このぺーじは2003年に見た映画のランキングを勝手に判断したぺーじです。 |
ウォーターボーイズ
出演 妻夫木聡/玉木宏/竹中直人/眞鍋かをり/平山綾
廃部寸前の唯野男子高校水泳部。部員は、やる気もなくズルズルと続けてしまった3年の鈴木(妻夫木聡)ただ1人。そんな水泳部であったが、顧問に新人の女教師・佐久間先生(眞鍋かをり)が就任した途端、部員が膨れあがった。しかし、佐久間先生が本当に教えたかったのは、競泳ではなく、シンクロナイズドスイミングだった。その事を聞いた途端、ほとんどの生徒たちは恐れをなして逃げ去ってしまったが、鈴木を含む間の悪い5人はそのまま残ってしまった。佐久間先生は文化祭でシンクロを披露するとはりきるが、就任したばかりなのに妊娠で産休。この機会に、一時は辞めようとした5人だが、高校生活最後の夏休みを猛特訓に当て、“男のシンクロ”の晴れ舞台を迎えるのであった・・・。
面白いからビデオで観れ、と言われつつも劇場で観る事を信条にしている私としては、再上映されるのを辛抱強く待った。で、やっと観る事ができた。待ってて良かった〜。期待通りに素晴しい作品だった。ゲラゲラ笑ってたのに、最後のシンクロのシーンでは涙が出てしまった。 感動させるってシーンでもないのに。ほんと、いい作品です。
キル・ビルVol.1
出演 ユマ・サーマン/ルーシー・リュー/サニー千葉/栗山千明
世界を震撼させた毒ヘビ暗殺団の一員だったザ・ブライド(ユマ・サーマン)は、妊娠をきっかけに引退し、堅気の男と結婚しようとする。しかし、結婚式当日、ボスのビルの命令により、ささやかな夢は砕け散る。4年後、昏睡状態から目覚めたザ・ブライドの心を支配するのは「復讐」の2文字のみ。自分を不幸のどん底に落とした全ての人間を血祭りにあげる為に、世界を股にかけた復讐の旅が始まる・・・。
確信犯的B級映画の傑作。ちゃんとした映画を期待した人には最低の映画だったかもしれないが、B級映画大好きな自分は大満足。ワクワクしっぱなし。クライマックスの青葉屋の美術を日本人が担当してると知り、確信犯の思いは深まる。見る方にも“遊び心”が必要な映画かも。
クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード
原作 臼井儀人
声の出演 矢島晶子 他
貧相な朝食が、夕飯の最高級ヤキニクの為の倹約だと知って、大喜びの野原家の朝。ところが野原家に車が突っ込み、不審な男から助けを求められた事によって、野原家の平和が一瞬にして崩れ去る。何かを託されたみたいだが、何も託された覚えのない一家は、なんだかわからないままその場から逃げる事に。しかし、あっと言う間にテレビやラジオなど、全てのメディアで指名手配されてしまう。逃げるしんのすけ達、追う悪の組織“有限会社スウィート・ボーイズ”。逃げ切れないと悟った一家は、バラバラになりながらも、スウィート・ボーイズの本部のある熱海を目指すのであった・・・。
導入部はギャグの連発で大笑い。しかし、物語が進むにつれ、悪の組織の目的がよくわからなくなってしまったり、おバカ加減もヒートダウンしたり・・・。まぁ、野原家の行動を支えているのが「最高級ヤキニクが待っている」って事で一貫しているのは、大好きなんだけど。ギャグ満載の原点回帰的な作品だと思うが、敵の人物描写が中途半端で不満が残る。最近の作品が良かっただけに、ちょっと期待はずれかなぁ〜。
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
