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初心者向け?

ガレキ製作記

海洋堂 1/8古式ゆかり-パーティドレス-の製作ついでに、製作工程を記録していきたいと思います。なにぶん、単なる趣味でやっていることなので、これが一般的な方法とは思わないでください(笑)。
興味がある方は、参考程度に見てみてください。


7月21日 開封~洗浄

 さて、まずは、箱を開けて部品が全部そろっているかどうか確かめます。最近のメーカーはちゃんと、品質管理をしていると思うので、部品の不足等はあまりないはずですが、やはり、事前にチェックしましょう。某遊び人のように、スカートに穴が空いているという例もあるので(笑)ちなみに、部品のチェックは、購入後すぐにやることをおすすめします。ガレージキットはある意味、生ものですので、時間がたってしまうと、メーカーにも部品がないという自体になってしまいます。

 部品のチェックが終わると次は洗浄です。ガレージキットの場合、シリコン型から、キャストがうまくはずれるための離型材が表面に付着しており、これが付いたままだと、接着や、塗装がうまくできません。サーフェイサーや、塗料が、すぐにはがれてしまいます。離型材をはがすには、専用の溶剤なども売ってありますが、私の場合は、台所用クリームクレンザーを使ってます。使い古しの歯ブラシにつけて、ガシガシとパーツを洗います。

最後に水洗いして、クレンザーを完全に洗い流したら、水気をきり、しばらく乾燥させます。


7月23日 下地処理(その1)

 完全に乾燥したところで、下地の処理にはいります。まずはバリ(パーツからはみでている余分な部分)を取ります。いきなりカッターややすりでやるよりも、おおきなバリはある程度まで、ニッパーで切り取ります。ここで使うニッパーは、普通の工具のニッパーではなく、模型用もしくはプラ用のニッパーを指します。

普通のニッパーの刃の断面
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模型用ニッパーの刃の断面
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 という風に、片面がフラットになっているものが使いやすいです。ちなみに、安物はすぐに駄目になるので、あるていど良い物を購入することをお勧めします。間違ってもプラ用ニッパーで、針金とかを切ってはいけません。刃先がすぐにボロボロになります。

 数mm程度をのこして、ニッパーでバリを取ったら、あとはカッターや、やすりで、注意深く残りを切り取ります。

 バリを取ったら、パーティングラインの削除に入ります。パーティングラインとは、接着面や、型の合わせ目の段差の線のことを言います。ここは、人によっていろいろとやり方があるようですが、私の場合は、カッターの刃を立てた状態で、削って、段差をなくしてます。もちろん完全には段差はとれませんし、曲面の場合は、平らにならないように注意します。この段階では、ある程度の処理(大きな段差をなくす程度)までに留めておきます。


7月30日 下地処理(その2)

 次に全体にサーフェイサーを吹き付けます。グンゼや田宮などからプラ用のサーフェイサーが出ていますが、今回使ったのは、VORKS(造形村)が出しているガレージキット専用タイプです。これは、プラに吹き付けると下地を浸食しすぎますので、間違ってもプラに使ってはいけません。サーフェイサーを買う前にはこの辺りをきちんとチェックしておきましょう。ちなみにソフビ用のサーフェイサーも市販されています。

 サーフェイサーを吹き付ける目的は、 1.細かい気泡や、傷を見つけやすくする。 2.塗料ののりが良くなる。また、下地の色を隠蔽する。 といったものです。ですから、最初はグレータイプのサーフェイサーを使います。最後の仕上げの段階では、塗装する色によっては、ホワイトタイプのサーフェイサーや、肌色タイプのものを使うと良いです。

 サーフェイサーを吹き付けるときは、パーツを直接手に持つのではなく、いらないランナーや割り箸や、真鍮線などの手持ちを付けて、行うのが手が汚れなくて良いです。取り付け方は、キットの分割面にピンバイスなどで、穴をあけてから、差し込むのがおすすめですね。穴があけられない場合は、テープで止めます。この時は、2回にわけて吹きふけする事になります。

 手持ちを付けておくと、乾燥させるときも便利です。私の場合、洗濯ばさみ付きの物干し(いわゆる靴下なんかを干すやつ)に、ぶら下げて乾燥させています。


-月-日 下地処理(その3)

 サーフェイサーが乾燥すると、今まで見えていなかった傷や、気泡が見えてきます。こういったところに、パテを盛りつけて、乾燥した後に、再度ペーパーをかけて、表面をならして傷を消します。小さな傷や、気泡にはプラサフ(田宮や、グンゼなどから出ているチューブに入ったもの。約200円くらい)を使ってます。大きな傷などには、場合によっては、ポリパテ(パテと硬化剤が別になっていて、混ぜ合わせると硬化するもの)を使います。
今回は、プラパテのみを使用しました。プラモにプラパテを使用すると”ひけ”が出るので、注意した方がいいです。”ひけ”とは、プラパテのシンナー分によって、盛りつけたときよりも乾燥した後に表面がへこんでしまうことです。パテとプラの境界線のプラ部分もへこんでしまうので、それを見込んで多めに盛りつけたり、境界線を考える必要があります。

