◆三重県尾鷲/古江漁港

 平成27年9月14日

午前5時、全ての竿にイワシの砲弾を装着し、朝焼けに染まる古江の港に砲口を向けた。

ターゲットは2種。

メインターゲットは毒の刃(ヤイバ)を隠し持つ美しきストレンジャー。

もう1種は私の仕掛ける罠をことごとく見透かす瑠璃色に輝く小さな曲者。

さっそく足元の岸壁を覗き込むと…居た!瑠璃色軍団。

最初の罠は、この日の為に用意してきた豆アジ専用サビキの出番だ。

真っ先に釣れたのはネンブツダイ。続けてスズメダイ・木っ端グレが釣れてくる。瑠璃色の曲者はサビキ針を見切っている。

次の罠はサビキ針にサシアミを刺して落とし込む。

喜び勇んで木っ端グレが群がってくる。小さなカゴカキダイが飛んでくる。大きなボラが針を飲み込んでぶち切ってゆく。サビキカゴをイシガキダイが突つきまくる。

海の中は餌取りワールドだ。
そんな中、見慣れないベラが1匹チョロチョロ。

ゲットしたいがこの中からヤツだけを釣り上げるのは無理だろう…と思っていた矢先、突如そいつがサビキに突進してきて針に掛かった!


見よこのケバさ!その名も
【オラ】

さて、イワシ餌の方はどうかな?根掛かり??ん?動いた。大きな何かが付いている。大きくサオを煽りポンピングでゆっくりゆっくり糸をスプールに巻き込んでゆく。

もうこの時点でコイツの正体はわかっている。出た~!馬鹿でかいエイ!1m20㎝。

岸に上げてして写真だけ撮って、タモをズルズル引きずって海へお帰り願った。
大本命のストレンジャーは今日もアカンかな?と再び釣れそうな瑠璃色の曲者探し。

足元の岸壁を覗いた。

んん?

ナント!

メインターゲットにしている魅惑のストレンジャーがヒレを広げ、岸壁のフジツボを突いているじゃないか!

千載一遇のチャンス!

急ぎ16号セイゴ針を結んでいた投げ釣り仕掛けを回収。小振りなイワシに付け代えてヤツの目元に送り込んだ。

25号の遊動天秤を付けたまま脈釣りするのは難しく、打ち寄せる波で餌のイワシが右へ左へ振られポイントが定まらない。

見えていたヤツがブロックの隙間に消えた。すると手にしていた投げ竿に魚信。えっ!?来たか?

周りを泳ぐ木っ端グレがイワシを飲み込むことはない。

ブロックの角にラインが当たらないように慎重にやり取りをする。


姿が見えた・・・

来たっ!

やった~っ!

ミ・ノ・カ・サ・ゴ!







ちょっと見にくいので
Photshopで背面を切り抜いて




うん。 ナットク!

波でブロックの中に吸い込まれたイワシ餌を追ってヤツが逃げてなるものかと食らいついたようだ。

その後のイワシ餌の方はアタリも無くマゴチ40㎝が釣れたり


サバフグが釣れたりする。


こうしてイワシ竿を注視しながらも、オイラは護岸を行ったり来たり。

もちろん。あの瑠璃色曲者を狙っているのだ。

波止の付け根内側、丁度良い距離に数匹泳いでいる。

次なる罠は、必殺タナゴ針。

小さなアミエビで針を隠し奴らの前に落とし込むこと数投目。本日2回目の魚信を取って手首を反した。

海面を割ったところでポチャリ。

う~ん 悔しい!

懲りずに丁寧にサシアミを刺し、仕掛けを入れる。曲者がやって来て餌をついばむ。そして餌をかすみ取る…と思ったら細い糸が揺れた!

本日3度目のヤツからの魚信。また海に落ちるかと思ったら…しっかりフッキングしている!

手の中に納まったのは青い宝石。

やった~っ!








ス・ズ・メ



これにて前半の釣りを終了。

17時頃、中島氏たちがやって来た。

彼らが来てから、日中あれだけ賑やかだった釣り場は沈黙の漁港となった。

遠投しても反応がないので得意の超近投。

その超近投竿が三脚の上でシーソーした。ロッドを掴むとしっかりした重みが伝わってくる。エイとかフグの引きでない。まともな魚の引きだ。

海面を割ったのはアオハタ。それもちょっと大きい。

中島氏にタモですくってもらった。そのタモからアオハタがドタッと地面に落ちた。

なんで??網が破けている。そうか、エイを引きずった時に裂けたのだ。

地表側で事なきを得たが、海に落としていたらショック大やったろうね。
18時を回るとすっかり暗くなりケミホタルを用意するが、その後20時前までホタルが揺れることはなかった。

翌日、アオハタを刺身で食す。

何~っ!この美味さ!嫁さん曰く「今まで食べた刺身の中で一番おいしい」と絶賛。

確かに美味い!こりゃまた釣りに行かなくっちゃ!