出演 金子昇/吉岡美穂/小泉博
1年前の戦いで故障した機龍(メカゴジラ)の修復に携わる整備士・中條義人(金子昇)が、叔父の中條信一(小泉博)の別荘で休暇を過ごしていた時、インファント島に住む小美人が現れる。43年前モスラを人類の味方として見守ってくれた信一に忠告をしにやってきたのだと言う。それは、メカゴジラを構成しているゴジラの骨を海に返さないとモスラは人間の敵になる、というものだった。そんな折、ゴジラが1年間の沈黙を破り、東京に上陸する。
前作の続きにしてしまったのはアイデア不足なのか・・・。それはともかく、原爆に対抗するには原爆を持つ必要があるとする考えに、原爆破棄を訴える・・・って言う原爆に対する強いメッセージがあるのに(って思ったのは考え過ぎ?)、中途半端のままで子供向きに作ってしまったのは失敗だったと思う。メッセージの投げかけに対する明確な答えを出してないのも駄目だなぁ〜。「ゴジラ」が子供向きの単なる怪獣映画じゃなかったって事を思い返して欲しい。
座頭市
出演 ビートたけし/浅野忠信/柄本明
ヤクザの銀蔵(岸部一徳)一家と商人・扇屋(石倉三郎)が手を組み、仕切っている宿場町。その宿場町に盲目の居合いの達人・座頭市(ビートたけし)が訪れる。病気の妻を連れた浪人・服部源之助(浅野忠信)も、薬代を稼ぐ為に用心棒の職を探しに宿場町を訪れていた。そして、銀蔵の用心棒として雇われる事となった。さらに、父の仇を探す旅芸者の姉妹(大家由祐子/橘大五郎)も宿場町を訪れていた。同じ日にこの宿場町にやってきた三組。やがて、銀蔵一家を中心に彼等の運命の糸は絡み合い、壮絶な戦いの幕が開くのであった・・・。
様々なアイデアが仕掛けられていて、勝新太郎のイメージに囚われない“座頭市”像を作り上げていた。ただ、記事で読んだ「市さえ来なければこんな事にはならなかったのに」という破壊者としてのイメージは弱く、どちらかと言うと、正統な時代劇となっていた。どうせなら宿場町一つを潰してしまう程の破壊をしてしまう、厄介者としての座頭市が見たかった。
シカゴ
出演 レニー・ゼルウィガー/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/リチャード・ギア
1920年代のシカゴ。ショービジネス界に憧れている主婦のロキシー(レニー・ゼルウィガー)は、浮気相手の嘘に激怒し、殺人を犯してしまう。投獄された刑務所には、同じく殺人で投獄された元スターのヴァルマ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)がいた。二人は金に目がない凄腕の悪徳弁護士ビリー(リチャード・ギア)の力を借り、無実を勝ち取るばかりでなく、殺人スキャンダルを逆手に取り、ショービジネス界のスターへの道を歩もうとする。
最高のエンタテインメント映画!ミュージカルシーンも妄想的に挿入され違和感なし。役者も最高!歌も踊りも吹き替え無しってのは凄い。個人的には、キャサリン・ゼタ=ジョーンズの声にメロメロ。リチャード・ギアの悪党ぶりもなかなか。悪人の物語なのに、まったく後味が悪くなく、たくましく生きる人間の生きざまには、爽快感さえ覚える。あっ、相手にされないロキシーの夫エイモス(ジョン・C・ライリー)の歌う♪私はセロファン♪もいい味出してました。おっといけない、レニー・ゼルウィガーも、もちろん最高でした。ほんとに素晴しい映画に仕上がっていた。最高!!
