飼育について
親の飼育
・水中
水の用意
多くのカニやエビたちは、水の中で生活していますので、水槽に水を入れて飼育することになります。当然淡水の生き物には淡水が、海水の生き物には海水が必要になります。淡水は水道水を利用するのが簡単です。しかし、塩素が入っているので、数日日光に当てるか、チオ硫酸ナトリウム(一般にハイポと呼ばれて売っている)を入れて塩素を中和します。海水は海が近ければ汲んでくればいいですが、そうでなければ人工海水を利用することになります。人工海水にもいろいろ種類がありますが、無脊椎動物も飼育できると書かれているものを使った方が良いでしょう。

ハイポ
水の維持
飼育水は少しずつ汚れてきますので、頻繁に水換えをするか濾過装置をつける必要があります。人工海水は値段が高いので、頻繁に水換えすることはできないと思います。ということで濾過装置をセットするのがもっとも一般的となります。いろんな濾過装置があります。底面濾過装置は濾過面積が大きい反面、手入れが大変となります。しかも砂や砂利に潜る生き物では、掘り起こされたり、うまく濾過できなくなります。またせっかく飼育しても普段潜ってばかりいて、鑑賞できないことになります。オウギガニの仲間は特にこの傾向があります。そこで上面濾過装置や外部式の濾過装置(パワ−フィルタ−)を利用することになります。だだし、いくら濾過装置をつけても次第に水は汚れてきますので、時々水換えは必要となります。また海水飼育では、海水が飛び散って塩が析出してきたり水が蒸発したりして飼育水の塩分が変わってきますので、比重計や塩分計などで時々確かめる必要があります。昔イセエビを飼育していたとき、脱皮後死んでしまったので塩分を調べたら、海水の塩分は普通35ですが、50位になってたことがありました。
酸素の補給
酸素の補給は必ず必要になります。普通はエア−ポンプを用いればよいと思いますので、濾過装置がなくてもエア−ポンプによる通気だけはした方がいいと思います。

エア−ポンプ

エア−スト−ン
水温の維持
水温は、ヒ−タ−やク−ラ−を用いてコントロ−ルできる方が、長期飼育ができます。特に夏の高温時と冬の低温時は他の条件が良くても死に易いです。最近は観賞魚飼育用のク−ラ−も手に入れやすくなりましたので、多少高いですが思い切って購入できればあとの管理は少しは楽になると思います。

オ−トヒ−タ−
すみ場所
生き物にはそれぞれ生活する場があり、砂地で生活する生き物には砂が、岩場で生活する生き物には岩があった方が、本来の姿を見せてくれます。クルマエビの仲間は普段砂に潜っていますので、砂がないと砂に潜ろうと頻繁に足を動かして疲れてしまうようです。また、粗いサンゴ砂では脚がぼろぼろになってしまいます。もちろん砂が多すぎると鑑賞できませんので、体が潜れる程度の砂を入れてやった方がいいと思います。岩場で生活する生き物には下は砂でも砂利でもいいですが、小さな石やカキ殻、塩ビ管などを入れると落ち着きます。テッポウエビの仲間は石の下に穴を掘って生活しています。ただ、あんまり複雑なレイアウトにすると何処にいるのかわからなくなります。鑑賞するのにも不適ですし、生きているのか死んでしまったのかも判断できなくなるので、程々にした方がいいと思います。他の生物に共生するものでは、たとえばイソギンチャクなんかも一緒に飼育できた方がいいと思いますが、私はやったことがないので方法がわかりません。少なくともかなり明るい蛍光灯が必要のようです。二枚貝に共生するカクレガニ、例えばオオシロピンノなんかでは、何か掴まれるものを入れておけば、落ち着くようです。エア−ポンプは必要であると先に書きましたが、オオシロピンノの場合、水温を20℃以下に保てば小さな容器で数ヶ月飼育することができます。動きが鈍い分あまり酸素を使わないようです。
餌
餌はたぶん何でも食べると思います。冷凍アミ(コマセ)として売られているオキアミや熱帯魚の餌であるテトラミンなんかも食べると思います。ただしカニダマシのようにプランクトン食の生き物では、生きたプランクトンが必要となるのかもしれません。ブラインシュリンプの名で売られているアルテミアをあげれば食べるかもしれませんが、ちゃんと飼育したことないのでよくわかりません。

