◆長野県 南相木村立岩湖
        
                     令和2年6月6日

毎月海に行く、ルアーでマトモな魚を釣る

それが今年の目標だった

1月・2月・3月 一年で一番釣りづらい時期、ボーズ連続なれど毎月ルアーを海にぶっ込みに行った

さぁ、暖かくなるこれからという時、そんな目標が途切れた

理由は世界を混乱の渦に巻き込んでいる新型コロナウイルス

今日現在、世界で690万人感染し、40万人が死んでいる

日本でも17000人感染、916人死亡しているという信じられない現況

緊急事態宣言は解除されたが、県外移動はまだ出来ない

つまり海無し県の長野に住んでいるオイラは海に行けないのだ

そんなおり、新釣魚を追求していると居てるやないの

この長野にしか居ない魚が…

それがシナノユキマス

ヨーロッパからやって来た色白マス属

日本ではここ立岩湖と長野県の一部の湖にだけ生息するレアな魚

ネイティブフィッシュかと問えばのこの魚は放流魚

この湖で生息してはいるが繁殖はしていない

そもそも天然魚と放流魚の区分が難解だ

放流されて1年経てばそれはそれで立派な天然魚やないだろうか?

サケやワカサギ、ヘラブナ、ブラックバスetc どれもみんな放流されて現在に至っている

それこそ大阪湾の放流チヌやヒラメ、北海道のマツカワも宮崎のオオニベもそうだ

そこで、以前 中禅寺湖で狙ったレイクトラウトと同じでシナノユキマスも対象魚ということにしよう

会社が公休日(そもそも社員旅行の日なれど、やはりコロナ事情で中止)の金曜日午前10時頃自宅を出立

直接八ヶ岳方面に行くのではなく、まずは岡谷上州屋に寄りアミエビやアジのサビキ仕掛け3号・ハリス0.6号、ワカサギも釣れるようなのでその仕掛けとサシムシも買った

そこから向かったのは御射鹿池


死ぬまでに行きたい!日本の絶景とYouTubeで紹介されている綺麗な池


その日も鳥みたいに飛んでいるドローンが池を新緑を湖面に写す御射鹿池を空撮していた

道路脇にあってメチャ手軽に行ける年寄り向けのビューポイントやね

その後、八ヶ岳と蓼科山の間を抜けワカサギ釣りで有名な松原湖に寄り、小海の町に入り15時に立岩湖に着いた

年寄り釣り人が二人 投げサビキをしている

確認するとシナノユキマスを釣っているという

朝イチに一匹釣っただけで、もう帰ろうというところらしい

魚は中層を泳いでいるが釣れたのは底の方

釣れる場所はこの辺りだけ

撒き餌が集中するこの場所にシナノユキマスが居着いているらしい


そしてこの日は放流されて2週間

環境にも慣れて昨日も結構釣れたそうだ

アタリは頻繁で、サイズは小さかったがWもあった

朝6時から10時までがピークやけど、夜明け前からヘッドライトして場所取りしてるなど、いくつかの情報を仕入れた

その後、立岩湖を形成する川の上流にある滝を見に行ったり村の温泉施設に寄り水槽で泳ぐシナノユキマスと対面

16時前に湖畔の宿 立岩荘にチェックイン

予想していたがコロナ禍の影響で宿泊客はうちらだけ

そもそも平日で、周辺にはメジャーな観光地があるのでここに泊まりに来るのは釣り人ぐらい

湖が見える部屋で荷を解き、再び釣り場に戻ると先程のじいちゃんに代わっておっちゃんがダイワの竿を出していた

そのおっちゃんを後ろから眺める

10mほど先に棒浮きが静かに立っている

おっちゃんが釣り座から立ち上がりこちらに歩いて来た

その時、湖面に漂っていた浮きが消えた!

「ウキが入ったで!」とおっちゃんに声をかけると、おっちゃんは踵を返して釣り座に戻り竿をとった

大きく弧を画く3号竿

隣で竿を出していた釣り人が「こりゃ本命だ。重いか?」

「結構重い!」と答えるおっちゃん

しかしすんなりと岸に近付き、顔を出したのはシナノユキマス

それも大きい!50㎝近くあるやないの!

そのおっちゃんタモの用意もしておらず、隣の釣り人がキャッチサポート

うぁ綺麗!ホンマ綺麗!

「刺し身サイズの大物やな」と外野が騒ぐ

釣ったおっちゃんにいろいろインタビュー

・タナは竿1本分+サビキ仕掛け(釣れたのは一番下の針)

・仕掛けは上州屋で売っていた上越サビキ(それも前回使っていたお古)

・撒き餌の配合はアミエビ8:グレV92(アミエビは袋詰めのん)

・GWに7匹釣っているし釣れる時は簡単に釣れる

・大型放流もあったし、今が一番釣り易い

確かに良いタイミングに来たみたいだが…

こんな大型を見てしまったら…

その夜 宿の夕食に出てきましたシナノユキマスの塩焼き

マス属なれど身は白身でメチャ美味いとは言えない淡白な味だ

それよりも鯉の旨煮がどえりゃ美味い!いつも食べている甘露煮も美味いけど、煮色が薄いこの旨煮 なんちゅうても卵が美味し過ぎる!

さらにここの米が旨い!

実家が米屋で普通のコシヒカリらしいが、宿泊した皆さんそう言ってくれはるらしい



そして翌朝4時前に目を覚ました

早速まだ暗い外に出た

えっ!結構外は明るいやん

急遽買ったヘッドライトも不要で、前日セッティングした釣具を車から出した

ポイントには…既に二人の釣り人

挨拶すると昨日のじいさんで「遅いやないか」と言われた

確かに遅かったみたいだ

ただ昨日夕方に釣れていた左側のポイントは空いている

そこに釣り座を構え、竿1本分のタナをとってキャット

先行するおじいちゃん達のウキ付近にオイラのウキも立った

その後直ぐ地元のじいさんが来た

間に挟まれ密になるのも嫌なので左へ移動

4つのウキが10m先に浮かんでいる

午前6時右から2人目のじいさんが20cmほどのユキマスを釣った

それから常連の皆さんはコンスタントに竿を曲げる

40オーバーも釣れる

釣れると騒ぐ

騒ぐとイラつく釣れないオイラ

静かな湖畔の森のかげで釣りを楽しみたい私には最悪の状況

ついに最良ポイントから上流の桟橋に移動

緑を撮り込んだ湖面に3号の棒ウキが静かに浮かんでいる

心地よい高原の風が頬をなでる

そう こうでなかったらアカン

釣れる釣れないは結果論

雑音から離れ、鳥の声を聴きながらウキを見ていたら

突然視界からウキが消えた!

えっ?

竿をあおり魚の感触を求める

ん?無反応…

なんの負荷もない

魚が触っただけ?

なんやったんだろう?

結局これが全て

最後は3号オモリが根に掛かりサビキ仕掛けがプッツン

あぁーあ

1700円の日券払って○ボーズ

コロナ禍の中 釣り人も少なく、大型魚を含む放流があって、風も無く梅雨入り前の晴天の中という好条件が重なった今回のシナノユキマス釣り

でも釣れない

悔しい

釣れなかったらまた来れる

次回はいつだ?

直ぐさま次週か?

それとも真冬の氷上の戦いか?

あのヨーロッパ生まれの綺麗なシナノユキマスを手にしたい

信濃に住んでいるんやもん

信濃往きます!