ジョンQ−最後の決断−
出演 デンゼル・ワシントン/ジェームズ・ウッズ/ロバート・デュヴァル
最愛の息子が重い心臓病に倒れ、移植手術しか生きる道が残ってないと医師から宣告されてしまったジョン・Q・アーチボルド(デンゼル・ワシントン)。手術には莫大な費用がかかるが、会社と保険会社の非道な仕打ちによって保険金が下りず、加えて、病院からは非情な退院勧告が通達された。徐々に弱っていく息子を見て憤りを感じたジョンは、心臓外科医レイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ)らを人質に取り病院に立て籠り、息子の手術を要求する最後の賭けにでた・・・。
ジョンが自らの命と引き換えに、息子を救おうとするシーンには感動したが、あとはそれほど感動せず。妻の設定が嫌いで(演じているキンバリー・エリスがさらに駄目)、救いたいって気持ちになれなかったのが要因かも。それに、金が大事なんだなぁと現実的な面で観てしまったのも感動できなかった敗因。レイ・リオッタも共演していたりして、脇を固める役者がよかったのが救い。
スパイキッズ3-D:ゲームオーバー
出演 ダリル・サバラ/アレクサ・ヴェガ/シルベスター・スタローン
世界征服の野望を燃やすトイメイカー(シルベスター・スタローン)は、全世界の子供たちを洗脳するために「ゲームオーバー」というヴァーチャル・ゲームを開発した。そこ事を突き止めた秘密諜報機関OSSは、野望を阻止するためにカルメン(アレクサ・ヴェガ)をゲームの世界へ送り込んだ。しかし、カルメンは囚われてゲームから出られなくなっていた。OSSは、救出の為に、今は辞職し私立探偵となっている弟のジュニ(ダリル・サバラ)を呼び戻した。ジュニは、姉の救出の為にゲーム世界へと入って行く。
内容的には薄〜い映画だが、観客も3−Dメガネをかけゲーム世界を体感できる変わった作品。映画としては評価は低いが、3−D映画としてのポイントは高い。何も考えずに、遊園地のアトラクションを楽しむみたいな感覚。でも目がむちゃくちゃ疲れた〜。
戦場のピアニスト
出演 エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/エミリア・フォックス
1939年9月、ナチス・ドイツがポーランドに侵攻した日、ピアニストのウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)は、ワルシャワのラジオ局で演奏をしていた。やがて、ワルシャワはドイツ軍に占拠され、ユダヤ人は、ゲットーと呼ばれる移住区に強制収容される。'40年10月、シュピルマン一家も住みなれた我が家を後にし、飢えや無差別の虐殺行為に脅える収容所生活に身を置く事になった。'42年、何十万ものユダヤ人が死の収容所行きの列車に乗せられるが、シュピルマンだけは、ユダヤ人警官の友人の機転で収容所行きを免れた。そして、ドイツ軍支配下のワルシャワ市内の隠れ家に身を潜め、悲惨な状況下を一人で生き抜くことを余儀なくされた・・・。
ナチス・ドイツがユダヤ人を迫害した歴史の暗部を、単なる認識(学校の授業で「こんな歴史があった」程度の認識)としてしか理解していなかった自分には、その真実は、衝撃が強過ぎた。身動きが出来なかった。感動させる為にあえて何かを付加させる事はせず、事実を淡々と描く事により、真実、そしてロマン・ポランスキー監督自身の経験がより重くのしかかる映画に仕上がっていた。観た直後より後々心に響く作品。
ターミネーター3
出演 アーノルド・シュワルツェネッガー/クリスタナ・ローケン/ニック・スタール/クレア・デーンズ
