このぺーじは2001年に見た映画のランキングを勝手に判断したぺーじです。 |
A.I.
出演 ハーレイ・ジョエル・オスメント/ジュード・ロウ
近未来、温暖化の影響で、都市は水没し、人々は限られた地表で生活していた。そこでは人口調整の為に子供を持つ事は制限されていた。そこで開発されたのが、母親への愛情をインプットされた少年型ロボット、デイビッド(ハーレイ・ジョエル・オスメント)。デイビッドは、不治の病で冷凍保存されている息子がいる母親スウィントン(フランシス・オーコナー)に貰われて行く。しかし、息子が不治の病から生還した事により母の心は急激に冷めていく。本当の人間になれれば母に愛してもらえると考え、妖精を探しに数千年の時を超える旅に出たデイビッドの物語。
親子の関係、人間と機械の関係など、様々な点で考えさせられるところはあるものの、心からの叫び、と言うか葛藤みたいなものが深く伝わってこなかった。デイビッドが母親に捨てられるシーンなどは、演技のうまさも加わり、悲しさが心に突き刺さった。しかし、もっと尾を引く悲しさがあってもいいと思うのに、そこまでの悲しさが伝わって来なかった。SF版の“ピノキオ”として観ると面白いが、キューブリックが撮りたかったのは、“ピノキオ”だったのだろうか?疑問が残る。もっと人間と機械の関わり方を深く掘り下げてみたかったのではないだろうか、と想像してしまう。良くも悪くもスピルバーグ映画であった。
エボリューション
出演 デビッド・ドゥカブニー/ジュリアン・ムーア
アリゾナの砂漠に隕石が落下した。生物学者アイラ(デビッド・ドゥカブニー)は、そこで未知のDNAを発見する。しかし、その地球外生命体は驚異的な速度で進化を始めた。アイラは同じ大学の教授ハリー(オーランド・ジョーンズ)と発見者のキャディ(ショーン・ウィリアム・スコット)と共に暴走するこの生命体を撃退すべく隕石の落下地点に向かった・・・。
なんとも中途半端な映画だった。監督が『ゴーストバスターズ』のアイバン・ライトマンだし、チラシもなんとなくその雰囲気を醸し出しているので、とってもおバカな映画かと思って期待してたのですが・・・おふざけ加減も下品なだけで笑えず。もっとはちゃめちゃやって欲しかった。
オーシャンズ11
出演 ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/ジュリア・ロバーツ/アンディ・ガルシア/マット・デイモン
詐欺の罪で保釈中のダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)が、刑務所暮らしで練った計画は、ラスベガス3大カジノの現金がすべて集まる地下200フィートの巨大金庫から、個人的にも関わりの深いカジノ王テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)の現金を盗み出すというものだった。仲間11人を集め実行に移すオーシャン。果たして、この11人の男はベネディクトから1億6千万ドルという大金を盗むことができるのであろうか・・・。
オリジナルは未見。今じゃない良き時代の犯罪映画って感じが漂うちょっと重厚な雰囲気の映画。プラス良い役者が揃っていて見ごたえあり。ブラピは、影な役ながらも、かなりな存在感。登場の度に何か喰ってるのもキャラクター的にはいい感じ。
オーロラの彼方へ
出演 デニス・クエイド/ジム・カヴィーゼル
ニューヨークの空に30年前と同様にオーロラが現われた日、ジョン(ジム・カヴィーゼル)は、クローゼットの中にあった亡き父の無線機を設置し、なにげなく交信を始めた。すると、30年前火災現場で死ぬ前日の父・フランク・サリヴァン(デニス・クエイド)に繋がってしまう。どうにか生き延びて欲しい一心での助言が過去を変え、未来をも変化させてしまう・・・。
という感じのSFファンタジーではあるが、親子の絆から殺人事件までありとあらゆる要素を盛り込んだ作品。しっかりエンターテインメントしていて退屈しない。アイデア勝ちって映画。でも、評判に反して感動は薄かった。
溺れる魚
主演 椎名桔平/窪塚洋介
とある一流DPE会社に“溺れる魚”と名乗る者から脅迫メールが送られてきた。やがて一人の警視庁公安部の警部が、その企業となんらかの関係を持っている事がわかる。警察機構内の犯罪を調査する警視庁・特別監察官(トッカン)は、その事を隠匿しようと懲戒免職寸前の白州勝彦(椎名桔平)と秋吉宗貴(窪塚洋介)を内偵捜査にあたらせた。捜査が進み各々の事件が一つに結ばれた時、この事件を裏で操る本当の悪人が浮かび上がる・・・。
今流行の血生臭さい犯罪映画かと思ったら、とんだ“おバカ映画”だった。ちょっと映像的に凝りすぎの感じはあるが、嫌いじゃない。おバカなキャラクター設定も好きだし、脇役もいい感じ。特に“エースのジョー”が最高!!
