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『NHKクローズアップ現代』を考える |
クローズアップ現代「戒名の値段」 |
去る10月28日、NHK総合にて放映されたクローズアップ現代「戒名の値段」の内容についての意見書を、ポストエイオス会員の有志が日本放送協会(NHK)に提出することになりました。 |
貴協会で過日10月28日に放映されましたクローズアップ現代「戒名の値段」を興味深く拝見致しました。 その中で、次のような点において、私共既成仏教寺院に属するおそらく大半の者が抱いたであろう疑問について述べさせて頂きたいと存じます。 それは、何宗の葬儀でも請負うという言ってみれば葬儀専門のお寺が紹介されていた部分についてであります。何宗でも請負うという点や、葬儀社に御布施の中から高額のバックマージンをビジネスライクに支払って葬儀を紹介してもらうなど、私共の日常ではほとんど考えも及ばないことであります。そのような寺院が実際にあることは耳にしておりましたが、極めて特殊、例外的な寺院と言ってよいと思われます。 番組の中では、その類の寺院が例外的な寺院であるという点が十分に伝わっていなかったということが、極めて残念であります。 私共は日常的に門徒(檀家)の方々に法要、諸行事等を通して仏教の教えをお伝えしていくことを最も重要なことと考えています。寺と個々の門徒との付き合いの中では葬儀は何十年に一度か二度あるかどうかというもので、葬儀以外の付き合いのほうが質・量ともに圧倒的に重要な部分を占めているわけであります。このような私共の基本的な立場から見れば、件の寺院などは極めて異様に写るわけで、それがそのように扱われていなかった点、遺憾に感ずる次第であります。 大変僭越ながら、私見を述べさせて頂ければ、この問題については次の二つのケースに分けて考えるほうが見通しがよいのではと愚考します。 1.葬儀で初めて寺と縁ができる場合。 (この場合には葬儀全般に亘って葬儀社が深く関わることが多くなる) 2.葬儀以前から寺との付き合いがある場合。 この両者を分けた上で、それぞれの問題点を整理していくという視点を取り入れていただければ有り難かった、というのが率直な感想です。 以上、大変失礼なことを申し上げたかと存じますが、何卒ご寛恕くださいませ。もし、愚案に対してご意見等お伺いできれば幸甚に存じます。 |
▼また、番組内容についての会員の意見を拾ってみました。 ☆ 「仏教(寺)に対する概念が画一化されて、宗派の特色がうすれてきています 。浄土真宗はこう考えるというところをアピールして、宗派によって寺院運営のしかたや教えが違うというところを広く伝えなければならないと思います。 ☆ 寺院を経営(経営という言葉が適切かどうか解りませんが)してはいませんが、保育園の園児や保護者に対し仏教の教えを少しでも伝えられればと折に触れ話をしています。真面目にやっている寺院や僧侶が誤解を招くような報道に対しては腹立たしさを覚えます。 ☆ だいたい、番組の中で「戒名はお通夜の時に付けられる名前で」という本質的な誤解から成り立っているのですから、むしろ法名または戒名は 生前受けるべきものであることをもっと教えていいのではないか。 ☆ あの番組はひどいものでした。そこで紹介されていたような、極めて特殊,例外的な寺院のあり方について、HP(ホームページ)にも載せて、その異質さを明らかにしていくべきだと思います。 ☆ 極めて特殊、例外的な寺院のあり方を、助長する葬儀社のあり方についてもHPで意見を述べるべきだと思います。 |
★番組をご覧にならなかった方は、下記のホームページに番組のテキスト版が載っています。NHKの公式なものではなく、個人的なホームページです。 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/4176/mokuzi.htm |
( 山本浩真 ) |
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