◆秋田県にかほ象潟

 平成29年12月20日

目覚めたのは午前3時
まだ早すぎる もう一度ベッドに

…寝れない

仕方ない…
小一時間、テレビを観たり、お茶を入れたり、ゆっくり荷造りをしてホテルを出た

外はうっすら雪景色
風もあるがそれほど寒くない

海をいだいた東北より、山に閉ざされた信州の方が断然寒い

国道に雪はなく、マリーナに入る脇道には雪がある

そんな状況下、ポイントに着いた

既に3台の車が待機

風はあるが昨日のような暴風ではない

夜釣りがメイン?といっても外に出るのは躊躇する


バタン

隣の車のドアが開き2つのヘッドライトが海に向かって動き出した

暖かな車内から様子を伺う

続けて左の車からも釣り人が外の出た

三人の姿を注視するが釣れている様子はない

居れば釣れるハタハタ

20分程して横殴りの雪が舞い、釣り人が車に引き上げる

まだ回って来ていないのか、それともこの湾内にハタハタは居ないのか…

竿を納めた左右の車と、その後に来た車が次々と立ち去る

さて、どうする?  私は動くに動けない

去った車と入れ違うように別の車が数台入って来て竿を出す

風も若干おさまり、車外に出た

赤いジャケットを着たお兄さんに挨拶をして様子を伺うと―――

「さっぱりあきませんねー」

その釣り人は先週、金浦で50匹程釣ったが、その時このマリーナは爆釣だった

そこで仕事休みの今日 訪ねて来たとのこと

ハタハタ釣りの事をあれこれ伺うと、釣った感触はなく、ただ重くなるだけ

この寒空の中、釣るのもそうだけど食べたいからと言う

ただしこの釣り人、結構同人類

男鹿の水族館へハタハタの生態を観察に行ったり、飛島沖でクロマグロ釣ったりする釣りバカ

さらに、日本中を釣り巡っていると言うじゃないか

おぉ‼ なんと私とおんなじだ!

冬の間 除雪の仕事をして、夏になるとバイクで日本中釣り回っている

残すは奈良と和歌山の2県のみ

お互い頑張りましょうと別れを告げ、その方が先週釣ったという金浦に向かった

でも、せっかく本荘マリーナに来たんだからと、投げ竿にハタハタ仕掛けをセットし、沖をちょこっと探ってみた


結果は予想通り―――
まったく釣れそうな雰囲気がない

さぁ、移動だ




本荘マリーナから20㎞で金浦漁港に着く

波止に三人、護岸に一人ハタハタ釣りをしている

様子を伺うと釣れている気配はない

一応ここでも竿を出すかと、投げ竿にセットしたままの仕掛けを取り出す

ちょうど波止で竿を出していた三人組が引き上げてきた

「こんにちはー どうですか?」

「あきません ここには入ってきてませんね…」

予想通りの返答に苦笑いして、仕掛けを海に漬けてみた

まさに漬けてみただけで、そそくさ撤収

さぁ、最後の目的地 昨日ハタハタの姿を確認した象潟へ行こう




金浦からさらに10数㎞南下 象潟の港に入るとポイントへの道に車が10台程止まっている

人が居るってことはハタハタが居てるってコト

波止には車の台数+αの人が釣りをしている

もちろん予想通りハタハタは揚がっている

そして昨日のような大波・爆風は無い

やっぱりココだ

昨日と同じくウェーダーを履き、投げ竿とクーラーボックスを担いでポイントに向かった

さいわい釣れ盛るピンのポイントが空いた

隣りの人に「ここで釣らせてもらいます」と挨拶をし、竿を出した

その隣りの人の釣ること釣ること

ひとしゃくり毎にハタハタを釣上げている

昨日のような根掛かりを心配し、まずは手前に仕掛けを落し込む

…無反応

釣れているのは竿一本分先のポイント

今日はそれを見越して投げ竿に5号ラインだ
根掛かりなにするものぞ

隣りの釣り人と同じような場所に仕掛けを投げ入れること数投目

オモリ+αの重みが竿にかかった

海面を割ったのは15㎝ほどの初ハタハタ

やっと出会えた活きた鰰

確かに釣ると言うより引っ掛かってくるって感じ

でも、ハリと糸を使って魚を仕留めるので、これはまぎれもなく釣りである

その後、ポツリポツリと釣ってゆく

20㎝クラスが2匹掛かると投げ竿でも結構おもしろい

また尾っぽに近いところに掛かるとファイトも感じられる

それにしても隣りの地元民はホントよく釣る

一投一匹でクーラーの中は満タン

私の方は十投一匹の状態

そもそもしゃくって引っ掛けるものだと思っていたが、実際はキャストしてスグが勝負

隣りの地元民を見ていると、仕掛けを打ち込んでしゃくることなく一発でハタハタを釣上げている

小一時間して解ってきたが、釣れるところは畳一畳ほどのポイント(海面から顔を出している岩の左側)


隣りの釣り人が釣上げている間に、私が打ち込むって感じ

でも、釣り上げる比率は相変わらず10:1の差がある

まぁ、地元民には敵わないと話しかけると

「#”‘*<⁂Ü☮◐Ó$#…」

あかん!ナニ言うてのんかさっぱり分からん

ただただ愛想笑い

私はあんまり数釣りを好まない
どちらかと言うとサイズであったり、最近は魚種

でも、このハタハタ釣りはついつい数を釣りたくなる
なぜか意地になる

実際、隣りの地元民はクーラーのおかわりをしているし、私も時間と仕掛けがあればなんぼでも釣っていたいし、釣れるだろう

1時間半ほどでクーラーの底が見えなくなった


これで十分
食うのが目的ではない
秋田に来てハタハタを釣るのが目的で、想いは遂げられた

もう帰らなくては明日以降がしんどい

なにしろ帰る家は550㎞先 7時間半はかかる

今回は温泉にも入れず釣り100%の旅になってしまった

なまはげの男鹿半島、名峰鳥海山に、日本海沖合に見えた飛島も気になる

釣り竿を持たず、もいちど来たいね秋田県