ギフト
出演 ケイト・ブランシェット/キアヌ・リーヴス
ジョージア州にある小さな町。アニー・ウィルソン(ケイト・ブランシェット)は、工場の事故で夫を亡くした後、占いで生計をたて、3人の子供たちと細々と暮らしていた。そんなある日、長男の学校の教師ウェイン(グレッグ・キニア)の婚約者ジェシカ(ケイティ・ホームズ)が失踪した。事件の謎を解明するために、ウェインと保安官がアニーに協力を求めてきた。霊感(ギフト)を使って、ジェシカの行方を探ろうとしたアニーは、その晩、半裸の体にチェーンをまかれたジェシカが木の枝に漂う幻想を見る。さっそく捜査が開始され、女好きで粗暴なドニー(キアヌ・リーヴス)の所有地の池が捜査された・・・。
ミステリーものなのでストーリーは核心に触れる前にストップ。父親から受けた虐待のトラウマで精神を病んでいるバディ(ジョヴァンニ・リビスキ)、ジェシカと肉体関係を持っていた検事のダンカン、ドニーの暴力で悩んでいる妻ヴァレリー(ヒラリー・スワンク)、そしてドニーにウェインと怪しい人物達が事件を取り巻く。なかなか真犯人がわからなくて面白いのだが、全体を通して何か不満が残る映画であった。静かな恐怖はうまいが、昔のサム・ライミ監督の破天荒な面白さがなくなってしまっていた。
ギャラクシー・クエスト
出演 ティム・アレン/シガニー・ウィーバー/アラン・リックマン
イベント出演で細々と暮らす往年のSFドラマ「ギャラクシー・クエスト」の出演者たち。彼らが出演したを番組を“歴史的ドキュメンタリー”だと思い込んでいる、嘘を知らない異星人サーミアンたち。本物のヒーローに間違えられた彼らは、サーミアンの危機を救う冒険に駆り出されるはめに・・・。
状況設定やキャラクター設定の“おバカさ”にゲラゲラ笑いながら楽しんでいたら、不覚にも感動してしまった、とんでもない映画。マジお薦め。
キャラバン
出演 ツェリン・ロンドゥップ/カルマ・ワンギャル
ヤクを引き連れ、ヒマラヤ山脈を越えて、生きる糧である塩の交易を行なうキャラバン隊。ある日、村の長老の跡継ぎが事故死し、無言の帰還を果たした。次期リーダー候補としてカルマの名が挙がるが、過去に敵対していた村人の息子であるカルマを信じられない長老は反対する。そして、長老自らキャラバン隊を率いてヒマラヤを越えると言い出す。出発の日を占いで決めるしきたりに疑問を感じているカルマは、長老がいない隙に若い者達を率い、キャラバン隊を出発させてしまう。しきたりを重んじる長老は出発の日を守り4日後に旅立つのだが・・・。
過酷な自然環境の中、しきたりを重んじる長老と、自分の力を信じる若者との対立・葛藤・和解、親と子の絆とかをキャラバン隊を通して描いた作品。テーマ的にはシンプルなストーリーだが、ヒマラヤ山脈での映像の素晴らしさとか、キャラバン隊の生き方だとか、いろいろなものが絡み合いとても心に残るいい映画になっていた。熱く感動する作品ではなく、静かに感動できる素晴しい作品であった。大絶賛。
グリーン・デスティニー
出演 チョウ・ユンファ/ミシェル・ヨ−/チャン・ツィイー/チャン・チェン
時代は19世紀初め、剣の英雄たちが群雄割拠する時代。天下の名剣 “グリーン・ディスティニー”(碧名剣)の使い手としてその名を轟かせる英雄リ−・ム−バイ(チョウ・ユンファ)とユー・シュ−リン(ミシェル・ヨ−)は、密かに心惹かれ合いながらも、長い間自分達の幸福よりも人々のため正義に生きてきた。貴族の娘イェン(チャン・ツィイー)と盗賊の頭ロー(チャン・チェン)もまた身分は違いながらも惹かれ合い、激しく愛しあっていた。この二組の男女が、英雄の剣をめぐるドラマの中で、真実の愛を知っていく・・・。
二組の男女を描いた為、話が散漫になってしまった感じが残る。ワイヤーアクションは凄すぎて感動するより笑いがこぼれてしまった。しかし、空を舞うワイヤーアクションはマジ凄い。非現実的な描写は大好きなので、これからもどんどんやって欲しいもんである。
クリムゾン・リバー
出演 ジャン・レノ/ヴァンサン・カッセル
アルプスの山中で発見された変死体の謎を追うピエール・ニーマンス(ジャン・レノ)、墓荒らしを追うマックス・ケルケリアン(ヴァンサン・カッセル)。二人の刑事が追うそれぞれの事件が一つの接点で結びつき、犯人を追いつめて行く・・・。
殺人事件の犯人は確かに追い詰めたのだが、“真の犯人”の陰謀は曖昧のまま。そっちを追い詰めてこそ、真の解決なのに・・・。真実を啓示する為の殺人だったのに、目の前の事件を解決したら終わりかい!犯人の苦労はどこ行ったんじゃい!って言いたくなるお粗末な結末にガッカリ。
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
監督 原恵一
声の出演 矢島晶子他
謎のリーダー“ケンちゃんチャコちゃん”が春日部に作ったテーマパーク“20世紀博”。その懐かしさに浸り、子供に戻ってしまった大人達。しんのすけ達は洗脳された大人達を助けるため“カスカベ防衛隊”を結成し大奮闘する。
大阪万博やらの20世紀の懐かしさ満載で、大人も楽しめる映画。って言うか子供の知らない事ばっかのような気がする。その気持ちがしんちゃんの気持ちでもあり、見ている子供達ともシンクロして面白い空気を醸し出していた。前半は大人がにこにこ、後半は子供がゲラゲラって感じ。
クローン
出演 ゲイリー・シニーズ/マデリーン・ストウ/ヴィンセント・ドノフリオ
2079年、地球は異星人ケンタウリとの戦争が続いていた。ある日、極秘プロジェクトの爆弾兵器を研究開発する科学者スペンサー(ゲイリー・シニーズ)は、地球保安局のハサウェイ少佐(ヴィンセント・ドノフリオ)に捕えられる。スペンサーは敵が創り出したクローン人間であると言うのだ。疑惑を向けられたスペンサーは自分が本当の人間である事を証明しようと軍から逃げ出す・・・。