一瞬のうちに30億もの生命が失われ、マシーンと人類の間に戦争が始まった「審判の日」を未然に防ぎ、人類の未来を塗り替えた、サラとジョン・コナー。あれから10年。スカイネット計画を潰し、自身の使命を果たし終えたジョン(ニック・スタール)であったが、人類の抵抗軍のリーダーとなる運命を拭い去れず、不安を抱えたまま放浪生活を送っていた。その不安は、ある日現実となる。スカイネットは、ジョンとその仲間を抹殺するために、最新型マシーン、T-X(クリスターナ・ローケン)を送り込んできた。ジョンの幼なじみケイト・ブリュースター(クレア・デーンズ)も、その標的だった。T-Xに殺されかけたその時、襲撃から2人を救ったのは、かつてジョンを守ったターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)であった・・・。
結局「審判の日」は先延ばしになっただけで、変えられなかった・・・ってのは、1作目のテーマ(「未来は自分で切り開いていくもの」だったと思ったけど、記憶は曖昧)から180度方向転換。テーマが一貫されていないのは残念だったが、2体のターミネーターが戦うだけの映画と言ってもいいくらい単純明快なので、考えずに楽しむにはもってこいの娯楽映画。最初から最後まで退屈せず。
デアデビル
出演 ベン・アフレック/ジェニファー・ガーナー/マイケル・クラーク・ダンカン/コリン・ファレル
マット・マードック(ベン・アフレック)は、少年時代の事故で産業廃棄物を浴びてしまい、視力を失うが、その副作用で他の感覚が超人レベルにまで発達してしまう。成長したマードックは、昼は盲目の弁護士として活躍し、夜はデアデビルとして、法の目から逃れた悪人に立ち向かう。
法廷で勝てなかったからと、暴力に訴える。「暴力は憎しみしか生まない」って神父に説教されても聞かない・・・これがアメリカの正義なのか?イラク戦争において国連の決議さえ行わず、強行に武力行使に踏み切った、今のアメリカの姿そのものじゃないか。そう思ったらムカムカした。期待したコリン・ファレルの悪役も最悪。単なるチンピラだし。アガシだし。いや、アガシに似ているのが嫌なわけじゃないけど。ヒットしたら続編も作れるぞーって終り方も打算的で嫌。
鉄男II BODY HAMMER
出演 田口トモロヲ/塚本晋也
8歳までの記憶を失った明生(田口トモロヲ)は、それでも妻のカナ(叶岡伸)と3歳の息子とで平穏に暮らしていた。が、ある日、スキンヘッドの男に襲撃され、肉体に何かを注入されたおかげで、腕が銃器と化してしまう。怒りで放った銃弾は、息子を死へと追いやってしまい、平穏な日々は崩壊する。しかし、明生の変身は、何かを注入された所為ではなかった・・・。
体が銃器化していく男の悲劇と狂気を描いた作品。ビデオで何回か観た作品だが、やっと劇場で観れた。音楽と映像は素晴しいが、特撮は今観るとしょぼい。仕方がない事だけど。不条理な狂気って点でも『鉄男』よりインパクトが弱い。でも、劇場で観れて満足〜。田口トモロヲの演技も最高〜。
ドラゴンヘッド
監督 飯田譲治
出演 妻夫木聡/SAYAKA/山田孝之
修学旅行帰りの高校生青木テル(妻夫木聡)を乗せた新幹線は、原因不明の事故に遭遇し、静岡のトンネル内に閉じ込められてしまう。崩壊した車体から、テル、瀬戸アコ(SAYAKA)、高橋ノブオ(山田孝之)の3人だけが、奇跡的に生き残った。だが、ノブオは閉ざされた恐怖に飲み込まれ、狂気に走っていく。テルとアコはトンネルを脱出し、地上に出たが、目前に広がるのは、白い灰が降りしきる荒廃した世界であった。一体何があったのか?絶望感に包まれながらも東京を目指す二人であった・・・。
映像は凄い。ただし、ストーリーを追うだけの展開、盛り上がりのなさにがっかりであった。加えて、漫画の面白さ、恐怖を全然表現できてなかったのも駄目。駄作。
ドリームキャッチャー
監督 ローレンス・カスダン
出演 トーマス・ジェーン/ジェイソン・リー/ダミアン・ルイス/ ティモシー・オリファント/ドニー・ウォルバーグ/モーガン・フリーマン
