POSTEIOS研究会(情報化システムによる浄土真宗の布教伝道を研究する会)の活動を紹介させていただきます。

2002/07 ▼近藤珠實監修 『21世紀の冠婚葬祭マニュアル』
                        (NHK出版、2001)
「葬儀に関する最新情報はネットでGet!」というコーナーに、仏教系としては唯一、本会ホームページが紹介される。紹介文は次の通り。
「浄土真宗本願寺派の東京教区の僧侶有志によるホームページで、仏教についての情報から、法話等も見ることができる。」
▼『季刊せいてん』(浄土真宗教学研究所、2001年春号)
本会事務局長・宮本義宣氏が、「インターネットの可能性」と題する誌上座談会に参加、本会の活動を紹介し、また、インターネット伝道の可能性全般についても持論を開陳。
▼浄土真宗本願寺派・東京教区の夏期僧侶研修会に講師として出向を招請される。講題は、「伝道とメディアーインターネットの活用」。
(2000年7月28日 築地本願寺)
記事 ▼『京都新聞』(2000年6月23日号・夕刊)
連載「ニューメディアの神々」第3回に、本会、並びに、本ホームページ作成の編集会議の模様が紹介される。
記事 ▼『築地本願寺新報』(2000年1月号)
本会会員・酒井淳氏の「ポストエイオス研究会の活動」と題する取材記事において、本会の活動が紹介される。
▼(財)国際宗教研究所(理事長・脇本平也東京大学名誉教授)主催のシンポジウム「インターネット時代の宗教」に、本会代表の一人、小林泰善氏がパネリストとして参加。(1999年11月12日 伝通院)

(関連1)同シンポジウムの模様が、スカイパーフェクTVで2時間番組として放映される。(2000年4月5日)

(関連2)同シンポジウムの内容が、国際宗教研究所編・井上順孝責任編集『インターネット時代の宗教』(新書館、2000年)として出版される。
記事 ▼『築地本願寺新報』(1999年6月号)
本会会員・本多静芳氏の「インターネットと真宗サンガ(僧伽)」と題する寄稿において、本会が紹介される。
記事 ▼『中外日報』(1998年8月6日版)
「電脳で世論を結集」と題して、本会設立の主旨、並びに、本ホームページのねらいなどが紹介される。(本会代表の一人、小林泰善氏へのインタビュー記事)









中外日報
1998年8月6日
 電脳で世論を結集

▽パソコンを使用した情報化社会が進展する中、東京教区の若手僧侶が昨年末からインターネットを使った教化に乗り出している。「POSTEIOS(情報化システムによる浄土真宗の布教伝道を研究する会)」というのがそれで、昨年十一月に立ちあげて以来、千四百回以上のアクセスを記録している。アドレスは、 http://www.posteios.com

中心メンバーの一人、小林泰善氏(川崎市長念寺住職)はPOSTEIOSの効用を「現在は僧侶どうしの情報交換でも非常に重用している」と語る

▽中でも注目されるのが「僧侶のページ」。同ページの副題は「宗門、教団にもの申すページ」である。
前文では「今、宗門には、組織の足かせに縛られない発言メディアが存在しない。個々がただ批判をするだけなら、誰でもできる。組織が気にしなければならないような宗門内メディアが欲しい。それに挑戦したい」と書かれている。ここでは生々しい話題を取り上げ、僧侶有志による論戦が闘わされている。現在では岐阜別院問題や、宗門の人事、勝新太郎さんの葬儀など。小林氏は「本願寺派はわりと閉鎖された社会、情報は本山からの一方通行が多い。それに対して私たちは、生の声、自由な議論を促進する事により、社会的諸問題にも敏感に反応して在野の世論を形成したい」としている。
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『築地本願寺新報』
(1999年6月号)
インターネットと真宗サンガ(僧伽)     武蔵野女子大学助教授 本多静芳

