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WAKUプロデュース 「Please please me〜月は太陽をみてる〜」

日時:平成11年6月19日(土)
場所:赤坂 シアターVアカサカ
料金:3500円
満足度:★★★★☆



ちびまるこちゃんファミリーの一部で構成されたWAKUプロデュースです。WAKUのメンバーはTARAKOさん、佐々木優子さん、中友子さん、柳沢三千代さん、山口美砂さん、渡辺菜生子さんの6人ですが、この6人に、毎回客演を加えて年1,2回の公演をされてます。

今回のテーマは”もどらない時間もどれない現実もどすのは自分、願いは叶う”だそうで、わりとシリアスなストーリーでした。いろいろと考えさせられることはありましたが、登場人物それぞれの愛情、友情、人の愛を感じることができて、胸がいっぱいになり、見終わった頃には涙があふれてました。

「月は一人では輝くことが出来ません。たとえ雨が地面から降ろうとも、私はあなたのそばにいます・・・・」この言葉から始まったストーリーですが、まずは奥さんが妊娠中の田の倉夫妻(浜幸一郎 & 中友子)のマンションに財閥のおぼっちゃんである長谷川翼(林泰文)と長谷川家に使えていた乳母の田畑マサ(渡辺菜生子)の二人が駆け落ちしてきます。翼はまだ若く、翼の両親は、翼が生まれてすぐに二人とも病気&事故で亡くなってしまっており、マサさんが育てていたのですが、翼とマサさんがそういう関係になってしまい、翼の祖父が結婚に反対したため、駆け落ちしてきた次第です。既にマサさんは、翼の子を身ごもってましたが、年が離れすぎていたりと、いろいろな理由があって、反対されていたのです。

これをきっかけに、田の倉家のマンションに、翼のいいなづけだった松蔭時松子(TARAKO)、その召使いである東品川淀春(石原健次)や、翼の祖父の使いで翼を連れ戻しに来た越川(増本庄一郎)(実は越川もマサさんを慕っていたりします)、マサさんの友人の産婆トミ(佐々木優子)、近所の妊婦トロ子(柳沢三千代)が入れ替わり立ち替わりやって来ては、翼を家に連れ帰ろうとドタバタを繰り広げます。そうしているうちに、アメリカに行っていた翼の姉長谷川理恵(山口美砂)が帰ってきて、強行に翼とマサを引き離そうとします。断固としてもどらない翼に対して、理恵はついに隠されていた秘密を話してしまいます。マサが翼の父親とできていて、子供まで生んだこと。その子供は産まれてすぐ、翼の祖父の手によって、死んだことにされ、マサから引き離し、他の家に預けられて育てられたこと。このことにより、翼の両親の中が気まずくなってしまっていたこと、マサは子供が産めない体になっており妊娠していることもマサの妄想であることetc。愛するものすべてをマサによって奪われ、今また、弟まで奪われようとしている姉の怒り、悲しみがそこにはありました。そして、弟に対する愛情も・・・

その後は、マサの子供であり、翼の兄弟でもある沢木みちる(中川亜紀子)に翼と越川が会いに行くシーンで涙がじわっとにじんだ後クライマックスは、それでもマサを愛そうとする翼に対して、病気か、狂気か、マサは翼に向かって翼の父の名前で呼びかけます。マサにとって、今の時間は、翼の父親と愛し合っていた時代、最初に妊娠した時代となっており、翼が翼の父親に見えてしまっていたのです。結局、翼は父親を演じたまま、マサを愛することを決めました。そして田の倉家にも無事に子供が産まれ、それぞれがそれぞれの場所へと戻り、平和な日常へ・・・・今までとはちょっと違うけども、これで良かったと言える愛があふれる日常へ・・・

感動しました。私の稚拙な文章能力ではうまく表現することができませんが、なにしろ感動しました。毎回、路線がけっこう変わるWAKUですが、今までのWAKUの中では一番好きなお芝居となりました。人を好きになること、友情、夫婦の愛情、いろいろと考えさせられました。私も今は苦しい恋をしているので(謎)

次回のWAKUの公演は2000年1月の予定だそうです。


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