このぺーじは2009年に見た映画のランキングを勝手に判断したぺーじです。 |
サマーウォーズ
キャラクターデザイン 貞本義行
声の出演 神木隆之介/桜庭ななみ/富司純子/谷村美月
世界中の人々が集うインターネット上の仮想世界、OZ(オズ)。そのメンテナンスのアルバイトをしている高校生の健二(神木隆之介)は、憧れの夏希先輩(桜庭ななみ)から一緒に田舎に行くというアルバイトを頼まれる。気楽に応じた健二だったが、実は夏希のフィアンセのふりをするというアルバイトだった。その芝居は平穏のうちに終わるかに見えたが、その夜健二はケータイに届いた謎の数式を、数学の問題と思い解いて送信してしまう。しかしそれは、OZを崩壊させ、地上を混乱させる大事件の幕開けだった…。
細田監督の以前の作品『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』に類似してなくもないけど(仮想空間の描き方とか)、かなり面白かった。『デジモン』も面白かったけど、それを超えた面白さを堪能できた。気持ちよく感動できたし。作品としては◎。
重力ピエロ
原作 伊坂幸太郎
出演 加瀬亮/岡田将生/小日向文世/鈴木京香/渡部篤郎/吉高由里子
仙台市内では連続放火事件が発生していた。春(岡田将生)は落書きを消す仕事をしていたが、落書きが残された場所の近くで放火が起きていることに気づく。兄の泉水(加瀬亮)は、落書きの文字にある法則がある事に気づく…。そしてそれが過去の事件に関係していることが判明する…。
決してつまらなくはなかったんだけど、原作を越えなかった…。ラストの数シーンは良かったんだけど…。前半はもっと疾走感が欲しかったなぁと思う。犯人捜しの謎解きの部分も弱かったし。原作にこだわり過ぎて、それ以上の物が出来なかったって感じ。残念。
チェイサー
出演 キム・ユンソク/ハ・ジョンウ/ソ・ヨンヒ
デリヘルを経営する元刑事・ジュンホ(キム・ユンソク)のもとから、女たちが相次いで失踪した。時を同じくして街では連続猟奇殺人事件が勃発。ジュンホは、客の電話番号からヨンミン(ハ・ジョンウ)にたどり着く。捕らえられ自供するヨンミンだが、証拠不十分で再び彼は街に放たれてしまう。警察すらも愚弄される中、ジュンホは囚われたミジン(ソ・ヨンヒ)を救出するため、夜の街を走り続ける…。
10ヵ月の間に21人を殺害した、ユ・ヨンチョルの事件をベースにして制作された作品らしいけど、人物設定、物語のスピード感、映像、音楽、全てにおいて満足。ハ・ジョンウの気持ち悪さは最高だし、キム・ユンソクのダメな大人の頑張りっぷりも好き。ナ・ホンジン監督は34歳らしいので、今後も期待できそう。
ディア・ドクター
出演 笑福亭鶴瓶/瑛太/余貴美子
とある村で頼りにされていた医師(笑福亭鶴瓶)が突然失踪をしてしまう。刑事が捜査にやってくるが、村人達は医師の素性を何一つ知らなかった。そして調べていくうちに、頼りにされていた医師が偽医者だと判明する…。
金銭目的なのか善意なのか、医者になれなかった事への反動なのか憧れから嘘をついたのか…その真意は明確には描かれていない。途中で心境の変化が生じたのか、元々良かれと思い嘘をついてしまったのかも同様で、そこに至る経過は刑事が調べる断片的な事でしか提示されない。それでも、苦しみ続けていた心情が痛い程伝わってきた。前作の『ゆれる』もそうだけど、感情の揺れ動きは観る人に委ねられる作品だと思う。うん、いい作品だった。
ホノカアボーイ
出演 岡田将生/倍賞千恵子/喜味こいし/松坂慶子
失恋の傷を癒す為(だけじゃないと思うけど、理由についてはそんなに深く語ってない)大学を1年休学してハワイ島の北にある日系移民の町ホノカアの映画館で働くことになったレオ(岡田将生)。映画館で売っているマラサダを作っているビー(倍賞千恵子)の所へ小麦粉を運んだ時、猫の餌の煮魚をつまみ食いした縁で親しくなっていく…。
映像に挟まれる物語とは直接関係のない、ホノカアの風景とか物のショットがとても良い。主人公の自己再生を追いつつ、「肉体の死(精神の死ではなくて)」を描いているように感じた。死んで「風になった」と表現しているように、それは自然の摂理で避けられないし、決して不幸ではないと思う。いろいろ抱えているけど、気持ち良く生きなさい、って言われているように感じた。あと何歳になっても人を好きになるのは必要だな、と。まぁ、それは言われなくとも、だけど。出演者では、喜味こいしさんがむちゃくちゃいい味を出してたー。
ホルテンさんのはじめての冒険
出演 ボード・オーヴェ/ビョルン・フローバルグ/ギタ・ナービュ
勤続40年、生真面目な列車運転士ホルテンは、退職の朝、はじめて列車に乗り遅れてしまう。走り出す列車を呆然と見送った後、その場を逃げ出すように去ったホルテンは、次々と珍事に巻き込まれていく…。
三谷幸喜ばりの笑いを期待したら、全然違っていた。いろいろ珍事に巻き込まれるのに、動じることのないホルテンさん。ドタバタにならず、ゆったりと事件が起こる。その空気が好きな人にはいいけど、退屈さと紙一重かも。「人生は手遅ればかりだが、逆に考えれば何でも間に合う」ってメッセージが込められた、実はちょっといい映画。