最近、高校生や大学生ぐらいでしょうか、若者の間で、政治アンケート等と称して気になる活動が行われています。
携帯電話会社を変えても電話番号を変えなくてもよいようにする○○党の署名集めに協力してくれとの依頼です。「○○党」と名乗っていますから、怪文書ではなく出所のはっきりした政治活動と言ってもよいものだと思います。
ただし、○○党は与党の大政党ですから、若者の署名など集めなくても十分政治活動はできるはずです。
それではなぜ、このような活動をしているのでしょうか。
ひとつには、若年層と接触をして党をアピールするためと推測できます。
この活動の背景には若年層への携帯電話の普及があります。まだ収入のない若者たちは、月々納める携帯電話料金を常に気にして生活しています。その請求額によっては、やっと許してもらった携帯電話を禁止されてしまう恐れがあるからです。 若者たちと接触するための好材料であるということができます。
「携帯電話番号を共通化して他の電話会社の携帯に気軽に変更できるようにすることにより会社同士の競争をさせて料金を下げさせる」
ということばには説得力があります。すでに28万もの署名が集まったそうです。
二つ目には、党または関連団体の活動強化のためです。
この活動を積極的に推進し支えているのが宗教教団△△学会の青年たちです。彼らは、それぞれの同級生の携帯に電話やメールで接触しています。選挙の投票依頼と違ってそれなりの反応があるために張り合いのある活動になっています。
私の知り合いの青年は、「○○党の活動」ということだけで署名を断りました。するとその同級生からメール攻勢があり大変迷惑したとのことでした。
三つ目には、組織拡充のためです。
○○党は、国民政党ですから党員だけでなく一般支持者を得るために活動をするのは当然のことでしょう。署名活動について、第3者がとやかく言うべき問題ではないとは思います。
しかし、ここで集められた若者の携帯電話やメールアドレスなどのデータが、別の形で利用されるとしたら心配です。 その青年の携帯には、○○党青年部の携帯用ホームページのURLが送られてくるだけでなく、△△学会賛美のことばなども送られてきます。
ただし、このような○○党や△△学会の活動を批判することはできません。少なくとも私たちは、このような活動が行われていることを知っておく必要はあるのではないでしょうか。最近、△△学会員の若者たちが同級生に対する勧誘活動を行っているという話も聞きます。
全くといってもよいほど宗教に無知な青年たちにとって、最初に出会う宗教が何であるか。このとても重要な問題に、誰もがもっと関心を持たなければならないことと思います。
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小林泰善 (2003.9.16)
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