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劇団蓮(REN)「闇」

日時:平成11年8月15日(日)
場所:江古田 江古田ストアハウス
料金:自由¥1800
出演:吉田ミサイル、チェリ、吉田真澄、鶴切由美子、その他
作・演出:緑野大地

満足度:★★★☆☆


今回も小劇場。しかも江古田という初めての地です。この劇団は主宰も含め、わりと若手中心のメンバーで、新人の登竜門的な意味合いがあるようです。もう何度も出演しているベテランから、今回が初めての舞台という新人さんまで総勢13名の役者陣でした。驚くべき事は、前回の公演が今年の6月、しかもその時は4月5月6月と3ヶ月連続の3部作をやっていることですね。主宰のポリシーとして、役者にとって経験、つまり数をこなすことがやはり大事だというところから、このような精力的な活動をしておられるようです。新人であるほど、場数を踏むというのが一番の演技の勉強であるというのは同感ですね。やはり何事もやってみることが大事です

話がそれてしまいましたが、今回のお芝居の内容はアメリカのスタンリー一家というギャング団が舞台です。主人公のジョージ(吉田ミサイル)は若いながらも一家のNo.3ともいうべき存在。最近、ボスのスタンリー(緑野大地)が引退をほのめかしていると言うことで、跡目の問題が持ち上がっている。候補はジョージと、No.2のジェームズ(羽宮狼)、ジョージの親友のスティーブン(チェリ)の3人といったところだが、ジェームズとスティーブンにはその気がないらしい。ただし、ボスにはジャン(畔上義夫)という息子がいるのだが、まだ若すぎるのと、品行に問題があるため今のところジャンに跡目を継がせるつもりはないようだ。

ジョージを中心に、恋人のケイト(吉田真澄)、ジェイミー(鶴切由美子)一家の顧問弁護士フランシス(芳山隆一)や警部(畔上義夫)を交えながら話が進んで行くが、ジョージの視界がだんだん暗くなっていくという異変が起きる。最初は疲れのせいだと思っていたジョージだが、症状は日増しに悪化していくばかり。さらに夢の中にベルゼバブと名乗る悪魔が出てきて、じきに世界のすべての人々が闇に包まれる。そしてジョージは人類を救うために選ばれた100人のうちの一人だという。最初は信じられなかったジョージだが、拳銃で打たれた傷が治ったり、ジェイミーも幼い頃に、ベルゼバブに夢の中で出会ったことがあるという話を聞いて、半信半疑ながらもベルゼバブの存在を信じるようになる。 そして、ケイトやスティーブンらが次々と光を失っていく状況となり、ついにジョージは自らベルゼバブを呼び出す。はたして悪魔の目的は何か、世界が闇に包まれるとはどういうことなのか、そしてジョージのとった行動は・・・・

最後は最終戦争(ハルマゲドン)へと繋がっているのですが、登場人物が多いこともあってか、人間関係をめぐるドラマ部分が劇中のほとんどをしめてました。よって、ジョージが悪魔(ベルゼバブ=蠅の王だったかな?)を呼び出してからラストの最終戦争までが一気に話がすすんでしまった感じを受けました。こういったことに多少ともかじったことがある人じゃないと、ちょっと説明不足だったかもしれません。主宰がパンフに書いていた「わかりにくい部分があるかも」と言っていたのはこの辺りのことなのでしょうか。まさかこういう結末にもってくるとは、途中まで全然思いませんでしたし。しかし、人々が光を失ってから、ジョージが戻ってくるまで10年ってのは、あんまりかも(^_^;せめて一ヶ月とか、一年とか(^^;

今回のお芝居のコンセプトは「今までの蓮とはちがった蓮を見せる」という事らしいので、(もっとも私は今回が初なので、今までがどんな感じなのかわかりませんが)いろいろと実験的な試みもやられたようです。照明の使い方や、シャワーシーンの表現とか、なるほどと思ったり、まあ、シャワーシーンでは、別の意味で、ああ、このシーンなのねと一人納得してましたが(謎)。

ちょっとシナリオに難ありな部分もありましたが嫌いな話ではないですし、積極的に新人を発掘していく姿勢は良いと思います。かなりのハイペースで公演されているようなので、毎回とは言いませんが、また機会があれば見ても良いかなって感じでした。


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