このぺーじは2000年に見た映画のランキングを勝手に判断したぺーじです。 |
アナザヘヴン
主演 江口洋介/原田芳雄
被害者の頭から脳味噌が抜き取られるという、猟奇殺人事件が連続して勃発。事件の捜査にあたった飛鷹健一郎(原田芳雄)と早瀬マナブ(江口洋介)は、犯人を突き止め、事件は解決したかに思われたが、それはさらなる恐怖の幕開けに過ぎなかった・・・。
オープニングからいきなり脳味噌殺人事件の現場である。そのいきなりの展開に、心構えのない脳細胞はピリピリと心地よい刺激を受け、全感覚が物語に引き込まれる。が、真犯人がわかってくるあたりから、B級SF映画に急降下。なんかもったいない。テレビドラマと同じ時間軸で進行する戦略は面白いが、映画にはあまりテレビドラマが反映されておらず、これ又がっかり。でも、映画を観た上でテレビドラマを観たら、テレビの方はおもしろさは倍増したけどね。
アナライズ・ミー
主演 ビリー・クリスタル/ロバート・デ・ニーロ
ストレス性の発作に悩むマフィアのボス(ロバート・デ・ニーロ)と、精神分析医(ビリー・クリスタル)の奇妙な交流を描いたハートフル・コメディ。
大笑いしてほのぼのできる、ビリー・クリスタルらしい一品で満足。
アメリカン・ヒストリーX
主演 エドワード・ノートン/エドワード・ファーロング
父親が黒人に殺されたのをきっかけに、白人至上主義グループ(ネオナチ)に加わった兄デレク(エドワード・ノートン)と、その兄をこの世の誰よりも尊敬する弟ダニー(エドワード・ファーロング)。殺人を犯して逮捕されたデレクは3年の刑期中自分の過ちを悟るが、兄にあこがれるダニーはかつてのデレクと同じ道を歩んでいた・・・。
人種差別を背景に兄弟愛を描いた傑作。見終わってから“兄さん、僕たちの物語は、憎しみの歴史にピリオドを打てるだろうか。”と言うこの映画のキャッチコピーが、心にずしりと響く。ノートン&ファーロング、二人のエドワードの演技も最高で見応えあり。
インビジブル
主演 ケビン・ベーコン
国家機密の透明化プロジェクトのリーダーをしている天才科学者セバスチャン(ケビン・ベーコン)のチームは既に生物の透明化に成功していた。透明化した組織を元に戻すところでつまずいていたが、セバスチャンの天才的ひらめきで可視化の血清を作成。ゴリラを元に戻すことに成功する。しかし、成功の報告はせず、人体実験の成功を目指した。そして自ら透明化の血清を打つ。透明化には成功し、3日後に可視化の血清を打って戻るつもりであったが失敗。透明という事のストレスからか、序々に平静さを失っていく・・・。
SFXの凄さは一見の価値あり。透明になっていくところとか、可視化していくところとか今までに見た事のない映像が飛び込んできた。映像のリアルさに目が点状態。ただし、実験過程を中心に人間関係のごたごたや主人公の性格の変貌などを盛り込んだSF的な前半部分は面白かったが、後半は単なるホラー映画で興ざめ。B級映画好きな自分には面白かったが、ちょっと残念でならない。しかし、透明になってやる行為が、女性に対しての悪戯ってのがおかし悲しです。男の性ってやつなんですかねぇ〜。
うずまき
監督 Higunchinsky
出演 初音映莉子/FHIFAN/佐伯日菜子/高橋惠子/大杉漣
とある地方都市・黒渦町。いつしか得体の知れない“うずまき”の力が町全体を浸食し、次々と怪奇現象が起こりはじめる・・・。
伊藤潤二の名作『うずまき』が原作だが、原作の面白さを表現しきれていない駄作。トホホな恐怖は見え隠れするが、いろいろなエピソードを盛り込み過ぎてしまったのが逆に映画をつまらなくしていた。
海の上のピアニスト
主演 ティム・ロス
巨大な豪華客船に捨てられた子は、育ての親からナインティーン・ハンドレッドと名付けられ、船上を生活の場とした。そして、成長したナインティーン・ハンドレッドは、天才的なピアニストとして才能を発揮する。しかし、彼は船から一度も降りることなく一生を船の上で過ごした。そんな男の一生をトランペット吹きのマックスが語っていくという物語。
映画を撮るにあたり、「まず音楽を作った」と雑誌記事か何かで読んだが、音楽のエンリオ・モリコーネが作り上げた音楽は最高であった。船室の窓から女性を見つめながら(一目惚れってやつ)奏でた曲の美しさは絶品である。しかし、曲の素晴らしさと作品の素晴らしさは比例しておらず、限りのある鍵盤の世界から、無限の可能性のある世界へ足を踏み出す事が出来なかった主人公の生き方には、正直共感できなかった。ストレートに言ってしまえば、自分の世界にしか生きられない、哀れなマザコン(母=船)男の物語であった。
