12/15(日)観劇。
まず劇場入り口でその日のメニューを受け取る。そこには本日のア・ラ・カルト料理の数々が書き込まれている。コース料理では味わえない一品料理の数々が、所狭しと書かれているのを楽しみながら、開演のベルを待つ。「音楽家と役者のいるレストラン」とサブタイトルが付いているように、そこには私を満足させてくれる役者と音楽家がいた。心地の良い音楽とレストランに来る人、働いている人のいろいろな風景を楽しむ芝居。今公演で8年目を迎え、白井・高泉の本領がおしげもなく発揮されている。白井の「ペギー富岡」は必見。子供から老人、女と男を演じわける高泉のすごさ、など見所を濃縮。なかには口に合わない料理も出てくるが、観劇後はお腹ではなく心が満腹になる一品に仕上がっている。仕事で疲れきった心にはとても優しい芝居であった。また来年会いましょうと言う言葉に、また足を運ぶであろうと思いながらレストラン(劇場)をあとにする。
大人計画・日本総合悲劇協会 『ドライブイン カリフォルニア』
12/25(水)観劇。
絶好調の年の松尾スズキだったので、期待したのだが、ちょっと悲劇度のぬるい作品になってしまっていた。前作の「マシーン日記」の方が数倍も悲劇度は高かった。大人計画の本公演のような群衆劇にもならず、中途半端な状況での話しの展開だったせいか、登場人物の異常さが淡々としたものになってしまい、いつもの個性のぶつかりというか「みんな異常さ」的なところがなく、又テーマのはっきりしない所も歯がゆさを感じた。とんでもなく悲劇すぎて喜劇になってしまう、いつもの大人計画を期待した私には、とても物足りない公演になってしまった。収穫は中村栄美子・秋山菜津子。「マシーン日記」の加藤直美もそうだが、松尾スズキが演出する女性はとても魅力的だ。中村演じるエミコと田村たがめ演じるユキヲのえっちなキスシーンには、最前列で見ていたせいもあり、「五秒で、僕のおちんちんは大きくなった。」というユキヲの台詞に合い感じるものがあった。困った。