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沖縄と本土の温度差


 7月上旬に沖縄を訪ねました。その折りに、読谷村にある真常寺(浄土真宗本願寺派)の住職北村昌也氏にお会いしてきました。真常寺さんは読谷村にある唯一の仏教寺院だそうです。また神社も当然ないために初参り、起工式、など本土ではすべてとは言わないまでも神道でするのが習慣になっている行事もすべてお寺でするそうです。二、三万の人口にお寺が一つという状況で大変多忙の中、地域に積極的にとけ込む努力をされています。 沖縄では薩摩藩の間接的支配を受けていたため日本の江戸時代に当たる時期、薩摩藩に配慮して念仏禁制政策をとっていたそうです。念仏禁制といっても浄土真宗の念仏だけが対象で、念仏自体は広く民衆の間にひろまっていたそうです。有名な“エイサー”は念仏踊りが原点だということでした。

 北村氏の紹介で読谷の役場に反基地闘争に関する資料を頂戴しにうかがったところ、担当の方から、「本土では今どうなっているのか」と熱く問われました。自自公でガイドライン法案や日の丸・君が代が法制化しようとしている現状に無力感を持たれておられました。マスコミを通して本土との温度差が伝えられていますが、まさに話を伺っている私の体温の低さを恥じたことです。
 彼は全ての問題は突き詰めていくと天皇制度に行き当たると述べた上で、本土で天皇制について話が及ぶと突無歯切れが悪くなると話しておられました。

 私自身、感じとしては分かるような気もしますが、考えを掘り下げたことがないため(自分でリミッターをかけているのかもしれません)、今後考えてみたいと思っています。 本土では天皇制について議論すること自体、何となくタブー視されがちですが、天皇制文化圏から一歩距離を置いた沖縄からすれば、当たり前に論議の対象になることを知らされました。

                                 酒井 淳
  


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