メイン州デリーに住む4人の少年が、ある男の子を助けた事によって不思議な能力を授かる。大人になった彼らは、年に一度山小屋に集まり、旧交を温め合っていた。20年経った今年もその季節が到来した。しかし、楽しかった日々は、ある出来事により終わりを告げる・・・。
ホラー映画かと思って観にいったら、異星人の侵略を描いたSF映画だった。驚いた。もっと的確にTVコマーシャルを流して欲しいもんだ。JAROに訴えるぞ。ってそれほど怒ってないけど。『サイン』と同じ様なテーマではあるが、こっちの方が断然面白い。ただ、4人に力を与えたダディッツの正体がイマイチ理解できなかった。詳しく書くとネタバレになってしまうので、これ以上は書けないけど。
28日後…
出演 キリアン・マーフィ/ナオミ・ハリス
怒りの衝動を抑える特効薬の開発の為に、動物実験を行なっていた研究所。その研究所に、過激な動物愛護団体が侵入し、檻に囚われていたチンパンジーを開放してしまう。実は、このチンパンジーは新種のウィルスに感染していた。そのウイルスに感染した者は、凶暴化し、見る者全てを殺したくなる衝動に駆られるのであった。その28日後、交通事故で意識を失っていたジム(キリアン・マーフィ)は病院のベッドで目覚める。しかし、街からは人の気配が消えていた。やがて、ウイルスの感染から逃れたセリーナ(ナオミ・ハリス)と出会い、初めて事態を知る。そして次にフランクと娘のハナにも出会い、4人は軍隊が市民を保護しているらしいマンチェスターへ向けて出発するのだったが、そこには、ウイルス以上に恐ろしい事態が待ち受けていた・・・。
ウイルス感染者の血液が一滴でも体内に入った途端、容赦なく、即時に感染してしまう。正気を保てるのはたったの10秒。感情とかをまるっきり無視せざるを得ない状況に新しい恐怖を感じた。ゾンビ化した感染者に対する恐怖、そして、未来が見えない現実に狂って行く恐怖・・・。なかなか見ごたえあり。
パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち
出演 ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/ジェフリー・ラッシュ/キーラ・ナイトレイ
カリブ海の港町。総督の娘エリザベスは、子供の頃に海賊船から救いだされた少年から盗んだ黄金のメダルを、今でも大切に身につけていた。ある日、町はキャプテン・バルボッサが率いる海賊たちに襲われる。海賊達の目当てはエリザベスが持つ“アステカの金貨”であった。自分達の呪いを解く鍵であるアステカの金貨を見つけたバルボッサ達は、エリザベスをも誘拐し、ブラックパール号で逃走してしまう。エリザベスに思いを寄せる鍛冶屋の青年ウィルは、自分の血の秘密を知らぬまま、彼女を救うために、一匹狼の海賊ジャック・スパロウと共にキャプテン・バルボッサを追いかける。ジャックも又、一味とは深い関わりがあった・・・。
ジャック・スパロウを演じるジョニー・デップが最高。それだけで大満足って言っても過言でない。そのくらいジョニー・デップの魅力が満載の映画であった。本当の主役はウィルなんだろうけど、完璧に主役を食ってる・・・。物語のベースは、ディズニーランドのアトラクション“カリブの海賊”らしい。そんなシーンは失笑もんだけど、まぁご愛嬌って事で許せちゃうくらい面白い作品であった。
バネ式
出演 原武昭彦/乙葉
男(原武昭彦)は、電波による激しい頭痛に苦しんでいた。頭痛を治療するには、電波の医者に診てもらう必要があると、病院で助言をもらった男は、電波の医者を捜しに放送局に向かった。そこで受付嬢(乙葉)に案内されるが、いつしか迷宮に迷い込んで行く・・・。
原案は、つげ義春の『ねじ式』。医者を捜しつつ迷宮に迷い込んで行く男の様子を、現代に映し出した異色作。変わった雰囲気の映画だけど、残念ながら面白さには結びつかず。ただ、元ジョークアベニューの原武昭彦のネタは可笑しい。乙葉のかわいらしさにも驚ろき。