最後まで本当の人間かクローン人間かわからないのはところは面白い。が、あっちこっち疑問だらけ、って言うか突っ込み所多し。スペンサーが本当にクローンという確信もないのに胸を開こうとしたりするかぁ〜。それも、人類の未来を背負う研究をしている人間を。ハサウェイは、10人くらい誤認殺害してるって警告されてるし・・・。ひどい展開だ。
ゴジラ×メガギラス−G消滅作戦−
出演 田中美里/谷原章介/伊武雅刀/星由里子
1954年・ゴジラ東京上陸。壊滅的打撃を受けた東京に変わり、首都は大阪に移った。そして、ゴジラの破壊を受けないクリーンエネルギー<プラズマ発電>が開発された。しかし、1996年またもやゴジラが出現し、発電所を破壊してしまう。その際、自衛隊特殊戦闘部隊隊員の1人であった辻森桐子(田中美里)をかばう為に宮川隊長(永島敏行)がコンクリート片に押しつぶされ、帰らぬ人となった。2001年、桐子は、防衛庁内に設置されたG対策本部で対ゴジラ戦闘部隊“Gグラスパー”の隊長になっていた。彼女の目的はただひとつ、「ゴジラを消す」こと。ブラックホールを出現させゴジラを消し去るという、究極の対ゴジラ兵器砲<ディメンション・タイド>が完成された。しかし、実験の際、ブラックホールによって出来た時空の歪みにより、古代の巨大昆虫の幼虫メガヌロンが現代日本によみがえってしまった。メガヌロンは成虫メガニューラ、そしてメガギラスへと成長した。ゴジラ×メガギラス×人類の壮絶な三つ巴の戦いが繰り広げられる。果たして勝利するのは・・・。
『ゴジラ』第一作の後、首都が大阪に移り、それ以降もゴジラの恐怖に怯えているって構図は、パラレルワールドみたいでおもしろい。ゴジラに対し私的な復讐心を持っている辻森桐子を主人公に置いているのもいい。ただ、やはりまだ子供向けの映画という感じで甘さが残る。ゴジラ映画を支えているのは子供だというのはわかるが、今一歩冒険して欲しかった。とことん大人向けのゴジラが観たいものだ。
ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃
出演 新山千春/宇崎竜童
1954年のゴジラ上陸から半世紀が経ち、ゴジラの脅威を忘れ去ってしまった日本。海底で巨大な背びれをもつ生物との遭遇が報告された。防衛軍准将・立花(宇崎竜童)はゴジラの襲来を警戒するが、平和ボケした軍は自らの兵力を過信し気にもとめなかった。そんな状況の中、ついに破壊神ゴジラが日本へ上陸する。時を同じくして日本各地では次々と奇妙な現象が起こっていた。TV番組『デジタルQ』のスタッフである立花の娘・由里(新山千春)は超常現象が発生した場所と民間伝説『護国聖獣伝記』に出てくる<護国聖獣>が眠るとされている場所との奇妙な一致を発見する。伝説の謎を調べているうちに、由里は謎の老人・伊佐山と出会う。伊佐山は、「ゴジラは太平洋戦争で命を散らした、数知れぬ人間たちの魂が宿った強烈な残留思念の集合体だ。ゴジラは武器では殺せん。」と警告する。かくしてゴジラと覚醒した“ヤマトの守護神”キングギドラ・モスラ・バラゴンの死闘が繰り広げられる。生き残るのは誰か。
さすが金子監督。1作目のみを生かし、それ以降の作品は全て無視。ゴジラを残留思念の集合体とする解釈もおもしろい。ただ、護国聖獣が“人”ではなく“国”を護るという考え方はガメラと同じだったのが斬新さに欠ける。しかし、ゴジラ作品の中では上位のおもしろさ。でも、子供には受けないかなぁ〜。
殺し屋1
出演 浅野忠信/大森南朋/塚本晋也
新宿歌舞伎町のヤクザの若頭・垣原(浅野忠信)は、組長の失踪事件を追ううちに影でこの事件を操るジジイ(塚本晋也)の存在に気がつく。そして、ジジイの放つ殺人マシーン・イチ(大森南朋)の存在を知る。マゾの垣原は殺される前の本物の絶望感を味わいたくてイチを追い求める。いじめられっこの反動で、泣きながら標的を惨殺し、返り血を浴びながら射精してしまうサドのイチと、究極のマゾ垣原の愛にも似た暴走が繰り広げられる・・・。
前半はテンポはあるもののストーリーを追うだけで消化不足。しかし、垣原がイチの存在を知り、イチを追い求めるあたりから作品のできは急上昇。ラストシーンは原作とは180度違う絶望感を垣原が味わうことになるのだが、自分としては原作の方が好きかなぁ。それにしても浅野忠信のすばらしさは何。あれだけ濃いキャラクターを自分のものにし、独自の垣原像を構築している。脇を固める役者も素晴らしく、原作の世界を抜群の演技で再現している寺島進や、原作とはかけ離れた存在なれど別の恐怖を生み出していた松尾スズキなど思いっきり楽しませてくれた。
13 Ghosts(原題)
出演 シャノン・エリザベス/エフ・マレイ・アイブラハム
謎めいた叔父から遺産相続の話が舞い込んだアーサーと二人の子供。ガラスでできた研究所のような大邸宅を譲り受けた彼等だが、その屋敷には謎が隠されていた。
いわいる「館もの」と言うのでしょうか、お化け屋敷ホラー。ジョエル・シルバーとロバート・ゼメキスがプロデュースしたリメイク作品。映像的には最初から最後まで退屈しない。幽霊も怖いし。ただ、愛が勝つみたいな部分で減点。
ザ・セル
出演 ジェニファー・ロペス/ヴィンス・ヴォーン
異常連続殺人犯カール・スターガーが逮捕された。しかし、彼はビールス性の分裂症発作を起こし昏睡状態に陥っていた。犯人宅のビデオには、ガラス張りの独房(セル)に閉じこめられた女性が、セルを満たす水の中で溺れ死んでいく様子が記録されていた・・・。新たに拉致された被害者が閉じ込められている場所を知っているのは意識不明の犯人しかいない。そこで、昏睡状態の犯人の精神世界に侵入して、女性が監禁されている場所を探ろうと、キャサリン・ディーン(ジェニファー・ロペス)が侵入するのだが・・・。
犯人の精神世界に侵入するって設定はおもしろいが、結局事件解決には結びついていない。ヒントを見つけたのは後から追ったFBI捜査官ピーター・ノバック(ヴィンス・ヴォーン)だし、そのヒントだって現場をしっかり捜査すれば発見できたような些細なもの。石岡暎子の衣装とか精神世界の映像は素晴しいが、内容はお粗末。