X−メン
出演 ヒュー・ジャックマン/パトリック・スチュワート/アンナ・パキン
近未来、人類は突然進化を始めた。しかしそれらの人間は突然変異(ミュータント)と呼ばれ、危険分子として敵視する人類も少なくなかった。その一人であるロバート・ケリー上院議員(ブルース・デイビソン)は、「ミュータント登録法案」を提出し、ミュータントを管理すべきだと訴えた。ミュータントこそ地球の支配者と信じるマグニートー(イアン・マッケラン)。それに対し、人類とミュータントの共存こそが人類の歩む道だと信じるエグゼビア(パトリック・スチュワート)は、X−メンを率いてマグニートーの計画を阻止しようとする。
X−メンに新たに加わるウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)をとりあえず主役に置き、触れた相手の能力を吸収する力を持つローグ(アンナ・パキン)なんかの話しも交えたって感じなんだけど、主役のインパクトが弱すぎ。アメリカではヒットしたらしいが、X−men自体が浸透していない日本でのヒットは無理と見た。映画自体もたいして面白くないし。自分的には娯楽を意識せずに、もっと心理的にウルヴァリンを追及して欲しかったと思う。
エニイ・ギブン・サンデー
主演 アル・パチーノ/キャメロン・ディアス
日曜日ごとに勝負が繰り広げられる、アメリカンフットボールの世界を描いた作品。
試合のシーンは臨場感たっぷりで見応え充分。アメリカンフットボール映画としては最高の作品。ただ、アメリカンフットボール映画としては、と限定したのがミソ。おもしろかったんだけどね。
奇人たちの晩餐会
主演 ティエリー・レルミット/ジャック・ヴィルレ
編集者のピエール・ブロシャン(ティエリー・レルミット)は、友人達と毎週水曜日に“ばかを集めた晩餐会”を開いていた。ルールは、必ず1人ばか=奇人を連れてくること。誰もが認めるばかを連れてきたものが勝者という悪趣味な集まりだ。ゴルフで腰を痛めたピエールの元へ、この“晩餐会”に招待することになった税務署職員のフランソワ・ピニョン(ジャック・ヴィルレ)がやって来る。ギックリ腰で動けないピエールは、ピニョンの行動に翻弄され、無茶苦茶なことになっていく・・・。
涙が出るほどの“おバカ映画”なのである。ばかが主人公だからと言う単純な理由ではなく、全てが「このばか!」と言いたくなる程、愛すべきおバカ映画なのである。ばかをばかにするという“晩餐会”を嬉々として催しているという設定が、差別的で嫌な感じだが、晩餐会に行く前の話という設定も功を奏し、些細な事として忘れ去ってしまう。それくらいのおバカパワー炸烈なのである。マジで爆笑もの。スピルバーグがリメイク権を買ったそうだが、どうなることやら。
キッドナッパー
主演 メルヴィル・プポー/エロディ・ブシェーズ/ロマン・デュリス
金庫破り、警備システム・ハッカー、詐欺師、スピード狂ドライバーの4人組が強盗計画を実行に移すが、誤算だらけで、どんどん予期せぬ方向にずれていく・・・。題名のキッドナッパーは誘拐犯という意味。
設定とか展開とか面白い要素は多々あるものの、終始退屈。テンポの悪さなのか、演出の悪さなのか・・・。
ギルバート・グレイプ
主演 ジョニー・デップ/ジュリエット・ルイス/レオナルド・ディカプリオ
父親が地下室で首を吊ってから、実質グレイプ家を支える立場となった24歳の青年ギルバート(ジョニー・デップ)。夫を失ったショックから過食症になり、異常に太ってしまった母や、脳に障害を持つ弟アニー(レオナルド・ディカプリオ)の面倒を見るために、ギルバートは、小さな田舎町から外に出ることができなかった。そんなある日、祖母とキャンピングカーで気ままな旅をするアーニー(ジュリエット・ルイス)と出会い恋に墜ちる・・・。
J・デップの優しく繊細なまなざしが印象に残る名作である。心の葛藤を目の演技でみせる素晴しさは言うことなし。加えて、アーニーを演じたL・ディカプリオの素晴しさは、絶賛したい。いやぁ〜こんなに素晴しい演技が出来る俳優だったとは今まで知らなかった・・・。観終って、一番好きな人に会いたくなった。そんな人恋しくなる映画。心が痛んでいる時は、好きな人と一緒に観る事をお勧めします。
クッキー・フォーチュン
