◆熊本県有明海緑川

 平成27年6月5日

火の国 熊本にハゼクチという50cmを越すお化けハゼが釣れるポイントがある

全日本サーフ所属の投げ釣り師がハイシーズンの冬ともなると全国各地からここ有明海緑川に馳せ参じ、巨大ハゼを求める

ただ私はサーフメンバーではないしモンスターハゼに興味はない

ただ、ハゼクチ狙いの外道で稀に、ほんと稀にワラスボという珍魚が釣れる

狙って釣るのはほぼ不可能と紹介されている
顔つきは完全にエイリアン 有明海固有の珍魚である

珍魚好きの本能が頭をもたげ熊本で釣りをするならこのエイリアン!と標的を定めた

釣れるポイント情報が皆無で、そもそも夜行性なのかそうでないのかも分からない 考えるより竿を出してやってみよう

鹿児島から熊本県宇土市緑川まで2時間半
6時に九州道松橋を出て24時間営業している山本釣具店に立ち寄りイソメ100gを仕入れる

店員にワラスボが釣れるポイントを聞こうとしたがさすがソコはこっぱ恥ずかしく、事前にワラスボが釣られたHPの写真からGoogle Mapで目星をつけていた場所にナビをセットして向かう


現地に着いてみると以前に釣りをした有明の泥だらけの干潟じゃなくごく普通の海

これだったら普通に釣りができるやん


午前7時前小雨の中カッパを着て釣り開始 竿は3本で1本は得意の超近投

キュー太郎の車内に戻り雨で歪むフロントガラス越しに竿を見ていた

すると一投目の超近投がクィンクィン揺れた
車から飛び出し、雨で濡れたブロック斜面を滑らないように注意しながら駆け降り竿を手にする

おっ!エイリアンっぽくない普通のサカナの引き
雨で濁った緑川から現れた熊本でのファーストフィッシュは手のひらより一回り大きい綺麗なキビレ


目標のサカナじゃないけど一安心 杭周辺10m以内に集中投入

すると突然ラインがシャーーーッと水を切って左に猛スピードで走った!

竿を手にして対応するがハリス1.5号、キス針8号の対ワラスボ仕様。強い重い魚信を残してハリスがプッツン

今のナニ?と切れた部分を確認しているともう1本の竿が当たった!

川上に走るサカナの引きに合わせ竿を運び、細いキス針が伸びない様に優しく手繰り寄せた

足元まできたソイツを今度はエィッと強引にぶっこ抜き護岸にドサッ

40cmほどのセイゴ

関西のセイゴより体高があり黒い斑点も見られるからこれが有明スズキ?


時刻は満潮前の9時頃 この頃がピークだったのか三脚に乗っけていた赤竿が綺麗な小さい魚信を発した

小気味良い小さな引きで現れたのは12cmほどのマハゼ
この時期にハゼが釣れるなんて予想外


10時半 満潮時になると上流から枝やら籔がひっきりなしに流れて来た

その度に仕掛けを張ったり沈めたり 雨も強くなってきたし、これにてお開きとしよう


帰阪の時間まで余裕があるので帰りはえびの高原から霧島温泉に向かった

強烈な山道で道路脇から煙を吐く火山ならではの容貌

坂本龍馬とおりょうが新婚旅行で訪れた温泉に身を沈める

雨で冷えた身体がほぐれてゆく

この霧島ホテルの硫黄谷庭園大浴場のでかいことでかいこと

このマンモス温泉に客はたったの2・3人 子どもに戻って温泉でひと泳ぎ

釣りに関してはイマイチだったが、指宿と霧島の二大温泉を巡る温泉三昧の南九州の旅だった

硫黄の臭いがまだ残っているのでごわす


後記 マハゼと思っていたが、再確認すると小さいながら【ハゼクチ】と判明

サイズが12~3㎝と小さく区別し難いが、緑川でマハゼが釣れることは稀で、マハゼには有る尾っぽの黒点がハゼクチには無い

あのセイゴも有明固有の【ハクラ/アリアケスズキ】と判明

奥行が深い有明海 あぁ、また行きたい!