ハルク
出演 エリック・バナ/ジェニファー・コネリー/ニック・ノルティ
科学者のブルース・バナー(エリック・バナ)は、実験中の事故をひきがねに、自己の中に眠っていた猛り狂うモンスター“ハルク”を目覚めさせてしまう。怒りの感情を抱くと、本人の意思に関係なくハルクに変身してしまうバナー。“ハルク”の力を愛する父デヴィット・バナー(ニック・ノルティ)、ハルクの暴走を唯一止められる、元恋人にして同僚のベティー・ロス(ジェニファー・コネリー)らが絡みながら、ハルクの暴走は続く・・・。
VFXは凄い・・・んだけど、やり過ぎで笑ってしまった。身軽過ぎ。バナーの苦悩もハルクの描き方もTVシリーズの『超人ハルク』の方が良かったなぁ〜。
BULLET BALLET/バレット・バレエ
出演 塚本晋也/真野きりな/中村達也/村瀬貴洋
10年間つきあった恋人の桐子(鈴木京香)が原因不明の拳銃自殺をしてから、合田(塚本晋也)は、取り憑かれたかのように同じ型の拳銃を探し求めて、街を彷徨い歩く。そこで以前おやじ狩りに合い、怪我を負わされた不良グループの一人の少女・千里(真野きりな)と再会する。又しても暴行を受ける合田であったが、それをきっかけに、不良グループの抗争に身を投じていく。恋人を失い、壊れ始めた生活の中、憎しみ、復讐という動機で不良グループを追い詰めるが、ひたすら“死”に傾倒していく千里に、合田は同じ匂いを感じていた。やがて千里も合田に共感を覚え始めていく・・・。
ザラザラした感覚がたまらない。本当に凄い作品である。今回で2回目の鑑賞だが、圧倒的な暴力、疾走感に酔いしれると共に、心の痛みと暖かさを感じる。やはり今回も感じたのは、暴力、狂気が渦巻く現代における純愛物語であること。互いに付けた歯型で、相手を感じる時のピュアな心の動揺とか、胸が痛くなるほど。モノクロの画面なのに、血飛沫の赤や、空に向かって手を広げた時の青が脳裏に浮かぶ。塚本晋也監督作品の中でベストワンの作品。
ピンポン
脚本 宮藤官九郎
監督 曽利文彦
出演 窪塚洋介/ARATA/サム・リー/中村獅堂/竹中直人
「この星の1等賞になりたいの、卓球でオレは! そんだけ!」と言う、卓球が大好きなペコこと星野裕(窪塚洋介)。「卓球なんて、死ぬまでの暇つぶしだよ」とあくまでクールなスマイルこと月本誠(ARATA)。片瀬高等学校に通う幼馴染みの二人。そんな対照的な二人を中心に、ライバル達が、卓球を通して経験するそれぞれの栄光、挫折、友情を描いた青春映画。
笑ってたらいつの間にか感動してて、胸が熱くなった。そして、観終って気持ちが軽くなった。気持ち良かった〜。私は、こーゆー映画が大好きである。主演の二人の良さは語るまでもないが、脇を固める役者の個性が、作品をより素晴しいものにしていたと思う。おもしろかった〜!!マジで。ただ、原作もそうだからって、ラストで“その後”を描いていたのは蛇足であった。勿体ない。
ファイナル・フライト・オブ・ザ・オシリス
脚本 ウォシャウスキー兄弟
仮想空間で武術訓練をしているのは、黒人のサディアスと東洋人のジュエ。まるでレクリエーションのような模擬戦闘は、突然の警報で中断される。人工知能に支配され、人類の自由が奪われた地球。ゲリラを率いて人類解放のために戦っている“オシリス号”が、敵兵センティネルに発見されてしまった。センティネルの追撃をかわし地上に出たオシリス号が見たものは、巨大な掘削機が、地球に残った唯一の人間の都市“ザイオン”の場所を掘り当てようとしている光景だった。この事をザイオンに知らせる為に、ジュエがマトリックスに送り込まれる。警告のメッセージは無事に届けられるのか・・・。
