電子新聞第一号 自治体の試み
- ○自治体の試み
- インターネットに関連して、興味ある話題の続きをさせていただいて、日記に
代えたいと考えます。既に、新聞でも発表されましたので、ご記憶の方もおいで
になるかと存じます。
- 現在情報化が進む地方自治体の中でも、岡山県は、全国に先駆けて、非常に画
期的で、かつ創造的な情報戦略、すなわちイントラネットを独自に構築して、そ
れを多角的に高度利用するという構想、いわば自治体としては、突飛な「岡山県
情報ハイウエイ構想」を推進しています。岡山県は、「地方公共団体が第一種通
信事業者として、県民に情報通信基盤を提供する」というこれまでにない発想を
もって、インフラを作りあげようとしています。岡山県下に分散する県出張所を
相互に連絡するという「名目で」ファイバーネットワークを整備し、その利用を
県民に無料で公開するという手法を取ることを考えました。
- 情報化時代のインフラ整備において、岡山県が画期的な考えを持っている点は
、次に述べる所にある、私のこのプロジェクトに対する評価です。インターネッ
トを使うと、一瞬のうちに世界の情報網に、しかも中央を経由せずに、繋がりま
す。その意味では、情報面での地方の自立性、主体性の回復において、効果が絶
大であるといえます。情報の格差を埋めるために、インターネットに着眼したこ
とは、地方分権という大局的な観点からみても、値打ちがあるといえます。しか
も、県の考え方でユニークであった所は、情報は一元的に管理せず、自由でオー
プンであることに意義があると考えたところです。つまりインターネットの良さ
は、何人にもコントロールされないことであり、世界の最先端の情報を、どのよ
うな山間僻地に居ても活用できることだと、また情報をオープンに県民と共有し
、活用することであると考えたことです。(このような考えは、これからの行政
がもっと柔らかい自由なものになる、萌芽といってもよいと感じました)制約の
ない、情報の自由往来をもって、地方の情報化を進展させようとしています。こ
の理念を最後まで貫徹できれば、素晴らしいことであると私は考えています。
- インターネットは、たいへんな可能性を持っていますが利用料金が日本では高
いために、充分満足に使えない。(日米で、利用の為のコストを比較すると、一
瞬間違いではないかと思われる程の格差があります。)また行政の情報化を進め
るために全県にわたる行政機関(施設)をすべてネットワークさせることが必要
であるという要請がありました。
- そこで、岡山県は何を考えたか。「県民イントラネット」という独創的な情報
化施策を採用したのです。岡山県独自の自家用ネットを構築することにしました
。LANやCATV等のネットワークを相互に接続し、インターネットワーキン
グをもって、低コストで利用することができるインフラを作ることができると考
えたのです。この基盤を県民が世界との情報のやり取りに利用したり、県民と行
政あるいは県民同士、町内会同士といった地域的な生活のコミュニケーションシ
ステムとして活用するという考え方です。県庁職員の一般業務上の利用はとりあ
えず後回しにしても、県民との情報共有を目的に県のインフラを広く地域に解放
するという考え方は、画期的です。
- このような事に対して、許可だの認可だのという規制の対象にしないことであ
るという認識を岡山県が持っていることです。中央官庁が此れ迄に持ち続けてき
た認識とは大幅に異なっています。(これは、もしかすると県知事が自治省時代
に無医村地域を減らすために、自治医科大学をいうのを作ったという発想と相通
ずるところがあるのかもしれませんが)自治体は、器を用意するだけで、後の利
用は、県民に委ねるという発想ができる自治体があるということだけで、まあま
だ日本も棄てたものではないなという感想をもちました。
- 今までの、情報化の方法と異なって、民間だけでは実現しにくいインフラの整
備を行政が行い、それをどんどん県民に開放する。その上で、民間が色々なサー
ビスを展開し、新産業を起して、地方を活性化してゆく、これはガンジーの「あ
なたが世界の中に変化を見たいと望むなら、あなたがその変化になりなさい」、
、まるでルネッサンスを興した精神構造の変化に等しい変化を自ら実践している
自治体であるという感想を得ました。
- しかし、現実には、法の規制や中央官庁の消極的抵抗により、物事がスムーズ
に進まないという側面もあるようです。例えば、県民から料金を取りませんとい
うと、電気通信事業法に違反するということで、郵政省との交渉が必要になって
いるようです。また、ご存じのことと思いますが、現在主要国道や高速道路には
、全部光ファイバが通っています。その線を一本でもいいから開放して欲しいと
いう交渉を国を相手に行なっているようですが、一挙に進展する兆しは見えてい
ないようです。バックボーンの回整備を実現できる方法が目の前にあっても、つ
まらない所で、実現を阻害する障害があるようですね。
角田良平
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- 扇原 泰二です
- 角田さん、岡山県の「情報ハイウエー」は最後まで見渡けたい気持です。教室
のテーマにもいいと思うのですが、どうですか?タイムリィでもあるし。
- 単に便利な技術というのではなく、社会の基本的な構造を変えてしまうような
「情報ハイウエー」構想には関心があります。地方自治の推進というよりも個人
と社会の接点に関わる問題のようにも感じられます。
1996.10.10 富山.扇原 (^ ^)
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王子です。
角田さん:
- 岡山県の試みの紹介有り難うございます。今後の進展を注意深く見ていきたい
自治体が一つ増えましたね。このような自治体が増えてくるといいのですが、現
実問題としてはまだまだという気がします。また情報ハイウェーを考える場合そ
の中でなにに使うのかが全く抜けているところが多いような気がします。ハイウ
ェーを無料にしてなにが出来るのか?
