最近、こんなことがありました。
友達にメールを出したら
友:「今スキーに行くところ」
私:「また行くの?」
友:「今回は山に登って雪の中に穴掘って一晩泊まってから朝滑って下りてくる」
私:「すごいね。本格的」
友:「でさあ、今天気悪いんだよね。雪崩が起きそうなんだって。君お坊さんなんだから、ちょっと拝んでおいてよ」
私:「? 私は浄土真宗だから、そういうことしないんだけど」
友:「なんでもいいからさあ。お坊さんでしょ?」
私:「拝むっていったって、私に超能力があるわけじゃないし・・・」
友:「ま、よろしくね」
私は、ちょっと脅かそうと思って
私:「今、怖い夢を見ました。君が真っ白な世界にひとりぼっちで立っています。君の顔をよく見ると・・・・・きゃ〜!この先はとても恐ろしくて言えないよ」
友:「シャレになんない。やめてくれ。ほんとマジでやばいって」
私:「ごめんごめん、冗談だって。大丈夫だよ。このスーパー坊主がついているんだから安心しなさいって。毎日拝んでおくから。安心して行っておいで」
友:「はーい。行って来ます」
友達は私の「拝んでおくよ」の一言で安心したようでした。
実際のところ、私が何をしたか?
もちろん、雪崩はないかと天気予報を見たり、怪我をしていないといいけれどなあ、と心配していましたが、それはそれ。友達の安全祈願はしませんでした。
というよりも、私にはそんなだいそれた力というか超能力のようなものは備わっていません。
お願いする相手もいません。アミダ様にお願いすれば、願い事が叶うのだとすれば、こんな楽なことはありません。そんな簡単に自分の思い通りにならないのが、私たちの生きているこの世の中ではないでしょうか。
友達は雪山から無事に帰ってきました。そして「また拝み頼むね」とメールをくれました。
安心をするためのおまじない。それは仏教なのでしょうか。
そして、私はこれでよかったのかしら。
そんなことを考えました。
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いしかわ ちほ |
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