出演 グレン・クローズ/リヴ・タイラー/ジュリアン・ムーア/チャールズ・S・ダットン
舞台は、ミシシッピ州の小さな町、ホリー・スプリングス。その町に住むクッキー(パトリシア・ニール)が自殺した。それを最初に発見したのが、疎遠にしていたクッキーの姪カミール(グレン・クローズ)だった。カミールはクッキーの自殺を他殺に見せかけるよう、同行していた妹のコーラ(ジュリアン・ムーア)に言い聞かせる。そして、誤認逮捕されたのがウィリス・リッチランド(チャールズ・S・ダットン)であった。そんな嘘で固めた殺人事件は思いもよらない結末へと転がっていく・・・。
物語自体はがたがたと騒がしい(人が一人死んでいるので)はずなのに、なんか平和な空気が流れている映画であった。その空気を乱すカミール役のグレン・クローズの微妙にコミカルな怪演ぶりは最高である。でも、観終った時感じたのは、やっぱり平和な空気。そんな変な映画。
グラディエーター
主演 ラッセル・クロウ
将軍マキシマム(ラッセル・クロウ)は、皇帝の実の息子コモドゥス(フォアキン・フェニックス)の反感を買い、失脚、処刑されることになる。が、その場を逃れ故郷に戻る。しかし、そこには火あぶりされ、吊るされている妻と子供の姿があった・・・。流浪の果てに剣闘士となったマキシマムは、壮絶な闘いを生き抜きながら、復讐の機会をうかがっていた。そしてついに若き皇帝コモドゥスが主催するコロシアムに出場することになる・・・。
正直言って深みのない映画だった。大金がかかった大作だとは思うが、将軍マキシマムの自己中心的な感情には、疑問がわいた。あの時代がそうだったとか、非情だったから将軍になれたとかあるだろうが、自分の家族には愛情を示しながら、闘う相手には非情なまでに冷酷。闘う相手にだって家族があるかもしれないのに・・・そんなところを悩んだ上で闘ってくれれば、もっと人間臭さがあって感情移入できたかも。
黒猫・白猫
主演 バイラム・セヴェルジャン/フロリアン・アンディーニ
ドナウ河のほとりで暮らす、ジプシー達を描いた群像コメディ。プラス奇想天外な恋愛映画。
あまりのハッピーエンドぶりに笑みがこぼれてしまいましたよ。途中ちょっと眠かったけど、なんか気持ちが柔らかくなるいい映画だった。
ゴースト・ドッグ
主演 フォレスト・ウィテカー
武士道とは死ぬことと見つけたりと説いた山本常朝の「葉隠」を愛読し、サムライとして生きようとしている殺し屋ゴースト・ドッグ(フォレスト・ウィテカー)。命の恩人であるマフィアを師と仰ぎ、忠実に仕事をこなしていくが、ある仕事を境に、そのマフィアのファミリーから命を狙われる身になってしまう・・・。
ジム・ジャームッシュの映画は初見ゆえ、“この何とも言えないおかしさはなんなんだ!”という気持ちでいっぱいであった。妙な日本かぶれも笑えるが、登場人物の気の抜けたようなシュールな描き方は癖になりそうなくらいおかしい。
ゴジラ2000(ミレニアム)
出演 村田雄浩/西田尚美 他
ゴジラの脅威にさらされている日本。そんな日本に地球外生命体という新たな脅威が出現する。
今までのゴジラの流れをすっかり無視した物語にがっかり。死んだはずのゴジラの復活により物語に深みが出るのではと期待していたが、そんな話はなかったかの如くゴジラ上陸。何故復活したのか、何故容姿が変わったのかとか、まるっきり無視。全体の構成も無茶苦茶。あまりにもひどすぎる。
ことの終わり
主演 レイフ・ファインズ/ジュリアン・ムーア
高級官僚の人妻(ジュリアン・ムーア)と小説家(レイフ・ファインズ)は恋に落ち、戦火の中で情事を繰り返す。しかし、彼女は突然の別れを言い出す。それから会う事もなく月日が流れたが、偶然にも二人は再会してしまう。そこで明かされた“別れの理由”に隠された謎と奇跡の物語。
なんて書くと面白そうだけど、謎と奇跡が隠すようなものでなくてガッカリ。まぁ一応明かさないでくださいと注釈がしてあったので書きませんが、大外れの映画であったとだけ書いておきます。
サイダーハウス・ルール
原作 ジョン・アービング
出演 トビー・マグワイア/シャーリーズ・セロン/マイケル・ケイン
セント・クラウズの孤児院で生まれたホーマー・ウェルズ(トビー・マグワイア)は、ラーチ院長(マイケル・ケイン)の堕胎業を手伝いながら暮らしていた。成長するにつれ自分の未来に疑問を持ち始めた彼は、堕胎にやってきたキャンディ(シャリーズ・セロン)と知り合ったのをきっかけに、孤児院を飛び出した。院長の「人の役に立つ存在になれ」という言葉を胸に、自立を決意したホーマーは、リンゴ園で職を得て生活をはじめる。そして様々な経験をし、心の成長を果たしたホーマーは、ウェーバー亡き後の孤児院に戻る決心をする・・・。
