厩務員

　厩舎で競走馬の体調管理などの世話をする。担当馬制で自分の担当馬が活躍するとそれに見合った進上金が入る。そのためうまくいけば高収入が見込める。ただし馬に携わったことがない者が厩務員になるのは困難である。
　中央競馬の場合、厩務員になるにはＪＲＡ競馬学校厩務員課程を卒業する必要がある。
　競馬学校を卒業して厩務員試験に合格した厩務員は、調教師に雇われ厩舎で馬の世話をすることになる。最近では馬の調教をつける調教助手の資格も取り、持ち乗り調教助手として、調教助手、厩務員の両方の仕事をこなすようになってきている（関東と関西では異なる）。調教助手にならず馬に乗らなければ危険度もそれほど高くはない。
　担当した馬のことを誰よりも理解しなければならない職である。

厩務員になるには
　ＪＲＡ（日本中央競馬会）の厩務員になるには競馬学校厩務員課程に入学して厩務員試験に合格する必要がある。未経験者でも受験は可能だが、乗馬経験者が好ましい。そのため牧場で経験を積んで競馬学校を受験する場合が多い。育成牧場での騎乗歴２年以上が好ましいという話もあり、乗馬クラブで１００鞍や２００鞍乗った程度ではあまり意味がないだろう。近年の競争率は約１０倍。
　地方競馬の厩務員になるには行かなければならない学校はなく、厩舎で働きながら厩務員試験を受けることになるだろう。厩舎で働くには、直接厩舎や競馬場に問い合わせるのがいいと思う。ただし、経験者のほうが無難だろう。未経験者が一番多く集まるのはやはり牧場だろう。

　ＪＲＡ（日本中央競馬会）の美浦及び栗東トレーニング・センターにおいて、調教師の管理の下、競走馬の飼養管理の補助及び騎乗調教を行う厩務員の養成を目的としている。乗馬未経験者でも受験できるが、乗馬経験者が望ましい。１次試験は北海道、千葉県、滋賀県、福岡県で行われる。勤務先は美浦、栗東を希望できる。
　厩務員課程の教育は、厩務員及び調教助手が必要とする基礎的な知識と技術を付与し、愛馬精神を養うとともに、立派な社会人として必要な人格と良識を陶冶するものとする。その教育機関は６ヶ月とし、学科については専門的知識に重点をおくとともに、併せて一般教養を拾得させる。また実習については競走馬飼養管理、基本馬術、競走姿勢による調教技術の基礎を拾得させる。従って、将来厩務員として不適当と認められた者、事故、そのた傷病等により、所定の課程を習得できなかった者等に対しては退学させることがある。
　卒業生又は卒業見込み者は、（社）日本調教師会の行う厩務員採用試験に合格し、トレーニング・センター場長の承認を得た上で厩務員となることができる。厩務員の欠員がない場合は、採用後直ちに就労できず、待機する場合もある。卒業生は自己の都合により厩務員にならなかった場合には、在学中に要した諸費用を負担するものとする。

募集名称	平成１２年度競馬学校厩務員課程秋期
募集人員	１０月入学生２５名以内及び１月入学生２５名以内
教育期間	１０月入学生　平成１２年１０月－平成１３年３月　１月入学生　平成１３年　１月－平成１３年６月
場所	千葉県印旛郡白井町
費用	無料
受講資格	中学校卒業以上の学歴を有し、入学時の年齢２８歳未満、体重６０㎏以下の者色盲でない者難聴でない者乗馬経験者が好ましい馬の飼養管理および騎乗調教に支障のあるような精神的・身体的障害のない者
応募方法	所定の受験願書に必要書類を添えて競馬学校に提出
願書受付期間	平成１２年６月１日（木）－平成１２年６月２０日（火）
選考方法	１次試験　筆記試験（国語・時事・社会）、作文、身体計測、運動機能検査２次試験　健康診断、運動機能検査、性格適性検査、面接
問い合わせ先	ＪＲＡ日本中央競馬会競馬学校千葉県印旛郡白井町根８３５－１ ℡０４７４－９１－０３３３テレフォンサービス　０４７４－９１－５５２２

競走馬私論－馬はいつ走る気になるか－　藤澤和雄著　クレスト新社１６００円＋税

収入	★★☆
華やかさ	★★★☆
危険度	★★
就職難易度	★★☆