- このあたりよりもどちらかというと土建屋の利権争いのためのハードウェアの
整備の問題になってしまうところがあるように思います。特に地方のCATV事
業などを見ていますとそのようなところもあるようです。この岡山県の試みを成
功させるには既存のハードでなにが出来るかをしっかりと見極めることの出来る
トップが3人くらいいるかどうかできまるような気がします。
- 単なるパソコンでも完全に使いこなせる人はまだ人口1%未満であるように思
います。この学級では考えられないところですがこのような実体の中で情報ハイ
ウェー構想というのは非常にチャレンジな挑戦で注目したいと思います。 何事
に置いても今までにないことにチャレンジしていくことには心から応援したい気
持ちです。
- かつて1985年頃フランスがコンピュータ端末を無料で市民に配ってネット
ワークを構築した時期がありましたが、どうなったのでしょうね。いまフランス
がインターネット先進国というような情報はあまり聞かないのですが。今度の山
田村とともに、岡山県も見つめていきたいと思います。おもしろい情報有り難う
ございました。
王子全主(ouji masayuki)
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王子さん、
- たまたま、岡山県は、仕事の関係で関係してしまったのですが、、、。
- 幸なことに、岡山県には企画部企画課長に藤井さん、企画情報政策室長に新免
さん、(藤井さんは、建設省からの出向ですので戻ってしまった後に、岡山県の
プロジェクトがどうなるのかという危惧感もありましたが、杞憂に終わりそうで
あります。)という方々がおいでになります。
- まず、インフラを整備して、通信料金を安くしてから、コンテンツを産み出そ
うとしているようです。日本版スマートバレーを実践しているようなものである
といえます。ネットワークを構築するだけでなく、作りながら社会実験を行って
いこうとしているようなものです。
- あとは、地元の地場産業がどのくらい力をつけてゆけるか、という問題が大き
いようであります。今、実験推進協議会というものが出来ましたが、実験にはど
のようなものがありうるのかを県民を交えて検討しようとしているというのが現
状のようです。行政は、自由な環境作りに力を入れて民間がいろいろなサービス
を展開してゆくという基本的な考えのようであります。
- まあ、そのうち「砂糖に群がる蟻」現象が発生するのではと、皮肉にも想像し
ています。実際に、新聞発表後商社、メーカー等が食指をのばしてきていますし
、私の会社も協力を要請されているようです。どのように、プロジェクトの本旨
に従って協力できるものやら楽しみです。
角田良平
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- 来年度予算に,オンライン講座とオンライン学級,それにパソコンのテレビ会
議を使った2会場でのシンポジウムなどを盛り込みました。課内ヒアリングでは
,OKをもらいました。財政課の担当が何というか。修論,保護者会長,仕事と育
児とで忙しいのではという指摘がありましたが,忙しいのですがどことなく手抜
きをしています。ただ,子どもの方はなかなかそういうわけにもいかず,お風呂
から本を読んで寝かしつけるまではずーっと私の役目です。お陰でお父さん子に
なりきった子どもたちは,休みの日にパソコンをたたいていても,「遊ぼう」,
「私にもパソコンやらせて」などと親と一緒に遊んでくれます。
- 先日まで,日経産業新聞に「サイバースペースの未来・2005年のネット社
会」が連載されていました。このコーナーは以前からずっとサイバースペースの
連載をやっていておもしろく読んでいました。(うちの課でなぜこの新聞をとっ
ているのかわからないのですが,おもしろい新聞です。)我が子たちが大人にな
るころの社会ってどうなるんでしょう。
- ColorQcomを買いました。CU-SeeMeができます。うちの工業技術センターにリ
フレクターが立ち上がっていますので,今度どなたかおつきあいください。ちょ
っとした,テレビ会議?ができます。あしたから,(正確には今日から)旅行で
す。帰りましたら,アクティブにグループ討議に参加します。そろそろ,修論も
まとめなければならないし,旅の報告もします。それでは...
廣瀬敏夫/甲斐の住人
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