とてもいい映画だった。このまま今年一番の映画になりそうである。主人公をとりまく人々は決して幸せと言える状況ではないのだが、観終って優しさに包まれ、とても充実した深く静かな気持ちになれた。ラストシーンでホーマーが孤児達へ「おやすみ、メイン州の王子、そして、ニュー・イングランドの王」(この言葉は、子供たちが寝る前に、父親代わりだったウエーバーが、本を読み、部屋を去る時に言う言葉)と言った後に見せたホーマーと孤児たちの暖かな微笑みに、涙が込み上げてしまった。本当にいい映画ってのはこういう映画のことなんだろうと思う。マジで。
さくや 妖怪伝
主演 安藤希
江戸時代。霊峰・富士山の噴火によって結界が破られ、妖怪達が人間界に出現。公儀妖怪討伐士の血を継ぐ少女・さくや(安藤希)は、妖怪を退治すべく、弟として育てた河童の太郎とともに旅立つ。
内容があまりにもチープ過ぎてがっかり。子供向けにしては暗いし、大人向けとも思えないし・・・これなら「妖怪百物語」や「妖怪大戦争」の方が断然おもしろかった。安藤希のきりりとした表情が良かったのが救いの映画。
シックス・センス
主演 ハーレイ・ジョエル・オスメント/ブルース・ウィリス
小児精神科医のマルコム(ブルース・ウィリス)は、かつて救えなかった患者とよく似た症状を持つ8歳の少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)と出会う。少年には死んだ人間の姿が見える“第六感(シックス・センス)”が備わっていた。しかしこの“秘密”を解く為にマルコムは、少年の手助けとなるが、そこには語ることの出来ない秘密が隠されていた・・・。
去年に継いで2度目の鑑賞。“秘密”を知ってからの鑑賞なので、当り前だが、初めて観た時の衝撃はなかった。しかし、丁寧に作ってある事に感心し、知った上での楽しさは堪能できた。ただ、うまい事つじつまを合わせたような行動がないとは言えないけど・・・。それはともかく、初めてコール少年がマルコムに秘密を明かすシーンの、ハーレイ・ジョエル・オスメントの天才的な演技のうまさは、“秘密”を知ってから観るとより一層伝わってくる。あの時の恐怖の表現はメッセージでもあったんだなぁとかとか。この映画は、ハーレイ・ジョエル・オスメントあってのものかもしれない。
シックス・デイ
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー
クローン技術でペットを生き返らせることさえも可能になった近未来。しかし、この時代でも“人間が人間を創る”事は、「6d法」によって禁止されていた。 ある日、アダム・ギブソンが仕事を終え、愛する家族の元へ帰ると、そこに“もう一人の自分”がいるのを目の当たりにする・・・。
クローンを不老不死に結び付けた発想は、技術的には不可能かもしれないが、現実に有り得るかも知れないと思えて興味津々であった。が、その発想以外はつまらなく退屈な映画であった。中味薄すぎ。興味あるテーマだったので、もう少し奥行きのある映画にして欲しかったぁ。
死の王
出演 ヘルマン・コプ他
朽ち果ててゆく一人の自殺者の屍体。その哀愁漂うおぞましくも芸術的な光景を挿入し、七日間に渡って繰り広げられる7つの自殺・・・。
遺書として送られたチェーン・メールを読んだ者は「死の王―der Toder King」に選ばれ、生の意味を悟り「死」を選択する。そんな人々を8編のオムニバス・ムービーで見せている。それを繋ぐのが“腐敗する肉体”。だんだんと土へと還っていく肉体は、まさに死=無を象徴している。この映像だけでも観る価値が十分あった。まさに、悪夢のような傑作。
ジャンヌ・ダルク
主演 ミラ・ジョヴォヴィッチ
魔女として火あぶりの刑に処せられたジャンヌ・ダルクの半生を、生身の一人の少女として描いた作品。
ジャンヌ・ダルクの一生ってなんだったのか、と心に重く悲しみが残る映画。ちょっと後味が悪い・・・。でも、嫌いじゃないけどね。戦う場面でのミラ・ジョヴォヴィッチの鬼気迫る顔がとてもいい。脇役もグッド。
人狼
脚本 押井 守
作画監督/キャラクターデザイン 西尾鉄也
