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日弁連、反社会的な宗教活動にかかわる消費者被害等の救済の指針」
を発表 |
日本弁護士連合会(日弁連)が、3月26日に、「反社会的な宗教活動にかかわる消費者被害等の救済の指針」と題した意見書を発表しました。そのことが、朝日新聞夕刊(3月30日「こころ」欄)で報道されています。 日本では今、オウム真理教のようなカルト教団ばかりでなく、将来の不安を煽り多額の金品を強要する詐欺まがいの宗教行為も後を絶ちません。ヨーロッパでは、信教の自由を守りつつセクト(カルト)対策が積極的に進められています。しかし、日本では放置されていると言っても過言ではありません。 「宗教活動にかかわる人権侵害についての判断基準」(下記に引用)を読む限りでは、その内容はしごく妥当なものです。 あらためて、宗教に名を借りた人権侵害について、その不当性を明らかにし、人々が反社会的な宗教活動のために迷いの中に陥ることのないように導くことも、私たち宗教者の務めであると思います。 ところが、日本の宗教界には、この指針に対して反発があるのだそうです。その理由は、「宗教活動の規制につながる懸念がある」からということです。伝統的な「行」まで規制されてしまうのではないかという危惧です。 しかし、宗教被害の実態を考える時、宗教教団は保身のみの議論をしている時ではないと思います。社会に対して、自ら信ずるところの正しい宗教のあり方を説く事が先ではないかと思います。むしろ今回の指針は、反社会的な宗教活動を行っていない宗教団体にとっては追い風となるものであると思われます。 by 小林泰善 朝日新聞夕刊(3月30日「こころ」欄) 「宗教的活動にかかわる人権侵害」判断基準 (日弁連) 1.献金勧誘活動について (1)献金等の勧誘にあたって、次の行為によって本人の自由意思を侵害していないか。 @先祖の因縁やたたり、あるいは病気・健康の不安を極度にあおって精神的混乱をもたらす A本人の意思に反して長時間にわたって勧誘する B多人数により又は閉鎖された場所で強く勧誘する C相当の考慮期間を認めず、即断即決を求める。 (2)説得・勧誘の結果献金等した場合、献金後間もない期間(例えは一カ月)は、その返金の要請に誠意をもって応じているか。 (3)一生を左右するような献金などをしての団体の施設内で生活してきた者が、その宗教団体等から離脱する場合においては、その団体は献金などをした者からの返金要請にできる限り誠実に応じているか。 (4)一定額以上の献金者に対しては、その宗教団体等の財政報告をして、使途について報告しているか。 (5)お布施、献金、祈祷料等名目の如何を問わず、支払額が一定金額以上の場合には受取を証する書面を交付しているか。 2.信者の勧誘について (1)勧誘にあたって、宗教団体等の名称、基本的な教義、信者としての基本的任務(特に献金等や実践活動等)を明らかにしているか。 (2)本人の自由意思を侵害する態様で不安感を極度にあおって、信者になるよう長時間勧めたり、宗教的活動を強いて行わせることがないか。 3.信者及び職員の処遇 4.未成年者、子どもへの配慮 |
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