コラム30  01.11.01



いやし系のロボット


 ソニーで出した犬型のロボットのアイボを初めとして、人間の問いかけに答えるロボットが次々開発されています。今年の東京モーターショーでは感情を表現する車も出品されているそうです。
 いやし系のロボットというのだそうですが、本当にそれで人間がいやされるのでしょうか。おそらくそんなことはあり得ないと思います。人間はとてもわがままですから、いやしのプログラムは、そうとう複雑なものになると思われます。単純なものならすぐに飽きられてしまうでしょう。

 今は、おもちゃの段階ですが、子どもの頃に漫画などで見た、まるで人間のように人に仕えるロボットも将来開発されるのではないかと思われます。科学の進歩は、はたして人間の心にまで到達するのでしょうか。
 しかし、反面気味が悪いような気がします。以前、夜中に自動販売機でジュースを求めた時、コインを入れたとたん女性の声で「いらっしゃいませ」と言われ、飛び上がるほどびっくりしたことがあります。これは、ロボットとは言えないかもしれません。が、予期せぬ出来事に対して人間はどんな反応をするかもわかりません。

 ロボットは、人間がプログラミングをすれば、それに従って、忠実に作業をこなします。ただし、人間の感情の領域にまで立ち入るとしたら問題があります。人間のそれでなくても制御できない感情にロボットが反応したら大変危険です。いま全米を揺るがしている炭疽菌の問題以上の大問題が生じます。

 人間の心なんていい加減なものです。人間が貪欲・瞋恚・愚痴の三毒の煩悩を持つ限り、人間のつくるものは煩悩の限界を超えるものにはならないということだと思います。

 と言いながらおもしろいことに気づきました。人間の感情に反応するロボットができるならば、人間のむさぼりやいかりや腹立ちに反応して、直ちに注意信号を発するロボットを造ったらどうでしょうか。人々の心が安定して犯罪もなくなり、世の中が平和になるのではないでしょうか。
 でも、そんなロボットが近くにあったら、ついつい腹が立ってスイッチを切ってしまうでしょうね。

小林 泰善    

戻る