敗戦から10年後の架空の東京。そこでは、反政府組織に対抗する為に、公安とは別組織の治安部隊“首都警”が組織されていた。その隊員である伏は、抗争の最中、目の前に現われた反政府組織の少女を射殺できず自爆させてしまい、自分の隊に被害を与えてしまう。その罪を問われて謹慎処分を受けた伏は、少女の墓参りに出向く。そこで少女そっくりな女と出会い恋に墜ちる・・・。
組織に生きる人の皮を被った狼の苦悩の物語である。女と出会い運命は変わったかに見えたが、そこにも陰謀が隠されたって感じの悲しい物語。架空の東京という設定が村上龍の「五分後の世界」とだぶった。でも、好きな世界なので◎。
スクリーム3
主演 ネーヴ・キャンベル
ウッズボローの惨劇を映画化した「スタブ3」の撮影が始まるとともに、連続殺人事件が勃発。そして、山で静かに暮らしていたシドニー(ネーヴ・キャンベル)の元にも殺人鬼からの電話が入る・・・。
「スクリーム」3部作の完結編。とにかくおもしろい!このシリーズは、ホラー映画好きにはたまらない可笑しさなのである。もちろん恐怖もあり、犯人が誰かわからない謎解きの面白さもある。ただ、3部作の例にもれず「3」は「1」を越えられなかった・・・。一応完結編となってるのだが、自分としてはもう一人犯人がいると思って止まない。ここでは書けないが、絶対あいつは共犯者だ!!・・・まさか、新たなる恐怖とか言って続編を作る為の布石じゃないだろうなぁ〜。
スティグマータ 聖痕
主演 パトリシア・アークエット/ガブリエル・バーン
キリスト教の信者でもないフランキー(パトリシア・アークエット)の体に聖痕らしき傷が現れる。バチカンから派遣されたアンドリュー神父(ガブリエル・バーン)は、彼女を救おうとするが・・・。
単なるオカルト映画かと思っていたら、もっと深い映画であった。真実の福音書の話であり、現在の教会の在り方に対する強烈な批判が描かれていた。神について、ちょっと考えさせられるところあり。ただ、真実の福音書の為だけに一人の女性に傷を負わせる事ないじゃないの、って思ったけど。
スリーピー・ホロウ
主演 ジョニー・デップ/クリスティーナ・リッチ
1799年、首なし連続殺人事件の捜査のため、ニューヨーク郊外にある村“スリーピー・ホロウ”にやってきたNY市警のイカボッド(ジョニー・デップ)は、奇妙な現実を目のあたりにしながらも、事件の真実を追及していく・・・。
ティム・バートンらしいダークな雰囲気が最高。ジョニー・デップも良かったが、首なし騎士を演じたクリストファー・ウォーケンがいい!!ただ物語としてはちょっと弱かったかなっ。
デジモンアドベンチャー/ぼくらのウォーゲーム!
データを食べて進化する新種のデジモンが発見された。そのデジモンを退治する為に少年達が、サイバー空間で展開するモンスター・バトル。
テレビアニメの映画版かと侮っていたが、コンピュータ・ウィルスをデジモンに変えて描いている、大人の観賞にも充分耐えうる作品であった。って言うか面白かった。サイバー空間の描き方も斬新でいい。
DEAD OR ALIVE 犯罪者
主演 哀川翔/竹内力
新宿歌舞伎町を舞台に、刑事・城島(哀川翔)と裏社会でのし上がろうとする本上(竹内力)が火花を散らす、やくざ映画。
ラスト数分までは、血なまぐさいやくざ映画なのに、ラストで“バカ映画”になるトンでもない映画。でも会場は拍手喝采。そんなラストではあるが、脇役で出演している石橋蓮司、大杉漣、ダンカン、寺島進などいい味出してます。特に石橋蓮司の変態ぶりはトホホ過ぎて最高。
トイ・ストーリー2
実はレア物だったカウボーイ人形のウッディが盗まれた。スペースレンジャー人形のバズは、仲間達と共にウッディ救出作戦を決行する。
1作目とは違った視線で描かれる物語は、単なる続編とは違った面白さを醸し出していた。CGアニメのレベルも格段とアップ。おもちゃ好きの自分には、嬉しくてワクワクする作品であった。
ナインスゲート
主演 ジョニー・ディップ
世界に3冊しか現存しない本「ナインスゲート(影の王国への九つの門)」の1冊を手に入れたバルカンは、残り2冊を探し出して、その真贋を鑑定するように探偵ディーン・コルソ(ジョニーデップ)に依頼する。しかし、その本に関わるものたちは奇怪な死を向かえる。やがてコルソは、3冊の本の9枚の挿し絵に、ある謎が隠されている事を発見する・・・。