 マルチメディアとかインターネットという言葉は、ここ数年ですっかり日常語に定着した感があり、その普及は社会生活に大きな変化をもたらしています。
 とりわけインターネットは、その性質から、いままでの組織のあり方(縦並び組織)を根底から覆すものとなりました。インターネットと電子メールの活用による情報・意見の発信と共有、そして伝達の早さは、いままでの社会のあり方、人の生活・行動様式そのものを考え直させるきっかけとなりうると思います。
 私が勤務する武蔵野女子大学でも、すでに学内LAN(パソコンのネットワーク)が整備され、研究活動や学術交流、学内事務に利用され、また学生たちもアドレスをもつことができ、就職活動などに活用されています。
 昨今の就職活動が厳しいことはマスコミなどでよく取り上げられま
す。企業情報や募集状況などの情報収集は、かつて就職情報誌を中心にしていましたが、いまは様変わりし、インターネットでということが主流、もっというと、それができなければ企業サイドが受け入れない場合も多いのが現実です(もちろん、最終的には人間の生の触れあいを企業が重視するのはいうまでもありませんが…)。
 インターネットを通した伝道・布教に興味を持つ、一住職であり一教員である私が、私的に考えることを申し上げますと、それは、そのまま私たちの教団の組織のあり方についても、既存のあり方では窮屈だったものをうち破っていく可能性を秘めたものだと思っています。
 浄土真宗教団は、社会的に見ればもう既成教団に仲間入りしています。当然、そこには、随分多くの猥雑なものを抱えています。そして、そのあり方を改革していきたいという一人一人の願いはあっても、現実に巨大化した組織を突き動かすには、難しい状況があるのも事実です。 そのような、教団に対する真撃な姿勢や願いが、このようなマルチメディアの特性を利用して、しがらみを超えてやりとりが出来るようになれば、本当の変革(イノベーション)も可能になるのではないかと窃かに期待しています。
 ネットサーフィンしてみますと、すでに数多くの宗教関係のHPがあります。真宗に限定しても、すでに本山を始め、教務所や寺院、個人レベルでインターネットのHPが作られています。しかし、率直なところ、より組織の小さなHPの方が、先に掲げたインターネットの諸特性を充分に活用しているように見えます。
 私も親しい仲間とともに、以前からマルチメディアを活用しての伝道・布教ということに深い関心をもって話し合ってきました。そうしたなかで、昨年、有志とともに 「ポストエイオス」 の活動を始め、HPを立ち上げました(http://www.posteios.com)。
 この名称は、「情報化システムによる浄土真宗の布教伝道を研究する会」の英訳略称で、活動の具体的な紹介は、別の機会に譲るとしますが、一度アクセスされ、ご意見などをお寄せいただければと思います。
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『築地本願寺新報』
(2000年1月号)
白色白光
「ポストエイオス研究会の活動」

 小学校へのコンピュータ授業の導入などにより、今までビジネス関連で予想を超え普及を伸ばしてきたコンピュータが家庭にも急速に普及するだろうと予想されています。一般家庭でコンピュータが使われることにより、コミュニケーション媒体としてのインターネットの可能性がますます注目されています。
 平成九年の春、浄土真宗本願寺派の東京教区に属する僧侶有志約二十名が、インターネットを利用した布教伝道の可能性を模索するため、ポストエイオス研究会(代表・小林泰善、野生司祐宏、三春和順、山本浩真の各氏)を発足させました。同会はその後、コンピュータ利用のための勉強会の開催、ホームページ運営等を主な活動として発展し、現在では会員七十名を擁するに至りました。また、この十一月には、財団法人国際宗教研究所主催のシンポジウム「インターネット時代の宗教」に、伝統仏教関係の団体から唯一バネリストとして参加するなど、その活動は宗門外からも一定の評価を与えられています。
 同会の特色、運営の現状、今後の課題等について、事務局に取材しました。

 会の特色はどこにあるのでしょうか。 

 「ホームページの運営を例に取るとわかりやすく説明できると思います。現在、ホームページは仏教関係のものに限っても多数に上りますが、大別すると、教団・教区等の公式ページと、各寺院・僧侶・ご門徒が個々に運営するページとに分けられます。前者は幅広い視野を持ちつつも、どうしても堅い内容になりがちであり、一方、後者は自由な本音の発言が確保される反面、どうしても情報・視野が限定されがちです。本会の立場はその中間にあり、両者の良い部分を生かすことを目標にしています」内容はどんなものでしょうか。
 「特に閲覧者が多いのは、最近のニュースやテレビ番組等に仏教者の立場からコメントするページや、宗門内の話題に関するページなどです。他にも毎月の法話、仏教なんでも相談、新開雑誌に掲載された仏教関連記事の紹介、また、読者からの相談に応じる「駆け込み寺」コーナー等々、盛り沢山です。但し、教義上、信仰上の問題を体系的に叙述する部分はありません。これは、ホームページを布教伝道のあくまでもお手伝い、補助的なものと位置づけているためです。このホームページを見てもらうことによって、少しでも仏教への関心を高めてもらうことが、私どもの願うところです」


 運営上の喜びや悩みは?

 「喜びは多くの方々からホームページに対する激励を戴くことです。これまで寺院や仏教に緑の無かった方々から、ご意見やご相談を頂くことも数多くあります。一方で悩みは、専任スタッフがいないため、月二回(一日と十六日) のホームページの内容更新が少々きついことです」


 今後の展望は?