ザ・ダイバー
出演 キューバ・グッディングJr./ロバート・デニーロ/シャリーズ・セロン
海軍に入隊したカール・ブラシア(キューバ・グッディングJr.)は、ある事故で自分の危険を顧みることなく救助に当たったダイバー、ビリー・サンデー(ロバート・デニーロ)の凄さに圧倒され、ダイバーを目指すことを決意する。しかし、数年後、海軍のダイバー養成所に入隊を許可された彼を待っていたものは、当然のごとく激しい人種差別と、現役を退き鬼教官となったサンデーだった。人種差別と戦い、鬼教官サンデーと戦い、片足切断という事故と戦いながらも、マスターダイバーを目指すカールの姿を描いた実話の映画化。
実話なので極端に脚色できなかったのか、ごく普通の映画に納まってしまった。ただし、ロバート・デニーロが演じたサンデーは実在する教官を寄せ集めて作った架空の人物らしいので別格。ロバート・デニーロが演じていたからと言うのもあるが、なかなか味のある人物像であった。主役を食っていたと言っても過言でない。って言うかロバート・デニーロが出演していなかったら、むちゃつまらない映画になっていたと思う。
ザ・メキシカン
出演 ブラッド・ピット/ジュリア・ロバーツ
組織の運び屋から足を洗おうと思っているジェリー(ブラッド・ピット)は、これが最後と腹をくくり、世界一美しいと言われる伝説の拳銃「メキシカン」を受け取る仕事を引き受け、メキシコへ。一方サマンサ(ジュリア・ロバーツ)は、約束を破ったジェリーに怒り、夢を叶えるため一人ラスベガスへ向かう。しかし、旅の途中で、ジェリーが銃を持ち帰るまでの人質にされてしまう。愛し合いながらもすれ違う二人。二転三転する銃の争奪戦・・・。そんな犯罪アクション・ロマンスって言うか、犯罪コメディ映画。
呪われた伝説の銃「メキシカン」の周りで繰り広げられる人間模様を描いた硬派なクライム・ムービーかと思ったら、意外と笑える映画であった。ブラッド・ピットとジュリア・ロバーツの絡みは少なかったが、まぁそんな状況設定ではあったので納得。ジュリア・ロバーツがむちゃくちゃいい味出してました。
サトラレ
出演 安藤政信/鈴木京香
心で思ったこと全てが、周りにいる人に悟られてしまう、1000万人に1人の確立で存在する「サトラレ」。その7人目として認識された里見健一(安藤政信)とその周辺の人々との関わりを描いた作品。
泣きのエンタテインメントとか広告を打っていたが、その“泣かせる”って演出が見え見えで逆に引いてしまった。もっと自然な流れの中で感動させて欲しかった。で、一番驚いてしまったのが、八千草薫のおばあさん役。時の流れを感じずにはおれなかった・・・。
PLANET OF THE APES/猿の惑星
出演 マーク・ウォルバーグ/ティム・ロス/ヘレナ・ボナム=カーター
2029年。宇宙空間に磁気嵐が発生し、その探査の為に訓練されたチンパンジーのパイロット、ペリクリーズを乗せた偵察ポッドが、宇宙ステーションオベロン号から飛び立った。しかし、姿を消すと同時に音信不通となってしまう。宇宙飛行士レオ・デイビッドソン(マーク・ウォールバーグ)は上官がとめるのも聞かず、交信を絶った偵察ポッドの行方を追い宇宙へと飛び立った。しかし、彼もまた消息を絶つ。レオが、不時着した惑星では人間が奴隷として、知能を持った猿に統治されていた・・・
衝撃のラストは前作に比べてしまうと確かに弱い。と言うか、ティム・バートンは、“衝撃”より“遊び”を優先したラストにしたのではないだろうか。猿の惑星でのストーリー展開にも弱さを感じた。レオの存在にしても、人間に理解を示す猿のアリ(ヘレナ・ボナム・カーター)の存在にしても、もう一工夫が欲しかった。でも最初から最後までまったく退屈させる事なく、その世界に引き込んでしまうのは、さすがティム・バートン。セード将軍を演じたティム・ロスの狂気も凄くいい。
ショコラ
出演 ジュリエット・ビノシュ/ジョニー・デップ
フランスの静かな村。北風が吹き荒れる冬のある日、ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)とその娘アヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソン)がその村に越してきた。彼女が開いた店はチョコレート・ショップ。断食期間のため村人たちは怪訝な顔をするが、好みをピタリと当てるヴィアンヌの店は、次第に人気を集めるようになり、人々を虜にしていく。村人達が教義に反してチョコレートを食べてしまっている事実に愕然とした村長、レノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は、ヴィアンヌの追放を画策し、店への出入りを禁止したうえ彼女についての悪い噂を広め始めた。そんな時、船で川を行くジプシーの青年ルー(ジョニー・デップ)が村にやってくる。恋におちるヴィアンヌ。人を幸せにしてしまう不思議なチョコレートを売る母娘は、自らも幸せを掴む事ができるのでしょうか・・・
さすがラッセ・ハルストレム監督作品って感じのとってもいい映画。タイトルにピッタリの甘くてちょっとほろ苦い感じ。深い感動じゃなく、気持ちがほのぼのすると言うか、見終わって気持ちが軽くなる映画。お薦めです。
スナッチ
出演 ブラッド・ピット/ベネチオ・デル・トロ/ビニー・ジョーンズ
ベルギーで盗まれた86カラットのダイヤをめぐって、ロンドンの暗黒街を舞台に、種々の悪党達が血で血を洗う争奪戦を展開。いつしか裏ボクシングまで巻き込んでいく・・・。
泥棒、運び屋、裏ボクシングのノミ屋、チンケな質屋、パンキー(流浪民)、そして一匹の犬。登場人物がすべて格好良く、あほぅで魅力的。こんな奴らが入り乱れて86カラットのダイヤを巡って争奪戦を展開するのだが、どこか滑稽。映像、スピード感など最高。でも、ストーリー的には深みなし。