ロマン・ポランスキー監督の雰囲気、ジョニー・ディップの演技、謎を発見していくところとか面白いのだが、何か物足りない。悪魔に関しての認識が弱い日本人にはわからない恐怖が本当は隠されているのかもしれないが、よくわからない。そもそもナインスゲートが開いたからどーなのかもよく理解できなかったりして。
ノイズ
主演 ジョニー・デップ/シャーリーズ・セロン
飛行中のスペースシャトルとNASAとの交信が2分間途絶えた。帰還後、宇宙飛行士の妻ジリアン(シャーリーズ・セロン)は夫スペンサー(ジョニー・デップ)の行動に疑問を持ちはじめていた。やがて、妊娠した彼女は、お腹の子供にも疑問を抱き始めた・・・。
「ノイズ」という邦題から、もっとその音からくる恐怖が味わえるのかと思ったら肩透かし。原題「THE ASTRONAUT'S WIFE」を知って納得。「ローズマリーの赤ちゃん」のSF版って感じだけど、内容はイマイチ。
バーティカル・リミット
主演 クリス・オドネル/ロビン・タニー/スコット・グレン
世界最高峰の一つK2を目前にしたアタック隊に「嵐が近づいているので直ちに下山せよ」と無線が届く。だが、山頂目前のアタック隊はこれを無視し頂上を目指す。しかし嵐はパーティを直撃。山の切れ間に落ち、雪崩から奇跡的に生き残ったのは3名。救出するタイムリミットは22時間。閉ざされた氷を爆破する為のニトログリセリンを背負い救出作戦が開始された・・・。
何年も山に入ることを拒み続けた兄ピーターが妹を含んだ3名を救出に向かうって感動的に作るのはいいが、その為に何人もの人間を危険に直面させるってちょっと利己主義過ぎないか。山の間を跳び移ったり、死ぬ一歩手前の人間をどーやって下山させたんだぁ〜って現実的じゃない場面が多い。まぁ観ている最中はハラハラ、ドキドキで退屈しないんだけど。
バッファロー`66
主演 ヴィンセント・ギャロ/クリスティーナ・リッチ
刑期を終え出所したビリー(ヴィンセント・ギャロ)は、恋人もいないくせに「妻を連れて帰る」と両親に嘘をついてしまう。思いすがってその場にいたレイラ(クリスティーナ・リッチ)をら致して連れていく・・・。
も〜最高。ビリーの悲しさ、レイラの寂しさ、そんなものをいっぱい含んだラブ・ストーリー。見終って様々なシーンが蘇ってくる素晴しさ。映画はこーでなくちゃね。一番のお気に入りはボーリング場でレイラがMOONCHILDに合わせてタップを踏むシーン。曲もいいし、孤独感が滲み出ているクリスティーナ・リッチの演技もグッド。
BULLET BALLET/バレット・バレエ
主演 塚本晋也/真野きりな
恋人が拳銃自殺をしてから、“死”とその要因である“拳銃”を得ることに取り憑かれた合田(塚本晋也)は街を徘徊する。そこで以前おやじ狩りに合い、怪我を負わされた不良グループの一人の少女・千里(真野きりな)と再会する。そして、それをきっかけに、合田は不良グループの抗争に身を投じていく。恋人を失い、壊れ始めた生活の中、憎しみ、復讐という動機で不良グループを追い詰めるが、ひたすら“死”に傾倒していく千里に、合田は復讐以外の感情を持ち初めていた。やがて千里も合田に共感を覚え始めていく・・・。
暴力、狂気が渦巻く現代における純愛物語であると言い切りたい。それは好きとか嫌いとか、SEXがどうのとかのレベルではない、引かれ合う心のふれあいを描いたとんでもなくピュアなものであった。と言ってもそんなものは匂わせないのが塚本監督の凄いところであって、圧倒的な暴力、疾走感は過去のどの作品よりも凄い。モノクロの画面も効果的で、血飛沫があがるシーンでもモノクロの画面がより重厚にシーンを彩り、真っ赤な血飛沫があがるよりも衝撃的であった。
合田の恋人・桐子を演じた鈴木京香は最後の方の回想シーンのみの出演だが、とても印象深い。拳銃自殺が、その後の主人公の人生を変えたという意味合いにおいても存在感が強いが、鈴木京香が演じたというのも存在感の強さを引き立てていた。
ファイナル・デスティネーション
出演 デヴォン・サワ/ショーン・ウイリアムス・スコット/アリ・ラーター
修学旅行でパリに向かう飛行機の中、アレックス(デヴォン・サワ)は、飛行機が爆破・墜落する予兆に襲われる。「この飛行機は落ちる」と半狂乱になったアレックスが起こした騒動で、飛行機から降ろされることになった7人。その7人の目の前で飛行機は爆発炎上、乗客全員が死亡した。奇跡的に助かった7人だが、“死”は彼らを許さなかった・・・。
