破行(はこう):いわゆる「びっこ」のこと。部位を付けて用いる。<例>右肩破行。
白線裂(はくせんれつ):蹄の白線(蹄鉄の釘を打つ部位)の角質が腐朽しいたりして、蹄壁と蹄底が離れた状態をいう。
鼻ねじ(はなねじ):鼻捻子(びねんし)のこと。
引き手綱(ひきたづな):引き馬をする時に使う手綱で、銜(はみ)をつかわないため、馬の口を痛めないが、制御する力が弱い。
鼻カタール(びかたーる):鼻の中の粘膜炎症で鼻汁(鼻水)の排出量が多く、感冒の場合に起こることが多い。いわゆる鼻風邪のこと。
鼻出血(びしゅっけつ):いわゆる鼻血のことで、競走中に発症したものは競走能力に著しく影響を与え、疾走していたものが突然止まったようになる。競走番組の一般事項のU−11に、一定期間の出走制限が決められている。
飛節炎(ひせつえん):飛節に起こる炎症を総称していう。飛節は馬体の中で最も負重のかかる個所の1つで腫れたり、熱をもったり、炎症を起こしやすいところである。
飛節後腫(ひせつこうしゅ):飛節の後面の腓側足根骨の下側にできた腫瘤で、原因は種々ある。
飛節内種(ひせつないしゅ):飛節の内側を構成する骨に骨膜炎等が起きて熱をもったり、腫れたりして、破行を現す。慢性に経過し、なかなか治り難い。
飛端腫(ひたんしゅ):飛節後面にできた腫瘤で、原因は蹴ったり、壁にぶつけたりした打撲が多い。
鼻捻子(びねんし):木製の柄にロープや鎖が付いていて、治療の時などに馬をおとなしくするために、馬の鼻をねじりあげる器具。
風気疝(ふうきせん):腸にガスがたまり、腹がはって起こした腹痛のことである。
複骨折(ふくこっせつ):1つの骨が、2つ以上に骨折したものをいう。部位を付けて用いる。<例>右第1指節種子骨複骨折。
複雑骨折(ふくざつこっせつ):1つの骨が2つ以上に骨折するとともに周囲の筋肉、靱帯等もいっしょに傷んだものでいわゆる「グシャグシャ」になった骨折。<例>右中手骨複雑骨折。
ふなゆすり:熊癖(ゆうへき)のこと。
フレグモーネ:各種の傷口から黴菌が入り、炎症を起こし腫れ上がって、発熱を起こしたり、強い痛みを伴うことが多い。下肢部に多い。<例>左後肢フレグモーネ。
粉砕骨折(ふんさいこっせつ):骨折の程度がひどく粉々になり、原型をとどめないような骨折をいう。<例>右手根骨粉砕骨折。
便秘疝(べんぴせん):腸の動きが弱ったり、止まったりして糞がたまり腹痛を起こしたもので、いわゆるフンづまりである。競走馬の中で最も多い疝痛(腹痛)である。