仏教を開かれたお釈迦さまがお生まれになったのは、BC483年(中村元説)の4月8日とされています。
広く仏教寺院では、お釈迦さまのお誕生日をお祝いして《灌仏会(かんぶつえ)》を営んでいます。灌仏とは、花御堂(はなみどう)の中に安置された釈尊誕生仏にひしゃくで甘茶をかける事です。これはお釈迦さまが誕生されたとき、空から竜王が降りて来て降水(甘露の雨)を注ぎ、諸天が音楽を奏で、様々な花々を散らせて祝ったという話に基づくものです。灌仏会は一般には《はなまつり》の呼び名の方が知られているでしょう。
《はなまつり》の内容は各寺院によってさま々なようですが、主に子供を対象にしたものが多いようです。一例として本願寺築地別院の場合をご紹介しましょう。
開催日:4/8付近の日曜日、10:00〜15:30
内容:稚児行列(交通安全パレード)
法要
千代田女学園(宗門校)バトン部・吹奏楽部パレード
交通安全教室
アトラクション(仮面ライダーショー)
お楽しみ抽選会
その他常設:仏教仏事何でも相談、工作教室、藪内流お茶席、オモチャや駄菓子の出店、子供服セール など
と、かなり盛大に行っています。一般寺院の場合は大規模な催しは少ないようですが、白像と一緒に町内を稚児行列したり、人形劇や紙芝居の上演、ゲーム大会等と、それぞれに工夫を凝らしているようです。
キリストの誕生日であるクリスマスは日本人に年間行事として定着しました。しかし残念なことに、釈尊誕生日である《はなまつり》は世間で騒がれることがないような…。もしかしたら、大人も楽しんで参加出来る内容を探らないといけないのかもしれません。
そこで私案を一つ。《はなまつり夕暮れバージョン》を開催しませんか? せっかく桜の季節です。桜の木の下に花御堂をご安置し、‘ぼんぼり’のほの灯りのもと、仏教讃歌のコーラスと共にお祝いする。甘茶ハイをいただきながら夜空法話もいいかもしれません。
ほら、だんだんオトナの気分になってきませんか? 花(春)が浮かれ気分を盛り上げるだけではもったいなさすぎます。しんみりしっとり、お釈迦さまがお誕生されたことの意味を味わわせていただきたい、と思うのですが。
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菅原 さおり |
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