アルテミアの乾燥卵
共存
生き物の共存ですが、凶暴な生き物と弱い生き物とでは一緒に飼育することができません。アカテガニとコメツキガニをいっしょに飼育すると、アカテガニにコメツキガニが食べられてしまいます。スジエビの仲間は小型ですが、それでも意外と凶暴で、サラサエビやモエビの仲間を食べてしまうことがあります。もちろん大きさによります。大きさが同じでも脱皮中に襲われることがありますので、隠れ家を多く入れるか、元々飼育する匹数を少なくする必要もあります。アメリカザリガニではよく共食いします。大事に飼育しようとしたら単独飼育するのがもっとも確実だと思います。
・陸上
アカテガニのように普段水の中で生活していないものでは、水槽内に砂や土を入れて飼育することになります。全く水がないわけにはいかないかもしれませんが、霧吹きで時々吹きかけてやればいい場合もあると思います。餌は何でも食べそうです。水はともかくとしてアカテガニなんかでは隠れ家が必要でしょう。簡単なのは植木鉢や塩ビ管です。複数飼う場合には喧嘩を防止する必要があります。スナガニやコメツキガニでは、少し厚めの砂が必要です。完全に乾いた砂ではうまく穴が掘れないようなので、表面はともかくある程度の湿り気が必要です。呼吸にも必要です。
該当する生き物は、アカテガニやベンケイガニ、ハマガニ、スナガニ、コメツキガニなどでしょうか。サワガニも親となれば湿り気のある土に穴を掘って生活しているようです。フナムシやダンゴムシも陸上生活でしょう。陸上とはいえないものの、モクズガニも多少水があれば大丈夫のようです。以前風呂場で数ヶ月も生きてたことありました。これはアカテガニやベンケイガニなんかにも言えます。
子供の飼育
・水中
幼生ではなく、稚ガニや稚エビのことです。幼生期のないものもここに含まれます。幼生期のないものとしてはサワガニやザリガニがいます。これらでは親と同じような飼育方法を用いればよいと思います。ワレカラやヨコエビ、フナムシなどは飼育したことないのでよくわかりません。親と違い小型なので単独飼育ではなく、まとめ買いするのが一般的のような気がします。小型の時は頻繁に脱皮しますので、共食いが起きやすいので、見た目が悪くてもいろんな隠れ家となる物を入れておいた方が良いと思います。いろんな編み目の生地がホ−ムセンタ−で売られているので、水槽内が複雑になるように入れておけば、かなり複数で飼育できます。特にエビの仲間では有効です。また餌は1日1回よりも、少しずつ複数回やった方がよく育ち、生き残りもいいような気がします。
・陸上
したことないのでわかりませんが、フナムシやダンゴムシなどでは水がいらないような気がします。
幼生の飼育
・水中
幼生期のあるものは、まずは幼生の飼育から始めなければなりません。幼生と言ってもいろいろな大きさがあるので、簡単なものから非常に難しいものまであります。また、幼生期の長いものから短いものまで様々です。例を挙げれば、イセエビのように約1年間も幼生期があるものから、ショキタテナガエビのようにわずか1日以内のものもあるようです。幼生期については雑録のコ−ナ−で別途説明していますので(まだです)、ここでは省略します。
過去に幼生飼育した方法について説明します。幼生がふ化したら、直径20pくらいのガラス容器(半球形のボ−ル)を用意します。その中になるべくきれいな海水をいれ、弱くエア−レ−ションします。大体2リットル位入りますが、その中に幼生を50匹収容します。水は毎日ビニ−ルチュ−ブでゴミや残った餌を吸い出し、ほぼ全量入れ替えます。その後ふ化したばかりのアルテミア幼生を入れます。これを毎日続けるという方法です。

ガラスのボ−ル
過去に飼育した種
イソスジエビ、スジエビモドキ、アシナガスジエビ、ユビナガスジエビ:この類は幼生が最初から大きいので簡単な部類に入ります。スジエビモドキでは労せず100%生き残ったこともあります。アシナガスジエビもユビナガスジエビも簡単で、ユビナガスジエビの場合、育てた幼生が親になり、その子供の幼生を飼育し、成熟させるまでに育てたこともあります。ほんの半年以内でした。この3種と比べるとさらに幼生が大きいイソスジエビに関しては逆に飼育が難しかったです。50匹中1匹生き残った例が3回あるだけです。だいぶ昔の話ですが・・・。水質の悪化に弱いようです。
フタバヒメセミエビ:Y期までは確実に飼育しましたが、飼育している余裕がなくなり断念しました。
クロピンノ:餌のアルテミアとほぼ同じような大きさで、1回も脱皮せずに死んでしまいました。
フクイカムリ:最初からメガロパでふ化しました。ガラスボ−ルで飼育したときにはすぐに死んでしまいましたが、ガラス水槽に目の細かい網を浮かべ、その中にメガロパ幼生を放してアルテミアのふ化幼生を流し込んでいただけで、何の問題もなくカニになりました。ちなみに、アルテミアの幼生はすぐ網の外に流れ出てしまい、たぶん幼生は食べていなかったのだと思います。
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