スパイキッズ
出演 アントニオ・バンデラス/カーラ・グギノ/アレクサ・ヴェガ/ダリル・サバラ
かつて最高のスパイとして活躍していたグレゴリオとイングリッド。敵同士だった二人は恋に落ち、結婚、現役を引退し子供二人と幸せで静かな日々を送っていた。ある日、グレゴリオの昔の組織OSSから、行方不明になったかつての同僚の調査の仕事が入る。昔の仲間を助ける為に現役復帰した二人だったが、それは二人を捕まえる為の罠だった。二人が捕まったことを知ったグレゴリオの仲間フェリックスは、非常事態を察知、二人の子供カルメンとジュニに、両親がスパイであることを告げる。敵の標的はスパイの知性を集大成した“第3の脳”。これを利用し、世界征服を企もうとしていたのだった。両親を助ける為に敵の秘密基地に乗り込む二人。勇気ある反撃が開始された・・・。
真面目なスパイものかと思っていたが、裏切られた。いや、いい意味で。おこちゃまスパイの大活躍で悪者退治!!・・・って感じのコミック系スパイ映画。それに家族愛なんかもプラス。設定的に無理があるところもあるが、全て容認できちゃうおもしろさ。気楽に楽しめ大満足。
千と千尋の神隠し
声の出演 柊瑠美/夏木マリ/菅原文太
10歳の少女、萩野千尋は両親と一緒に引っ越しの途中、不思議な世界へと迷い込んでしまう。そこは、魔女湯バーバが支配する、霊々(かみがみ)が病気と傷を癒すための温泉町だった。豚に変身してしまった両親と引き離され、一人ぼっちになってしまう千尋。その千尋を助ける謎の少年ハク。この世界では、働かない者は動物に変えられてしまう、という掟があった。千尋は“セン”と名付けられ働く事になる・・・。戸惑いながらも“セン”として必死に生きていく千尋。果たして、千尋は、自分の名前を取り戻し、両親と共に人間の世界へ生還できるのだろうか・・・。
自然破壊への警鐘、少女の自立、物欲に対する戒めなどなど、メッセージがたくさん詰まっている映画だが、そんな事気にせずに楽しめた。ハクとセンの関わり方とか、豚になってしまった両親をどうやって見極めたのか(理由なんかなく親子の絆と言ってしまえばそれまでだが)とか、明確になってない点など拾い上げれば切りがない。でも、観ていて楽しい映画は好きなので満足度は高い。
余談だが、映画館で終始「もう帰ろうよ〜」と、か細い声で親に訴えていた少女がいた。トラウマになって映画が嫌いにならなければいいんだけど、と心配してしまった。幼い子供にはちょっと怖い映画かも。
ソードフィッシュ
出演 ジョン・トラボルタ/ヒュー・ジャックマン/ハル・ベリー
麻薬取締局が実行した極秘の作戦“ソードフィッシュ”。その実行中に生み出された資産は、利子とともに15年間眠り続け、今では95億ドルもの巨額となっていた。その闇資金を狙うガブリエル・シアー(ジョン・トラボルタ)は、元ハッカーのスタンリー(ヒュー・ジャックマン)を強引に仲間にし、実行に移す・・・。
ざっくばらんに言ってしまえば「合衆国に対するテロを滅ぼす為には、当の合衆国国民を幾人か殺してもいいや」という危険な思想を持ったガブリエルの物語。貿易センターでのテロがなかったら、トラボルタの悪人を娯楽として楽しめたが、公開する時期があまりにも悪いという悲運な映画。あっ、アメリカではテロの前に公開済だけど。主人公ガブリエルに、今のアメリカの姿(テロ撲滅の為なら民間人をちょっと殺したって大目に見てよみたいな)を見ているようで背筋が寒くなった。と言うか嫌〜な後味。
トゥームレイダー
出演 アンジェリーナ・ジョリー/ノア・テイラー/ジョン・ボイト
トレジャー・ハンターのララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は、天才プログラマー・プライス(ノア・ティラー)の作った大型戦闘用ロボットを相手に、実戦さながらの訓練を行っていた。そんなある日、ララは20年前に失踪した父クロフト卿(ジョン・ボイト)の隠し部屋から、不思議なアンティークの時計を発見する。それは、惑星直列時に時空の扉を開ける“鍵”であった。“イルミナーテイ=光の人々”と呼ばれる秘密結社は、その鍵を探し求めていた・・・。
同名ゲームの映画化。アクションあり謎解きありで、ゲームの世界そのまま(私は『トゥームレイダー』をやった事ないんだけど)、展開も早く、まったく退屈しない。ララ・クロフトを演じたアンジェリーナ・ジョリーも最高。いや、アンジェリーナあっての映画と言っても過言ではない。観た日はアンジェリーナ・ジョリーの舞台挨拶があったので余計に興奮。次回作が楽しみである。
ドリヴン
出演 キップ・パルデュー/ティル・シュワイガー/シルベスター・スタローン
カートレースの年間チャンピオンを争って、ベテランのブランデンバーグ(ティル・シュワイガー)と新人のジミー・ブライ(キップ・パルデュー)は熾烈な戦いを繰り広げていた。しかし、年間チャンピオンの座に手が届いているのに、ジミーは勝てない。そこで、チームキャプテンのカール・ヘンリー(バート・レイノルズ)は、セカンドドライバーとしてジョー・タント(シルベスター・スタローン)を呼びよせる。果たして年間チャンピオンの座は誰の手に・・・。
レースのシーンの迫力は最高。ただ、レース場を転戦する為に盛り上がりに欠け、欲求不満は残る。最後のレースくらい長い時間をかけ描いて欲しかった。人間関係の描き方は最低。ソフィア(エステラ・ウォーレン)をブランデンバーグとジミー・ブライが取り合い、ジョー・タントの元妻キャシー(ジーナ・ガーション)は、同じくサブドライバーのメモ(クリスチャン・デ・ラ・フォンテ)の奥さんになっている。カートレースの世界の男女関係は、こんな狭い世界なんかい!って思った。
パーティ7
出演 永瀬正敏/浅野忠信/原田芳雄
