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 03.10.01 



第23回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要報告


  去る9月18日、 東京都千代田区の国立・千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて、第23回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要が営まれた。

 浄土真宗本願寺派では、毎年、満州事変の発端となった柳条湖事件の勃発した9月18日に、加害・被害の立場を超えて全ての戦争犠牲者を追悼し、非戦・平和への誓いを新たにするために、この法要を営んでいる。
 今年は、大谷光真門主のご臨席のもと、光淳新門をはじめ多くの僧侶・門徒等が参列した。(「中外日報」によれば、参拝者数は2,500人余。)
 年々参列者が増えているような印象を受けたが、それはこの法要の趣旨がそれだけ人々に理解され共感されているということであり、喜ばしい限りである。

 その一方で、法要次第の中で参列者に対する配慮を欠いていると思われることもあった。
 昨年から一般参列者の焼香が法要終了後に改められた点である。おそらく全員で正信偈を唱和することを重視したためと思われるが、法要中に来賓と代表者は焼香できたのである。
 「どうして法要中に焼香させないのだ」との声があちらこちらでささやかれていたことに、法要を執行する側は意識を向けていかなければならないと思う。

 暑い中を遠近各地からわざわざ参列くださった方にしてみれば、納得いかなかったのも無理のない事である。せっかく焼香台を数多く用意してあったのだから、いつでも自由に焼香できるようにしてもよいのではないか。

 また、諸僧の入退出の際に、出勤僧侶の写真を撮りに通路近くまで出て来る人が多かった事も気になった。
 特に、衣を着た人が多く目立っていたが、参列者の視界を遮ってしまいとても目障りだった。これには、一緒に参列していた門徒さんも半ばあきれていた。
 法要の記録も大事だが、法要の趣旨を今一度よく考えたうえで行動してもらいたいものである。

 ともすれば、主催者側の論理が先行しがちであろうが、内向きではなく開かれた法要をめざし、一人でも多くの人と非戦・平和の思いを共有していきたいものである。

柘植 芳秀