週刊 東洋経済


 週刊東洋経済96-11-30号

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(東洋経済新報社の許可を得て掲載しています)

インターネットで生涯学習に参加 野口邦夫さん

 横浜市鶴見区に住む野口邦夫さん(電機メーカー勤務・45歳)は、今年の 夏から同市緑区の主催する生涯学習活動に運営委員として参加している。

 野口さんの自宅は緑区ではないが、いずれにしても「地域の生涯学習活動に 参加するのは、これがはじめて」である。参加のきっかけは、野口さんがサブの 世話役を務めているパソコン通信のフォーラムで、前年度の緑区生涯学習の運営 委員の一人から誘われたことによる。学級には奥さんも一緒に参加している。

 地域の生涯学習活動といっても、緑区の場合は、インターネットのメーリン グリストと呼ばれる参加者間の同報機能を持った電子メールが教室の役割を果た している。普段は地域との結び付きが少ないサラリーマンにとって、地域の学習 活動への参加は容易ではないが、電子メールを利用することで、時間に制約され ずに参加ができることになる。実際に、この学級では、学生から主婦や会社勤め の人までが、日常的に交流と学習活動を展開している。

 オンライン生涯学級では、参加者自らがテーマを設定し、仲間を募って自主 研究を行なっているが、今回、野口さんは「在宅勤務」の研究を参加メンバーと ともに始めている。オンライン学級の魅力を「単に知識を得るというより、幅広 い立場の人のものの見方に出会えることです」と語る。

 野口さんは、高田正純氏の「データベースを使いこなす」という本を読んで 、最初の頃は何かいい情報を取れることを期待してパソコン通信を始めたそうだ が、実際にやってみると、むしろ最大の価値は「コミュニケーションを通じて人 と知り合いになれることにあった」という。

 今年の帰省の折には、ネットワークで知り合った地元の後輩たちが、仲間を 集めて宴会を開いてくれた。野口さんにとって、パソコン通信やインターネット は、人と人を結ぶ大切なネットワークなのである。

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