チンピラのミキ・シュンイチロウ(永瀬正敏)が組の金を強奪して人里離れた山のホテル“ニューメキシコ”に潜伏。しかし、知られるはずのないそのホテルに、昔の恋人ミツコシ・カナ(小林明美)やその婚約者トドヒラ・トドヘイ(岡田義徳)、ヤクザの兄貴分ソノダ・シンゴ(堀部圭亮)などがミキを追って現われる。さらにその部屋を覗いているオキタ・ソウジ(浅野忠信)と謎の男キャプテンバナナ(原田芳雄)。彼等の為にホテルは大混乱に陥る。果たして組の金は誰の手に・・・。
前作『鮫肌男と桃尻女』がむちゃくちゃ面白かったし、個性のある俳優が多数出演しているので、きっと面白いだろうと期待をしたのだが、大ハズレ。つまらない会話がだらだら続くだけで退屈この上なし。
初恋のきた道
出演 チャン・ツィイー/スン・ホンレイ
華北の美しい村。都会で働く青年ルオ・ユーシェン(スン・ホンレイ)は、父の訃報を聞いてこの村に戻ってきた。母(チャオ・ユエリン)は、伝統の葬儀をすると言って周囲を困らせる。石のように頑なな母の姿を見ながら息子は村の伝説となった父母の恋物語を思い出していた。料理で初恋を伝えるチャオ・ディ(チャン・ツィイー)と教壇の声で応える青年教師ルオ・チャンユー(チェン・ハオ)。この二人の物語を・・・。
邦題の「初恋のきた道」は“道”という重要なポイントに恋心が加味されていてなかなかいいし、原題の「我的父親母親」も物語をストレートに表現していて、これ又いい。映画自体も最高に良かった。が、何を置いても一番にあげたいのは、チャン・ツィイーの笑顔。それほどまでに魅力的であった。『グリーン・デイスティニー』の時も魅力的であったが、この映画のチャン・ツィイーはまるで天使。本編で、チャンユーが初めてディの家を訪ねた際に入り口で迎えたディの輝きは一生忘れない、みたいな語りがあったが、まさにその気分。その衝撃であった。本当にいい映画はいつまでも感動が残るもんだけど、この映画はまさにそれ。
バトルロワイアル特別編
出演 藤原竜也/山本太郎/ビートたけし/安藤政信
完全失業率は15パーセントを越え、1千万人もの失業者が全国にあふれた日本。さらにこの年の全国の不登校児童・生徒数は80万人。校内暴力による教職員の殉職者は1200人に及んだ。深刻化する学級崩壊、卑劣な少年犯罪の多発に業を煮やした政府は、全国の中学3年生の中から毎年1クラスを決め、行動範囲の限られた一般人のいない場所に移送、最後の1人になるまで殺し合わせる【新世紀教育改革法】通称BR法を公布した。その適用クラスに選ばれた中学生42人の死闘を描く。
R-15指定の映画になってしまったが、リアルタイムな中学生にこそ観て欲しい映画。この映画から実社会生活の何たるかを学ぶ、とかのお説教臭い事は無視して、今の大人達が考えている子供達への思いとかを当事者である中学生が観てどう感じるかが、この映画の真のテーマではないだろうか?大人が観て納得したり、恐怖したりする映画ではないと思う。
バニラ・スカイ
出演 トム・クルーズ/ペネロペ・クルス/キャメロン・ディアス
親の地位と遺産を引き継いだデヴィッド(トム・クルーズ)は、ソフィア(ペネロペ・クルス)との運命的な出会いも得て、順風満帆な人生を送るはずだった。しかし、デヴィッドがセックス・フレンドと割り切っていたジュリー(キャメロン・ディアス)の思わぬ嫉妬心により無理心中を謀られてしまう。その事故で美しい顔を失い、自暴自棄に陥ったデヴィッドは、現実と夢の境が曖昧な世界に迷い込んでいく・・・。
面白いストーリーなのに不完全燃焼という感じが残る。『オープン・ユア・アイズ』のリメイクだが、シーン構成とかも似過ぎていて目新らしさがなかったのも残念。オリジナルより理解しやすい分、解説編と言った感じがしないでもない。登場人物のキャラクターはオリジナルと若干ではあるが違っていた。特にキャメロン・ディアスが演じたジュリーはオリジナルを超えた恐ろしさを見せる。キャメロン・ディアスのうまさも加わり怖さ倍増。
ハンニバル
出演 アンソニー・ホプキンス/ジュリアン・ムーア
バッファロー・ビル事件から10年。逃亡したハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)は名前を変え、伝統ある宮殿の司書としてイタリア・フィレンツェで生活していた。レクターに殺されかけた大富豪メイスン・ヴァージャー(ゲイリー・オールドマン)は、復讐の為にレクターに莫大な懸賞金をかけて行方を追及していた。そんな折、彼の正体を地元の刑事リナルド・パッツィ(ジャンカルロ・ジャンニーニ)が突き止める。金に目がくらんだパッツィは情報をメイスンに売る。一方クラリス(ジュリアン・ムーア)は、赤ん坊を抱いた凶悪犯を狙撃したことで非難され、苦しい立場に追い込まれていた・・・。
あれだけボリュームのある原作を2時間くらいの枠に納めるのは難しいと思っていたが、案の定物語を追うだけで、肝心な心情的なものが全然描ききれていなかった。メイスンもその異常性が薄く残念であった。そして一番残念だったのが、原作では重要な位置にあったメイスンの妹マーゴが登場しなかった事。ラストシーンも原作の方がハンニバル・レクターの精神面の怖さが出ていたような気がするのだが・・・。
ピーター・グリーナウェイ8 1/2の女たち
出演 ジョン・スタンディング/マシュー・デラメェア
最愛の妻を亡くし、悲しみに打ち菱がれている大富豪の父の為に、世界中から8人と1/2人の女たちを集めて、自分達専用の娼館を作った大富豪の息子。この2人と女性達を描いた作品。
人間の愚かさを描いているのか、おばか映画なのか微妙な映画。自分的には嫌いじゃないけど、面白いかって問われたら首を傾げてしまう、そんな映画。
FINAL FANTASY
声の出演 ミン・ナ/アレック・ボールドウィン/ドナルド・サザーランド
2065年の地球。隕石と共に飛来した“ファントム”と呼ばれる地球外生命体により、人類は絶滅の危機に瀕していた。政府軍が必死の総力戦で応戦するなか、武器を持たずに立ち上がる一人の女性アキ。アキによって地球は救われるのだろうか・・・。