 「ホームページの運営について言えば、もっと多くの方々に見ていただけるよう、貪欲に取り組みたいと思います。
 また、本会の設立趣旨は、ホームページ運営に止まらず、コンピュータを利用した、より幅広い高度情報化システムの活用を模索することにあります。私たち僧侶は、時間的制約のために、頻繁に集まりを持つことも困難なため、布教伝道を見据えた相互の情報交換のためにも、そのような試みは今後ますます重要になっていくと確信しています。
 好むと好まざるとにかかわらず、情報の洪水の中に翻弄される私たちです。必要で正確な情報を的確に見定め、あるべき方向性を見いだしていくために、前述の本会の目的に適う様々な活動を意欲的に推進したいと考えています」             
 
酒井 淳
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京都新聞
2000.6.23
ニューメディアの神々 3
  発言メディア
   「末寺住職に新たな“力”」


 「日本国は天皇を中心にしている神の国」。森喜朗首相の発言が報道された先月十七日。川崎市の浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺)長念寺住職・小林泰善さん(50)は昼のニュースでこの「問題」を知ると、すぐパソコンに向かい電子メールを送った。「森首相の神の国発言黙っているわけにいかないでしょう」。
 送信先は、同派東京教区の僧りょ十二人でつくるメーリングリスト。小林さんのメールを読んだ仲間が、夕方から次々に私見を寄せ始めた。「私も同感」。「発言の内容を確認し各教団の反応を調べましょう」。
 インターネットは、既成教団の本山と末寺の関係をも揺るがしつつある。この僧りょらは発足三年の「ポストエイオス研究会(情報化システムによる浄土真宗の布教を考える会)」のホームページ編集者。ネット上で意見を交換し、編集方針を決めてページを更新する。そこでは日々の社会の動きに応じ、仏教(真宗)者の立場から論評、発言するコーナー「最近のニュース」を持つ点が特徴だ。
 「神の国」問題では、「首相が『信教の自由』の認識にも、それが成立した『歴史の認識』についても完全にずれている」と批判のコメントを掲載。小林さんは「真宗の教えは社会と密接にかかわるので、即時に対応することが重要。社会への発言を通し、一般の方に真宗の考え方を身につけてもらいたい」。仏教的な見方を示すことで混迷する社会にインパクトを与え、新たな共同体づくりを目指すのだ。論評はすでに「臓器移植」や「東海村臨界事故」、「少年法の改正論議」など五十本にも及ぶ。
 他に、本願寺教団の現状に意見を投げかけるコーナー「宗門にもの申す」も設置、教団のあり方に関して議論を喚起する。「ネットを通じて自由な発言をし、宗門世論を構築できるような新たなメディアになれるかどうか挑戦したい」とメンバーは口をそろえる。
 一方、本山の西本願寺(寺院数一万)も二年前に公式ページを立ち上げた。ただ、内容は法要行事案内や教義、建物の紹介などにとどまり、担当者も「本山の広報色が強く、一方的な情報発信になっている」と話す。今後は質問や疑問を受け付け、答えていく双方向性を充実させる方針だ。
 一般に、大教団は社会問題への反応が鈍い。縦割りの組織では統一見解を出しにくく、出すとしても議会などの承認手続きが必要で即時性に欠けてしまう。
 昨年二月。初めての脳死移植が高知赤十字病院で行われたのを受け『真言宗豊山派(総本山・長谷寺)の末寺住職で医師の僧りよが、臓器移植に賛成する意見を自作のホームページに載せた。教団あげて対応を検討しようとしていた矢先だつただけに、波紋が広がる。伝道活動を統括する同派教化センターの幹部は「一住職の発言が、そのまま宗派の見解として社会に受け止められる、と頭を痛めた。ネットの怖さだ」。
 同派三千ヵ寺の中で、ホームページを運営する住職は七十人。先の問題を踏まえ、教化センターは「自坊だけ『霊験あらたか』とPRする、教義からはみ出た内容などもどう規制するか」を課題に、住職を対象にした研修会を検討する。
 末寺住職たちの発言力を格段に高めるインターネット。将来、どんな影響を及ぼすのだろうか。
 本願寺派の僧りょで、同寺のホームページ運営に携わる京都文教大教授の生駒孝彰さんは指摘する。「ネット伝道の特長は共時性をもった社会への発言にある。教団側もすぐに見解が発表できる体制を早急に整えるべきだ。そうしないと、個々の住職の発言に押されて教団が形骸化し、混乱や対立、信徒の脱退などを招くだろう」。

(夕刊編集部三田真史)
次回は7月28日掲載。
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