コラム29  01.11.01



焼香か、献花か


 先日、神奈川新聞に「焼香か、献花か」というような記事がありました。(下記添付)皆さまは、どう思いますか。 お焼香は、自らの身を香りにより清浄にするという意味の他に、仏さまに妙なる香りをお供えするものでもあります。
 ですから、安い(=大体が臭い)ものではなく、多少高価であっても良い香りのものを選びたいものです。良い香りは、精神的な安らぎをもたらします。
 仏さまを燻し出す訳ではありませんから、浄土真宗本願寺派(お西)では、一つまみだけお焼香しています。ですから量も多くは必要ありません。そうです、香水と一緒なのです。
 ふわっと薫る、妙なる香りに心を落ち着け、じっくりと仏さまと向きあう。そうしたときに、忙しい毎日の中で見失ってしまったことに、気付かせて頂くことが出来るに違いありません。



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  −焼香と献花、献灯 大切なのは弔う心−

 大都市で無宗教葬が人気上昇傾向にある。ここではどういうわけか献花が行われることが多い。
 焼香は「辛気臭い」、あるいは仏教との連想が強すぎて嫌われるのだろうか。
 献花といえばキリスト教の葬儀。だが、教会の告別式での献花は歴史的には焼香の代用である。寺では焼香という行為を通じて死者への哀悼の意を表することができるのに、教会では何もない、という不満に対して献花という行為を代用させたのである。だから献花をしない教会もある。
 近年ではカトリック教会など、献花以外に焼香を認めるところも出てきた。何も焼香は仏教の専売特許ではないからである。その反対に仏教葬儀でも献花が行われることがある。
 焼香でしばしば問題になるのは作法である。回数は何回か、香は額にいただくのか、である。
 浄土真宗本願寺派の僧りょが怒っていたことがある。司会者が「本日は会葬者が多いので焼香は一回でお願いします」と言ったというのだ。「もともと西本願寺は一回である」と。
 しかし、浄土真宗のように回数が定まっている宗派もあるが、回数を決めている宗派のほうが少ない。香を額にいただかないのも真宗である。
 実用書の中には、三回が正しく、すべて香は額にいただくと誤って記述しているものもある。
 もっとも、焼香は何も葬式をしている宗派の作法に合わせる必要はない。自分の信ずる宗旨の作法によって行ってかまわない。
 その点、献花には定まった作法などない。
 近年、新しく「献灯」が登場してきた。小さなローソクを会葬者一人ひとりがささげる方式である。
 方法はさまざまだが、大切なのは弔う心であることは共通しているだろう。
(葬送ジャーナリスト・碑文谷 創)
              ―神奈川新聞 2001,10,21―

菅原 智之    

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