“最低の映画”の称号を与えます。CGの技術はさすがに凄い。けど、映画がまったく面白くない。暗い画面、感情移入できない主人公、ありふれたストーリー・・・まさに眠さとの格闘。せっかく「FINAL FANTASY」と名付けたのだから、ありふれたSF映画に終わらすのではなく、もっと“おとぎ話”的な破天荒な物語にするとか、ゲームで構築した世界を覗かせて乗り物はチョコボにするとか、アキは魔法が使えて、召還獣を呼んで応戦するだとか・・・そんな物語なら、もう少し楽しめたのではないかと思う。こんな駄作に膨大な費用と月日をかけたと思うと、なんと勿体ない事かと思ってしまう。そんな残念な映画であった。
15ミニッツ
出演 ロバート・デ・ニーロ/エドワード・バーンズ
東欧からアメリカにやってきて裏切り者を殺害したエミール(カレル・ローデン)とオレッグ(オレッグ・タクタロフ)は、マスメデアの恐るべきパワーを目にし、それを利用し有名になり大金をせしめようと企んだ。二人組の犯行が火事を偽装していた為、成り行き上協力する事となった消防局の放火捜査員ジョーディ・ワーソー(エドワード・バーンズ)は、有名刑事エディ・フレミング(ロバート・デ・ニーロ)と共に、犯人を追い詰めて行く。しかし、殺人ビデオをTV局に高く売りつけようとする犯人の標的にされたエディは、逆に囚われてしまう・・・。
劇場入り口の看板に大きな字で「デ・ニーロ死す」ってネタバレはやめて欲しかった。で、内容はと言うと、デ・ニーロが死ぬまでは、まずまずの犯罪映画だった。しかし、死んでからは、それまでちりばめた伏線が全然収集できず、結局何が言いたい映画なのかわからないB級映画になってしまった。まぁそれはそれで面白かったんだけど。余談だが、エスコート・サービスの経営者としてシャーリズ・セロンが出演してるのだが、彼女である必要がない程の役。なんだったんだろうって感じ。
ふたりの男とひとりの女
主演 ジム・キャリー/レニー・ゼルウィガー
お人好し過ぎて無害な警官チャーリー(ジム・キャリー)は、最愛の妻がほかの男と駆け落ちした事がきっかけで、もうひとつの人格ハンクを産み出してしまった。ハンクは、チャーリーとは正反対で素行が悪く下品でSEX好き・・・二重人格障害に苦しむチャーリーに与えられた仕事は、交通違反の容疑で手配されているアイリーン(レニー・ゼルウィガー)の護送。しかし、二つの人格はアイリーンに恋してしまう。愛を勝ち取る為に二つの人格は争い始めてしまうが・・・。
『メリーに首ったけ』に負けず劣らずのお下品な笑い満載の“おばか映画”。ジム・キャリーの抱腹絶倒のおばかさもいいが、3人の息子、そしてホワイティがいい味だしてます。一番のお気に入りはトイレのシーン。思い出すと笑いが込み上げてきちゃいます。
ブラッドシンプル/ザ・スリラー
脚本 ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
出演 ジョン・ゲッツ/フランシス・マクドーマンド
アメリカ南部の片田舎。浮気をした妻アビー(フランシス・マクドーマンド)を愛人レイ(ジョン・ゲッツ)もろとも殺害しようと企んだ夫マーティ(ダン・ヘダヤ)は、自分の雇った私立探偵(M.エメット・ウォルシュ)に裏切られ、逆に殺害されてしまう。そして、殺人犯をアビーだと誤解したレイは、愛するアビーのために後始末をやり遂げる・・・。その一方、自分の企てた完全犯罪のボロに気が付いた私立探偵は、焦りから卑劣な殺し屋と化し、何も知らないアビーとレイの命をつけ狙う・・・。
コーエン兄弟が初監督作品を自身で再編集し、新たに公開した作品。人間の愚かさが滲み出ている傑作。ちょっとした間違いから雪だるま式に不幸が転がっていく様は『ファーゴ』に繋がるものを感じるが、やっぱ古典。
幻の湖
出演 南條玲子/隆大介/かたせ梨乃
美しい琵琶湖の湖畔を愛犬シロとランニングするのが生き甲斐の道子(南條玲子)は、雄琴のソープで「お市」という名で働いていた。そんな彼女には、愛犬と過ごす時間が何よりも大切な時間であった。 ところがある日、シロは何者かに殺されてしまう。彼女の執念でシロを殺した犯人が東京に住む作曲家の日夏であることを探り当て、道子は復讐を誓うのだが・・・。東宝創立50周年記念映画であり、黒澤明作品の脚本家として知られる橋本忍の監督・脚本作品なのだが、伝説の一週間打ち切りを果たしたというそんな幻のカルト映画。
やっとの思いで観る事が出来、感無量である。支離滅裂なストーリー展開、無茶苦茶な設定、おばかな台詞、どれを取っても最高である。簡単に言ってしまえば、愛犬を殺されたソープ嬢が復讐に燃え、サイコなストーカー女と化し、マラソンで犯人を追い詰め、思いを遂げるって物語。一匹の犬をめぐる物語が戦国時代まで遡り、宇宙まで飛び出してしまう・・・こんな映画が記念映画とあっては東宝の社名にかけても打ち切るわな。ビデオだって出しはしないわな。同僚のソープ嬢・ローザが空を見上げて「イーグルはまだ実践装備についてない」という名セリフ。犯人をマラソンで追い詰め追い越した瞬間に発する「勝った」というセリフ。噂通り、おばか映画ベスト1だった。
マルホランド・ドライブ
出演 ローラ・エレナ・ハリング/ナオミ・ワッツ
女優への夢に胸膨らみハリウッドへやってきた金髪の純真な女性ベティ(ナオミ・ワッツ)は、交通事故で記憶喪失になった黒髪の女性(ローラ・エレナ・ハリング)と出会い、彼女の記憶をたどる手助けをはじめる。名前を失くしてしまった女性は一体誰なのか・・・
と言った本筋のストーリーは存在するが、そんな筋書きすら意味を持たない。一体誰が実在するのか、一体誰の妄想なのか、全てにおいて理解不能。まさに底なし沼。一度踏み入れたら抜け出せない、そんな状態。しかし、それがいいんだなぁ〜。さすがリンチ。それと、純真さと猥雑さを見事に演じたナオミ・ワッツがとても良い。
ミート・ザ・ペアレンツ
出演 ロバート・デ・ニーロ/ベン・スティラー
