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Tokyo SANKAKU「Please take off ajacket...」

日時:平成11年7月3/4日(土/日)
場所:明大前 キッド・アイラック・アート・ホール
料金:(前売り)1500円
出演:本間木綿子、太宰葉奈子、井村キミタロ、山西右悟、その他

満足度:★★★☆☆


知り合いが出ていると言うことなので、観に行ってきました。「ウソ」「表と裏」をテーマとしたラブコメディーでして、肩の力を抜いて、リラックスして観ることができたお芝居でした。

個人の輸入業者として、会社設立のために事務所を借りた香山夏美はその事務所でトラブルに巻き込まれる。なんとジャズシンガーのバーバラ伊藤と事務所が二重契約になっていたのである。事務所のオーナーの秋葉信彦、不動産会社社員の高田あやか、夏美の友人の橋本良一、バーバラのマネージャーの竹本稔らが集まった結果、どうやら不動産会社社長が金を持ち逃げしたらしく、全員が被害者という状況であった。結局、オーナー秋葉の好意によって、一部屋の事務所をカーテンで仕切り、夏美とバーバラ伊藤の二人使用することになる。

このメンバーに、夏美の恋人秦野修、修が二股をかけていた早坂美鈴、近所の変わり者小林真二を加えて、恋のドタバタが繰り広げられる。実は夏美を好きなのだが、修と夏美の間で振り回される良一、美鈴と夏美と両方にいい顔をしてしまう修、そして修の事を恋人と言いつつ、ついつい良一に頼ってしまう夏美。二股をかけている修に振り回されてしまい、やさしすぎるがゆえに美鈴や夏美に本当の事が言えない良一に対して爆発する夏美だったが、最後はお互いに必要な人であることを認めあった夏美と良一の二人・・・・向かいあわせに座り、テーブルの上でしっかりと手をつなぐ夏美と良一のシーンで幕が降りた。

個々のキャラクターが生き生きとしており、なかなか楽しめました。全体としては、メリハリがちょっと少なかったかなという気がしましたが、これも気負い無く観られることを狙った演出でしょうか。個人的には、もうちょっと盛り上げて欲しかったのですが。じわっとにじんできた涙がこぼれることなく終わったという感じです。

 しかし、秋葉さん役の井村キミタロさんは、熟年の芝居と言う感じでなかなか渋い演技をされてましたし、高田さん役の太宰葉奈子さんは、コミカルで特異な役柄をみごとに演じられてました。途中でかなりの長台詞があって、これは圧巻でした。ただ、あそこまで長くしてしまうと、観ている側としては、ちょっとつらいものがありましたが、これはシナリオの問題かな(^^;あとは、修役の山西右悟さんも、良い演技されてましたね。

 印象に残っているのは、夏美と良一が喧嘩するシーンで、やさしすぎることは、時には残酷な事だ、みたいなことを夏美が言ったところです。他人にやさしい人は、実は自分にもやさしいんですよね。人を傷つけたくない=そのことで自分が傷つきたくないという場合が多いのです。自分がわりとそのタイプなので(^^;そのこともあって、良一を見ていると自分を見ているようで非常にもどかしく感じてしまいました。良一も最後には爆発して欲しかったのですが、結局そこまでいきませんでした。最後に素直になれたのも、良一の方ではなく、夏美の方からでしたし。

 めずらしく小劇場に観に行きましたが、こういうのも良いですね。派手さはなかったのですが、ほんわかと、ハートフルなお芝居でした。また、次があれば観に行こうと思います。


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