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原理主義化するアメリカ


  最近のアメリカの言動は極端な気がします。

  先日行われた「平和を学び・考え・願う青年仏教者の集い」(http://buddpeace.hp.infoseek.co.jp/index.html)において、蓮見博昭恵泉女学園大学教授にアメリカの宗教事情を聞かせていただきました。

  世論調査によると、現在アメリカ国民の約80%がキリスト教徒を自称しているそうです。

◆キリスト教の内訳
(1)プロテスタント
    (イ)主流各派(進歩的=リベラル)22%
    (ロ)福音派(保守派、キリスト教原理主義者を含む)25%
(2)カトリック22%
(3)その他(モルモン教など)3.5%

 (1)の(ロ)福音派は特定の宗派ではありません。例えば(イ)主流各派の1派、メソジストにはジョージ・ブッシュ大統領も所属していますが、彼の言動・内実は福音派のキリスト教原理主義そのものです。
 困ったことに、最近は原理主義者を含む福音派が教勢を拡大しています。そして政治活動に対して活発な動きを見せ、共和党に大きな影響を与えています。また、地方の教育委員会を乗っ取り、学校教育で進化論を教えない等といった聖書絶対主義を貫いています。そこに政教分離の考えはありません。保守派・原理主義者による政教一体。これが現在のアメリカの問題点だそうです。

◆キリスト教徒の戦争観
(1)絶対平和主義―どのような戦争も反対
(2)正戦論(正義の戦争)―いくつかの条件を満たすならば戦争容認
(3)聖戦論(十字軍主義=原理主義者中心の福音派)―キリスト教に都合の悪いものを排除する
(4)二王国説―宗教は魂の救いであり、肉体は戦争をしても構わないという考え聖書の言葉が曖昧のため、読み方によってはどうとでも取れるそうです。そういえばブッシュ大統領もよく聖書読んでいましたっけ。キリスト教といっても色々な考えがあるのですね。
 イラク戦争に対しても、プロテスタント主流各派やカトリック教会などは戦争反対です。しかし、これは指導者層だけの認識であり、一般信徒は戦争賛成も多いそうです。

 イラク戦争は、キリスト教原理主義化・冷戦構造の崩壊・ユダヤ人によるイスラエル支援の圧力・大統領選への選挙対策・軍産複合体からの圧力と利権・石油利権・戦後復興利権等々が複雑に絡まり合い、あるべくしておこった戦争であったというのが実態でしょうか。殺されていく人の痛みを省みることのない、大変に恐ろしいことであります。
 


菅原 智之