飛行機を降りるか降りないか、という選択で死が左右されてしまうという設定は、現実味があって面白かったが、事故に見せかけて死の制裁をくだすってのが、恐いようでいてちょっと間抜け。
BLOOD THE LAST VAMPIRE
企画協力 押井守
キャラクターデザイン 寺田克也
主演 小夜(声:工藤夕貴)
1966年、ベトナム戦争最中の米空軍・横田基地。基地の周りでは不審な自殺者が相次いでいた。その陰には「翼手」と呼ばれる吸血鬼の存在があった。それを察知した「組織」は、基地内のアメリカンスクールにひとりの少女を送り込んだ。彼女の名前は小夜<SAYA>。小夜は日本刀を手に闘いを挑んでいく・・・
全体を流れる雰囲気、寺田克也が描くキャラクター、いきなり確信に迫りノンストップで突っ走る物語の面白さなど、絶賛したい点は多々あるのだが、いかんせん上映時間が短い、短すぎる!その為大量の謎を残したまま終ってしまい、なんとなく未消化な気分が残ってしまう。小夜についてもたった一人のオリジナルのVAMPIREであるって事しか語られていない。映画の長さと面白さは比例しないとは思うし、全てを解決しない面白さもわかる。でも、後30分くらいは長く作って欲しかった。
ブルーベルベット
主演 カイル・マクラクラン
父の見舞いの帰り道で、切り落とされた人間の耳を発見した青年ジェフリー(カイル・マクラクラン)は、興味本意で犯人を探し出そうと行動を起こすが、頽廃と暴力の耽美的な世界に足を踏み入れてしまう・・・。
リンチの世界を堪能できる作品。「ブルーベルベット」の主題歌も官能的で耳に残る。そして、何よりもデニス・ホッパーが最高にいい。その世界に入り込んでしまったデニス・ホッパーの怪演があってこその映画と言っても過言ではない。
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
主演 ヘザー・ドナヒュー
魔女伝説が残るメリーランド州バーキッツヴィルの森で、ドキュメンタリー映画を撮影中の若者3人が失踪した。残されたものは撮影されたフィルムだけだった・・・。
その残されたフィルムを観るという異色ホラー映画。その発想や、見えない恐怖の描き方はいいが、だから何だったのって結末。擬似ドキュメンタリー映画に徹した結果だと思うが、1本の映画としては未完成過ぎる。
ボーイズ・ドント・クライ
主演 ヒラリー・スワンク
閉鎖的な田舎町を舞台に、自分は男だと信じて生きた性同一性障害の女性の悲劇的運命を描いた、実話に基づいた人間ドラマ。2000年アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞。
自分は性同一性障害とは無縁の人間ではあるが、とても重い、いや“痛い”映画であった。嫌いな映画ではないが、観なければよかったと思うほど胸にシコリが残る。
ボーン・コレクター
主演 デンゼル・ワシントン/アンジェリーナ・ジョリー
青少年課への移動を目前に控えていたアメリア・ドナヒー(アンジェリーナ・ジョリー)は、通報により駆けつけた現場で奇妙な事件と遭遇する。指の肉が剥ぎ取られ、骨がむき出しの死体、傍らには意味不明な証拠品の数々。彼女はそれらを冷静にカメラにおさめた。その行動を高く評価したリンカーン・ライム(デンゼル・ワシントン)は、自分の代わりに、現場検証をして欲しいと依頼する。ライムは職務中の事故によって動かせるのは肩から上と、指先だけであった。かくして、ライムとドナヒーのコンビと、猟奇殺人犯との戦いが幕を開けた・・・。
証拠品を分析し、猟奇殺人犯を追いかけるまでは面白かったのだが、犯人のインパクトが弱過ぎる為にラストが尻つぼみ。なんか動機も弱いし・・・。現場検証に重点を置いた捜査が非常に面白かっただけに残念でならない。アンジェリーナ・ジョリーを初めてスクリーンで観たが、決して美人とは言えないのにとっても魅力だったのが一番のポイントだったりして。
マルコヴィッチの穴
出演 ジョン・キューザック/キャメロン・ディアス/キャスリーン・キーナー/ジョン・マルコヴィッチ
才能はあるが売れない人形遣いのクレイグ(ジョン・キューザック)は、妻ロッテ(キャメロン・ディアス)にせかされ、ビルの7と1/2階にある会社に就職した。クレイグは、その会社の隠された壁に、15分間だけ俳優ジョン・マルコヴィッチになれる穴を発見した。それを機会に片思いのマキシン(キャスリーン・キーナー)と共に珍商売を始めたが・・・。
