笹針をうつことの3大効果
1 休養の効果
2 ヒスタミンの効果
3 排出の効果
笹針をうった馬は休養させられる。数日間は馬房に入れっぱなしで、乗り運動もしばらくはやらない。これによって馬の疲労はとれることになる。しかし、これだけでは笹針を打たずに休養するのと何ら変わりない。
針をうつことによって馬の身体に傷がつく。すると傷を治すためにヒスタミンという物質が大活躍するのだが、このヒスタミンには筋肉を回復させる働きがある。それゆえ針をうった馬のほうがヒスタミンの働きにより、より早く筋肉の疲労がとれることになる。
馬も生き物であるからもちろん血液が循環して、体内にできた老廃物や炭酸ガスを体外に出す働きをするのだが、全て排出できずに血液の中に残ってしまう。笹針はその残ってしまった炭酸ガスなどを、直接排出することができる。針をうったときに「プスッ」と音がするのは炭酸ガスが排出されたときの音である。
このような要素により、笹針休養は意味のある行為であり、笹針をうって休養した場合と笹針をうたずに休養した場合を比べると、間違いなくうったほうがいいと私がお聞きした獣医師は答えた。
ただし、やみくもにうてばいいというわけではない。ただ休養をさせるのでは馬主がいい顔をしないために、必要でない笹針を施す場合がある。これはいたずらに筋肉を傷つけるだけで、そのような行為はしないにこしたことはないのは、いうまでもない。