『マトリックス』から『マトリックス/リローデッド』への序章の役割を担って誕生した11分のフル3DCGアニメーション。『マトリックス』の世界観を描く9話のオムニバス・アニメ『アニマトリックス』の一編。アニメーションの制作は『ファイナルファンタジー』を作ったスクエアだが、さらに進歩したのか、凄いの一言。あまりにも実写に近いので、気持ち悪いくらい。内容も『マトリックス』の世界観が生かされていて、むちゃくちゃ面白かった。戦っているのはモーフィアスやネオがいる“ネブガドネザル号”だけではなかったって事を知る上でも、『マトリックス/リローデッド』前には必見でしょ〜。
マトリックス リローデッド
出演 キアヌ・リーブス/ローレンス・フィッシュバーン/キャリー=アン・モス
人類最後の都市“ザイオン”の場所が、人工知能に知られてしまった。人類滅亡をプログラムされたセンティネルの大量襲撃まで、残された時間は72時間。その攻撃に対しどう反撃すべきか、ザイオンで議論されるが、モーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)の信念に揺るぎはなかった。予言者オラクルの予言どおり、救世主がマシンとの戦いに終止符を付けてくれると。その救世主ネオ(キアヌ・リーブス)に人類の未来を託くし、再びマトリックスへと乗り込む。しかし、彼等の行く手を新たな敵ザ・ツインズ(ニール&エイドリアン・レイメント)や自分を限りなく複製できる力を得たエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーブング)らが立ち塞ぐ。ネオは人類を救う事ができるのか・・・。
映像は素晴しい。増殖したエージェント・スミスとの戦いなんてのは、凄すぎて笑みがこぼれてしまった(自分だけ?)ほど。ただ、後半難しくて理解できず、って言うか、禅問答のような観念的な言葉のやりとりが眠気を誘ってしまい記憶が曖昧・・・。もう一度しっかりと目覚めた頭で観ないと駄目だわ〜ってのが一番の感想。それと、次回作に続くからと言って“結”がない終り方も納得できず。
猟奇的な彼女
監督 クァク・ジェヨン
出演 チョン・ジヒョン/チャ・テヒョン
大学生のキョヌ(チャ・テヒョン)は、ある晩、地下鉄の中でベロベロに酔っ払った“彼女(チョン・ジヒョン)”と出会う。泥酔した彼女は、キョヌに向かって「ダーリン」と言い残し倒れてしまう。そのおかげでキョヌは、彼女を助けるハメに。そんな偶然に出逢ったキョヌと彼女。可愛い顔して過激な行動を繰り返す彼女のペースに飲み込まれながらも、ひかれていくキョヌ。しかし、タフでワイルドに見える彼女には、ある隠された切ない秘密があった・・・。
原作はインターネット上に掲載された、地下鉄で出会ったタフな女性とのエピソードを書いた実話らしい。でも、実話って部分は、さして関係がない。物語だって特に凄いわけでもない。あの程度のわがままなら・・・って私情を挟んだりして。この映画の素晴らしさは“彼女”を演じたチョン・ジヒョンの魅力に他ならないと思う。それほど魅力的だった。あっ、でも“偶然”を信じたいって思う、暖かい気持ちになれたのは映画のおかげ。
レッド・ドラゴン
監督 ブレット・ラトナー
出演 エドワード・ノートン/アンソニー・ホプキンス/レイフ・ファインズ/エミリー・ワトソン
殺した相手の人肉を食すという悪趣味を持つハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)の素性を見破り、逮捕に成功したウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、負傷を負いFBIを引退し、平穏な日々を送っていた。しかし、元上司のジャック・クロフォード(ハーヴェイ・カイテル)からの要請で、ふた家族を皆殺しにした殺人事件の犯人“咬みつき魔”の割り出しに協力することとなった。そして、グレアムは、助言を求める為に3年ぶりに獄中のレクターと再会する。しかし、レクターは協力すると見せかけて密かに“咬みつき魔”と連絡を取り、グレアムへの復讐を企てるのであった・・・。
