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「黙とう」


 亡くなった方を偲び、哀悼の意を表するための儀礼・作法は宗教、宗派によって千差万別でありましょうが、様々な信仰を持つ人々が一同に会する場(たとえば、公式の行事、一般の集会等)においては、特定の宗教に拘らないという配慮からか、「黙とう」という号令がかけられることが多いようです。そのような時に、浄土真宗の教えを拠所とする私たちはどのように「黙とう」したらよいのでしょうか。

 阿弥陀さまのお慈悲により、亡き人は仏さまとならせて頂いていると受けとめる私たちであるならば、仏さまとして私たちにはたらきかけて下さっている亡き人に想いを馳せつつ、阿弥陀様の大きなお慈悲にあらためて感謝するご縁と受けとめたいものです。具体的な「黙とう」の方法としては、今述べた想いの中に、頭を心持ち下げて黙礼するのも宜しいでしょうし、合掌しつつ静かにお念仏を称えることも仏教徒として自然な方法だと思います。

 「黙とう」という号令に接した際に、必ずしも画一的な黙礼を求められているわけではなく、個々人の信仰に則ったそれぞれの想い・方法で「黙とう」するのが自然なことではないか、と考えます。

                           石上 和敬 


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