 表面から傷が無くなったら、再度サーフェイサーを吹き付けます。ここで、さらに傷を発見したり、消し切れていなかった場合は、再度パテ盛り~ペーパーがけの繰り返しを行い。完全に傷を消します。この作業が一番大切であり、また時間がかかるところです。表面処理の最後は必ずサーフェイサー吹きで終わります。最後のサーフェイサーに、ホワイトタイプを使うと、時間の削減になる場合もありますね。


-月-日 塗装(その1)

 表面処理が完了すると、塗装に入ります。ちょっと、書き忘れていましたが、表面処理の前に、実はもう一つありました。それは、組み立てた後に塗装した方がいい部分と、組み立てる前に塗装した方がいい部分の見極めです。つまり接合面の問題です。接合面のつなぎ目消しが必要な場合は、塗装をする前に接着し、表面処理と同時につなぎ目消しをやって、塗装した方が綺麗に仕上がりますし、作業時間も短くなります。
逆に、接合面のところが、何かの境界であり、継ぎ目を消さなくても良い場合や、色の変わり目であり、パーツが分かれているうちに色を塗った方が、はみ出さなかったり、楽に色を塗れたりする部分は、当然ながら、塗装後に組み立てます。

 こういった、見極めを最初につけておいて、先に組み立て(接着)したほうが良い部分は、先に組立して置いて、表面処理を行います。今回のキットの場合は、足が太股のとちゅうで、分割してあったので、先に接着しました。首や、手も分割でしたが、首の場合はちょうどネックレスのところで分割してあり、継ぎ目が気になりませんし、手もドレスと素肌の境界の部分でのパーツ分割ですので、これも塗装後に接着することとしました。

 塗装する際の基本的事項は、

1.濃い色より薄い色を先に塗る。
2.狭い、細かいところよりも、広い、基本的な色から塗る。

というところです。この基本にのっとり、最初は基本色の一つである肌色から塗ることとします。薄い色ほど、筆むらがでやすくなることと、グラデーションを付けたかったので、肌色はエアブラシで塗装します。まずは、少し濃いめの肌色(Mr.カラーの112番キャラクターフレッシュ(2))を全体、とくに影となりそうな部分に吹き付けます。全体と言っても洋服や、髪の毛といった、部分には、別に塗装しなくて良いです。ただし、境界線は気にせずにというか、逆に境界線の部分で色が薄くならないように、はみ出すようにして、吹き付けます。一旦吹き付けたら、完全に乾燥するまで、さわらないようにして、乾燥を待ちます。

 また、話が前後しますが、もし、グレーのサーフェイサーを吹き付けた状態で、表面処理を終えた場合は、全体のパーツに白を、あらかじめ吹き付けておくことをおすすめします。これは、特に薄い色に関してですが、下地の色によって、同じ塗料でも見え方が変わってしまうからです。いわゆる、下地の透過性なのですが、たとえば、下地が濃いグレーのところに、黄色を塗るのと、下地が白のところに黄色を塗るのとでは、発色がずいぶんと異なります。青や、グレー系などは、透過性が低いので、あまり下地の色に影響されませんが、白、黄色などの薄い色や、以外と赤系も要注意です。薄い色をつかわない場合はグレーのサーフェイサーの上から直接塗装しても大丈夫ですが、ほとんどの、特にアニメ系のキャラクターなどの場合は、塗装の第一段階として、白を全体に塗っておくと、それ以降の色の発色がずいぶんと違います。前に書きましたが、最後のサーフェイサーにホワイトタイプを使った場合は、そのまま、塗装に入れますので、最初の白を塗る手間が省けます。ただし、サーフェイサーの方が塗膜が厚くなりますので、細かいモールドがあるキットなどは、サーフェイサーより、極力、塗料を使った方が良いです。


-月-日 一気にまとめ(ぉぃ)

とある事情によって、一気に製作を進めてしまったので、こちらがついてこれなくなりました(笑)ということで、一旦、まとめたいと思います。(^_^;;

 初心者の方は、なによりもまず完成させることを目指してください。初めから、プロみたいに綺麗に格好良く作れるはずはありません。思い通りに行かなくても、途中で投げ出してしまわないで、最後まで組み立ててください。どんなに技術が未熟でも、完成すれば、それはあなただけの作品です。きっと愛着がわきます。あと、達成感というか、満足感というか、これを得ることができれば、モデラーの一員です。完成させることの楽しみを覚えてしまえば、あとは単なる技術の収得だけです。回数を重ねることで、必ず上達します。逆に、完成したときのよろこびをまったく感じられない人は、模型作りには向いていません。完成品を買うことをおすすめします(^^;;

 さらに、初めて作るのならば、自分が一番作りたいキットを作ることをおすすめします。それはなぜかというと、上に書いた、完成させるという目的のためです。練習用だから、とどうでもいいのを作り始めると、途中で気に入らなければ、簡単にやめてしまうかもしれません。それよりも一番作りたいものを作って、完成させてください。もし、完成した後で、出来が不満だったら、もう一度作ればいいのです(笑)

 なにしろ、作らなければ、先に進みません。どんな出来でも良いので、どんどん作りましょう。最初から完璧を求めずに、一つ一つ、課題をクリアーしていけば、どんどんと上達します。それでは、御検討を祈ります。


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