UN-BALANCE(観劇レポート)

劇団道学先生Vol.13「エキスポ」

  • 日時:平成16年7月31日
    場所:新宿 紀伊國屋ホール
    料金:当日 4500円
    出演:青山勝、辻親八、藤原啓児、蒲田哲、江間直子、その他
    脚本:中島淳彦、演出:黒岩亮 満足度:★★★★☆


    この劇団は今まで見たことなかったのですが、にんじんボーンでおなじみの蒲田さんが出られると言うことで、ふらりと当日券で見てきました。再演ということなので、それなりにおもしろいのだろうと思って。そうそう鈴置プロデュースで見た江間さんも出演されてます。それにしても当日券がまだ残っていたのでラッキーでした。

    今までこの劇団知らなかったのですが、そこそこ有名なのでしょうか、TVに出ている役者さん等から届いたお花が結構飾ってありました。佐藤B作さんとか。

    大阪万博が開催された1969年の宮崎県を舞台にとある一家の母親がなくなった通夜と葬式の二日間を描いた、ちょっとせつなくほろ苦く、かつ楽しいコメディーでした。昼は食堂、夜は連れ込み旅館を経営していた母親が急に亡くなってしまって、その母親の最後の言葉はTVのニュースで万博をやっていたときの一言「父ちゃん、人類の進歩と平和げな」。

    その通夜の夜に起こるさまざまな騒動。家族ですらよく把握していない様々な怪しげな来客、旅館で書いていたという母親の日記の秘密、ゆすりにやってきた男、そして母親が家族に内緒で旅行会社に予約していた万博ツアー。これらのトラブルを通して家族愛、人間愛を織り交ぜながら、ほろ苦く、それでいて何か心が温まるようなハートフルコメディでした。所々の小ネタにも笑わせてもらいました。特に印象に残っているのが、蒲田さん演じる葬儀屋と、小学校で同級生だった出戻りの長女との会話。

    長女「あんたは、連れ込み宿の子供ってあたしのこといじめよったろが」
    葬儀屋「そっちこそ俺のことば、葬儀屋の息子っていじめよったやなかか」
    葬儀屋「特にあんたはひどかった。俺のことば”死神博士”てゆうたろが」

    最近、昔の仮面ライダーを見たばかりだったのでつい、反応してしまいました(^^;

    九州の宮崎という場所ということで言葉もなつかしかったし、時代設定といい、おいらも10年前に母親を亡くしたこともあって通夜と葬式という設定といい、自分自身にもオーバラップする部分があって、なつかしくもあり、共感するところもあり、たいへんおもしろかったです。本も良かったし、役者もすばらしい、大人なお芝居でした。これで要チェックな劇団が一つ増えました。


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