サービス
    (サービスを)「する側」と「される側」がいる。
  豊かな社会では、(サービスを)「する側」がいろいろ工夫して、より少 ない費用と労力で、できるだけ多くの(サービスを)「される側」にサービスを 提供する。
  現代の豊かな国の人々は、昔の王侯貴族以上のサービスを受けている。
  学校教育も生涯学習の材料提供も「サービス」の一種である。
  いろいろなメディア(マルチメディア)は、そのサービスを「する」にあ たり、「する側」にいろいろな影響を与える。この影響により、より質の高いサ ービスを、より少ない費用と労力で、より多く提供できる方法が考え出される。
  マルチメディアは、(サービスを)「される側」の数を増やす。
  マルチメディアは、人間の脳の中の神経細胞網のようなものである。

  脳に関する知見をマルチメディア社会に類似的に適用できる筈である。
  サービスを増幅する仕組みがある。学校教育や生涯学習の材料提供という サービスをより大きなもの、品質の高いもの、価値の高いものにする仕組みにつ いて考える。
  サービスを増幅する仕組みは、行政は余計な規制などせず、企業はビジネ スとして「(サービスを)「受ける側」のニーズを汲み上げて、よいものを考え 出して売る。
  (お上)が(下々)になにか施す、という発想でなく、われわれ市民も行 政に甘えることなく、自分で考えるか、考えてくれる人に金を出す。

  消費税5%反対!など言わないで、自分も多くのサービスを受ける王侯貴 族になるために、サービスについて考え、発言し、何もできないなら金を出せば よい。

(2) (サービスを)「する側」の問題

  まず、オンライン学習では手順・方法の標準化、簡易化で、(サービスを )「される側」の「時間の節約」を可能にすることが重要である。次に、「され る側」に必要な情報の在処を知らせることが必要である。
  その情報は、不特定多数の「される側」からのネガティヴ・フィードバッ クにより十分練られたものであり、「される側」に本当に有益なもので、短時間 で理解を深め、効果のあがるものであることが要求される。

(3) コンテンツ
  国や地方公共団体が相当な資金を投入して作成した各種、膨大な教育資料 があるはずである。市販の各種教材もある。
  私立大学とか学習塾など、今後学生数の減少に伴い人材が余っているとこ ろがその人的資源を活用し、それらの教育資料のリリーズを受けて、或いは市販 の教材を利用して、遊び感覚で自然に学びとれるような優れたコンテンツを作り 、有償で配布する。

     a)コンテンツの再利用、有効利用 

     b)価値あるものは有償

     c)パソコンでやる囲碁、将棋、ブリッジ等、楽しく遊びながら自 然に力がつくもの
(4) メディア
  インターネット、PerfectTV、ケーブルテレビ、BS、CS、地上波テレ ビ、パソコン通信ネットワーク等。

    (サービスを)「する側」のビジネス上の選択
(5) (サービスを)「受ける側」の問題
    必要なメディアへのアクセス機器の準備メディアへの加入

    機器操作能力、とりわけパソコン通信能力
(6) 行政の役割
    民間活力の誘導、啓蒙

  某自治体では、市民のためにインターネットのプロバイダーになり、市民 に無償でインターネットにアクセスできるようにしているとのこと。

  その波及効果について要研究。
(7) その他参考
    9月28日付、日本教育新聞「私の提言」

    9月30日付、日本経済新聞38面「TV会議システムで共同授業」

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