原作の雰囲気もそうだが、『羊たちの沈黙』を意識した素晴らしい出来だった。レクターの存在感は原作以上。スクリーンに登場しなくても、映画全編を通してレクターの眼光が終始意識下にあるような2時間であった。『羊たちの沈黙』の脚本家テッド・タリー、美術のクリスティ・ゼアを参加させたのは大正解。一級品のサイコサスペンスとなっていた。
ロード・トゥ・パーデション
出演 トム・ハンクス/ポール・ニューマン/ジュード・ロウ/スタンリー・トゥッチ
1931年、大恐慌時代のアメリカ。子供に内緒でマフィアの殺し屋をしていたサリヴァン(トム・ハンクス)。ある日、組織のボス、ルーニー(ポール・ニューマン)の息子コナーとの仕事現場を長男のマイケルに目撃されてしまう。コナーは自分の悪事の漏洩を恐れてコナー一家の皆殺しを画策する。サリバンの妻と次男は殺されてしまったが、難を逃れたサリバンと息子マイケルは逃亡し、復讐を決意する。
親子の絆を描いたいい映画なんだと思う。でも、グッと心に染みるところがなく、感動もなかった。前評判の良さを聞いて、期待してしまったのが裏目に出てしまったのかも。
六月の蛇
出演 黒沢あすか/神足裕司/塚本晋也
梅雨の東京。セックスレス夫婦の妻・辰巳りん子(黒沢あすか)の元に、彼女自身の自慰行為を盗み撮りした写真と携帯電話が届く。「写真のネガを返して欲しければ、言うことをきいてください」電話の主は、電話カウンセラーとして働く彼女の言葉で自殺を思い止まった男・飴口道郎(塚本晋也)であった。彼は癌に犯されていて余命幾許もなく、孤独の中で死を待つのみであったが、りん子に出会い生きる望みを見つける。梅雨空の下、りん子の恥辱と恐怖の日々が始まる。しかし、それはりん子の内に秘めた願望でもあった・・・。一方、一流企業に勤務する潔癖症の夫・辰巳重彦(神足裕司)は、妻の心に潜む“蛇”の目覚めで、忘れていた“疑惑・嫉妬・憤怒”の感情が再び沸き上がってくる・・・。
表面上、暴力的なシーンは少ないのだが、終始緊張感に包まれ、身動きがとれなかった。終映後は、雨の音と美しく青い映像、そして暴力的なフラッシュの音がいつまでも心から離れない・・・。都市に生きる人々の悲痛な叫びを感じならがも、ラストのシーン(個人的には好きじゃないんだけど)で“幸福”に転じる。歪んでいるが、これも現代の愛の形なのかもしれない。やっぱ凄い監督だわ。
ワー!マイキー
声の出演 馬嶋千佳子/表ウララ/多々納斉ほか
マイキー、ジェームズ、バーバラのフーコン・ファミリーと近所の人々が織り成す、へんてこな日々を描いたマネキン・ショートドラマ『オー!マイキー』の数話(未公開を含む)を集めた特別版。
全て見たことのない作品だったので、むちゃくちゃ楽しめた。川北家とかナンデ君とか新しいキャラも登場してたし。ただ、初期の『フーコン・ファミリー』と比べるとブラックな笑いが大幅ダウン。残念でならない。
ワンピースTHE MOVIE・デッド・エンドの冒険
監督 宇田鋼之介
声の出演 田中真弓/岡村明美/酒井美紀ほか
港町ハンナバルを訪れたルフィ海賊団は、金と冒険の匂いを嗅ぎ付け、海賊達が競うルール無用のレース『デッドエンド』の開催を知る。軍資金が底を付いてきたルフィ海賊団は、早速エントリーすることに。レースの優勝候補は悪魔の実の能力者、ガスパーデ将軍。賞金稼ぎのシュライヤも加わり運命のスタートが切って落とされた。果たして優勝賞金1億ベリーは誰の手に。
映画化4度目にして初の長編1本立て。って映画化するんだからこれが当たり前だよねぇ〜。テレビの延長のような30分足らずの作品をお金を出して観るんじゃ不満が残るってもんです。で、今回はどうだったかと言うと「面白い」。ワンピースを良く知らなくても楽しめる作品になっていた。まぁ知ってた方が楽しめるのは言うまでもないんだけど。