恋人のパム(テリー・ポロ)との結婚を認めてもらう為に、パムの実家を訪ねたグレッグ・フッカー(ベン・スティラー)。出てきたのは一見優しそうな父親ジャック(ロバート・デニーロ)。しかし、ジャックは元CIAの頑固オヤジだった。グレッグは、未来の義理の父母に嫌われたくはないと、神経をすり減らし行動するが、何もかもがウラ目に出てしまい悲惨な結果に・・・。
ロバート・デ・ニーロの頑固オヤジっぷりが最高。ベン・スティラーの駄目男っぷりも最高。お約束のように起る悲惨な結果には大笑い。ただ、もう少し予想外の展開も欲しかった・・・。
みんなのいえ
出演 唐沢寿明/田中邦衛/田中直樹
シナリオライターの飯島直介(田中直樹)と民子(八木亜希子)は念願のマイホームを建てる事になった。2人が設計を頼んだのは、新進気鋭のインテリアデザイナーの柳沢(唐沢寿明)。そして施工の方は民子の父で大工の棟梁の長一郎(田中邦衛)に依頼することとなった。しかし、二人の対立やらなんやら様々な困難が待ち構えていた。
あまりにも普通のホームドラマなんで拍子抜け。もっと映画ならではのハチャメチャな感じが欲しかった。そんなのありえないよ〜みたいな困難があるからこそ面白いのに、当り前の騒動ばっかり。
メトロポリス
脚本 大友克洋
監督 りんたろう
人類とロボットが共存する巨大未来都市・メトロポリス。そこで生まれ落ちたロボット・ティマの物語。彼女は自分がロボットだとは知らずにいたが、やがて真実を知ってしまう・・・
アニメの技術的な進歩は認めるが、それだけに頼ってしまい、原作の持つ“おもしろさ”を台無しにした駄作。手塚治虫が見たらきっと残念がるだろうなぁ〜。
ヤング・ブラッド
出演 ジャスティン・チェンバース/ティム・ロス/カトリーヌ・ドヌーヴ/ミーナ・スバーリ
17世紀のフランス。若者ダルタニアン(ジャスティーン・チェンバース)は、銃士隊の一員になる為にパリへと向かう。しかし、彼が加わろうとした銃士隊は、謀反を企む黒い騎士・フェブル(ティム・ロス)とそれを黙認しているルイ13世の側近・リシュリュー枢機卿(スティーブン・レイ)の策略により任務を解かれて覇気を失っていた。そんな陰謀からルイ13世を守る銃士として活躍するダルタニアン、アラミス(ニック・モーラン)、 アトス(ジャン・グレゴール・クレンプ)、ポルトス(スティーヴ・スピアーズ)らの活躍を描く、アレクサンドル・デュマ作の『英雄物語』を新たな発想で映画化した冒険活劇。
アクション演出は香港のシャン・シンシンが担当しており、香港アクションの要素を取り入れた西洋の騎士達の剣術はなかなかおもしろい。が、そんなシーンがさほど多いわけではなく、全体的には至ってオーソドックスな正統派『三銃士』。役者が豪華なので楽しめたが、空中アクションを売りにするのは、誇大広告だな。
楽園をください
出演 トビー・マグワイア/スキート・ウーリッチ/ジョナサン・リース・マイヤーズ/ジェフリー・ライト
舞台は南北戦争時、本拠地から遠く離れたカンザスとミズーリの州境。そこでは隣人同士が南軍と北軍に別れ極限的な血の争いを繰り返していた。その時代に生きた若者達を描いた映画。
ドイツ系移民のジェイク・ロデル(トビー・マグワイア)を主人公においているが、群像劇的な描き方をしている為、主人公の心の動きが掴めなく不満が残る。そもそも生き方も中途半端な感じがする。黒人なのに黒人の奴隷制度を推進する南軍に参加するダニエル・ホルト(ジェフリー・ライト)の描き方のほうが全然良かった。雇い主に対する静かな愛情表現とかもグッド。負け組である南軍から南北戦争を描くという視点は面白かったんだけど、退屈な映画であった。
リトル・ダンサー
出演 ジェイミー・ベル/ジュリー・ウォルターズ
イギリスの北東部にあるとある炭坑の町。今、この町では、会社側と組合側の話し合いが難行し、日々ストライキが続いていた。そんな町に育った11歳のビリー(ジェイミー・ベル)は父(ゲアリー・ルイス)と兄そして祖母との4人暮らしである。ボクシングを習っていたビリーだが、ある日同じ体育館で練習していたクラッシックバレーに心を奪われる。そして、父に黙って練習を開始。彼の才能に気付いたバレエ教室のウィルキンソン先生(ジュリー・ウォルターズ)は、ロイヤルバレエ団への入学試験を薦めるのであった。
小さな体で大きな夢に向かって羽ばたくビリーの姿がメインではあるが、これは父と子の映画だと思う。息子の為にストライキを破ってまでお金を稼ごうとする父の姿に涙です。
冷静と情熱のあいだ
竹野内豊/ケリー・チャン
フィレンツェで絵画の修復士を目指す順正(竹野内豊)は、ある出来事で愛していながらも別れを選んでしまった最愛の恋人、あおい(ケリー・チャン)をどうしても忘れることができずにいた。順正の心に宿るひとつの希望、それは10年前にあおいと交わした「10年後のあおいの誕生日にフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)で会おう」と誓った他愛もない約束だった。
ラストシーンで辛うじて救われたって感じ。あとはなんか、恋愛感覚がズレてるって感じかなぁ。まぁ自分とだけど。Hなシーンとかも不必要。フィレンツェが素晴らしく美しいので、内容より映像と音楽に癒されたって映画。
レッド・プラネット
出演 ヴァル・キルマー/キャリー=アン・モス
環境汚染の悪化で地球は死滅の危機にあった。火星地球化計画が持ち上がり、2050年、人類の移住を進めるべく、科学者たちを乗せた探査機が火星に向けて飛び立った。火星到着間近、機は故障し、不時着を余儀なくされる。しかし、トラブルはそれだけではなかった・・・次々と危機に見舞われる乗組員達を描いたSF映画。
決してつまらなくはないのだが、“おもしろかった”とは言えない中途半端な映画であった。映像はいいんだが、地球の死滅の危機という緊迫感が感じられなかったり、火星に存在していたある物体については説明不足だったり、と不満が残る。