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「中央」ってどこでしょう?


  私たちの所属する浄土真宗本願寺派は、本山・西本願寺と宗派の主たる事務所(宗務所)が京都に位置していることをはじめ、全国レベルで眺めてみた場合にも、一般寺院やご門徒の方々の多くが西日本に集中していることは事実であります。

 しかしながら、政治、経済、文化をはじめ様々な営みが東京首都圏へ集中しつつある現状に鑑み、私たちの宗派でも、その宗派の機能のいくつかを東京へ移転する必要性が早くから叫ばれてきました。

 下記の一般紙の記事を読み、このような状況は、私たちの宗派だけの問題ではなかったということを知りました。何でも東京へ移せばよい、というわけではないでしょうが、伝統との折り合いをつけつつ、状況に対応する柔軟性を持つことは必要なことではないでしょうか。
石上 和敬
 

  「京都の浄土門系の教団が東京に拠点を新設、宗教活動を強化し始めた。政治、経済、情報の中心である首都の機能を重視、新しい時代に対応した伝道を模索している。

 真宗大谷派(東本願寺)が東京文京区に開いた親鸞仏教センターの開所式が4月に行われた。三浦崇宗務総長は「親鸞聖人の人間解放の視点を現代の言葉で表現し、時代の闇の底で共苦することによって閉そくを打ち破ることがセンターの課題と責務だ」と述べた。同センターは、連続講座「親鸞思想の解明」の開催のほか、情報誌、機関誌の発行などに取り組む。

 浄土真宗本願寺派(西本願寺)も東京の築地本願寺内に首都圏宗務総合センターを昨年11月に開設した。内外の情報収集と情報発信、国際的な活動と同時に、首都圏のどこで寺院を必要としているかをリサーチし、組織的な都市開教活動を進める方針だ。

 法然上人を開祖とする浄土宗は、京都の宗務庁に置いていた国内、海外の開教部門を一昨年、芝公園内の東京事務所に移し、人員も増強した。「以前は個人の力に依存していたが、組織改革で国内活動が活気づいた」(藤木雅雄開教担当)と、効果を強調している。」


5月9日・日経朝刊・文化欄・「文化往来」

  


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