奇妙奇天烈な映画。実在の俳優ジョン・マルコヴィッチの脳に入るって奇抜な設定からしておかしい。こんな脚本を書く人も変だが、まぁそれを承諾した上に出演もしているジョン・マルコヴィッチが凄い、って言うか変過ぎ。ジョン・マルコヴィッチ本人が穴に入って自分の深層心理の世界を体験してしまうシーンが、むちゃくちゃでおかし過ぎ。まさに珍品な一本。
ミッション・トゥ・マーズ
主演 ゲイリー・シニーズ
2020年、人類は、ついに火星への有人飛行を実現した。だが、火星探査中に突然、NASAと4人の宇宙飛行士達との連絡が途絶えてしまう。事故の究明と生存者の確認および救出のため、ジム(ゲイリー・シニーズ)、ウッディ(ティム・ロビンズ)ら4人の新たなミッションが開始された。しかし、火星で彼等を待ち受けていたのは驚くべき真実だった・・・。
ブライアン・デ・パルマの頭の中をひっくり返したらこんなものが出ました、って感じの映画。ある意味B級映画の巨匠ブライアン・デ・パルマらしいと言えるかもしれない。全然感動もせず、関係ない場面で可笑しさが込み上げてくる、なんて言うか・・・突っ込み所が多いバカ映画でもありました。
リプリー
出演 マット・デイモン/ジュード・ロウ/グウィネス・パルトロウ/ケイト・ブランシェット
貧しい青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、ある富豪からイタリアに行ったまま帰らない息子ディッキー(ジュード・ロウ)をアメリカに連れ戻す仕事を引き受ける。トムは、イギリスで出会ったディッキーのきらびやかな生活に憧れの眼差しを向ける。気まぐれからトムを自分の生活に引き入れたディッキーだったが、自分にまとわりつくトムを疎ましく思いはじめた。そして、悲劇が起る・・・。
汚い言葉で言ってしまえば、自分勝手なホモ野郎の映画。『太陽がいっぱい』と同じ原作の映画化であるが、天と地ほど差がある。もちろん『リプリー』が地。どちらが原作に近いのか、わからないけど・・・。物語も駄目だが、主演のマット・デイモンが完璧にジュード・ロウに負けている。貧乏に対する卑屈感を出すにはそれでいいのだろうが、主人公に華がないのはどうもいただけない。ジュード・ロウがスクリーンに登場しなくかってからは拷問に近いつまらなさ。前半でこの映画は終わったと言っても過言ではない。
レインディア・ゲーム
主演 ベン・アフレック/ゲイリー・シニーズ/シャリーズ・セロン
刑期を終え刑務所を後にしたルーディ(ベン・アフレック)は、出所前に殺されてしまった同房のニック(ジェイムズ・フレイン)の名を名乗り、文通相手のアシュリー(シャリーズ・セロン)に近づく。順調に事は運んだかに見えたが、アシュリーの兄ガブリエル(ゲイリー・シニーズ)の登場によりカジノ強盗に力を貸す羽目に・・・。しかし、その犯罪には二重三重の罠が仕掛けられていた。
仕掛けられた様々などんでん返しは面白かったが、悪人が人の話を信じ過ぎ。ちょとおバカ。まぁ、見ている方も登場人物同様に人の話を信じ、騙される羽目になるんだけどね。
ワンダー・ボーイズ
出演 マイケル・ダグラス/トビー・マグワイア/ロバート・ダウニーJr.
大学英文科教授兼作家のグラディ・トリップ(マイケル・ダグラス)は、処女作で受賞を果たし“ワンダー・ボーイ(早くに大きな成功をした人)”として脚光を浴びた。しかし、それに続くニ作目がなかなか書き上がらない。250ページで終わらせるつもりが、2611ページになっても終わりが見えない。妻は家出。生活は荒れ、マリファナにまで手を出す始末。そんなとき、グラディの処女作をまとめた編集者テリー・クラブツリー(ロバート・ダウニーJr.)が最新作を求めてやってくる。さらに浮気相手であるサラ(フランシス・マクドーマンド)が妊娠していることが発覚。それに加え、教え子である嘘つきの天才ジェームズ・リア(トビー・マグワイア)が事件を起こしトリップの周辺はてんやわんやの大騒動・・・。そんな週末を描いた逸品。
ちょっといい雰囲気の面白さを持った作品。主役のマイケル・ダグラスより、脇を固めるトビー・マグワイアとロバート・ダウニーJr.がとても良い。特にロバート・ダウニーJr.。男好きって一面がむちゃくちゃうまくて、とても笑えます。
ONE PIECE/ワンピース
海賊が残した黄金を探して、航海を続ける少年達の冒険を描く。
単なるテレビアニメの一編って感じ。この程度のものを映画館で上映するなよ〜。