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コラム 03.11.01 



自民党定年制問題に思う


   先日来、自民党内での国会議員の定年制の問題が注目を集めている。
 同党は衆議院比例区単独候補の定年を73歳と定めているが、中曽根康弘氏(85歳)と宮沢喜一氏(84歳)は次期選挙への立候補をめざしており、総理・総裁経験者は例外とするべきかどうかで議論が分かれていた。

 そのような状況の中で、小泉首相は「例外なく73歳定年制を適用する」とし、中曽根・宮沢両氏に次期選挙での公認辞退を求めた。
 これに対し、宮沢氏は首相の要請を受け入れ、政界を引退する意向を示したが、中曽根氏は「断じて了承できない」と強く反発していた。

 中曽根氏が反発する背景には、橋本首相時代に小選挙区から比例区に転出する代わりに比例名簿「終身1位」の約束を党執行部と交わしたことなどがあると見られるが、いずれも自民党内の話であり、総選挙を目前にして「世代交代」をアピールしたい党の思惑が見え隠れする。

 高齢化が進んだ今日では、高齢者の声を代弁する同世代の議員がいてもおかしくないが、それはあくまでも国会議員の職務を遂行するうえで支障をきたさない限りにおいての話である。
 また、「生涯現役」も結構なことであるが、ある程度の年齢で後進に道を譲り、後進を育てるというのも先人の大切な役目ではないだろうか。

 さて、翻って我々僧侶の場合はどうであろうか。
 もちろん定年制などないし、一僧侶としては、生涯み教えを聞き続け人々に伝えていくのが本分であり、「生涯現役」といえよう。
 しかし、住職となると、話はやや異なるのではないだろうか。寺院・宗教法人の代表者、すなわち「公人」としての立場を考慮し、その職務の遂行に支障をきたさないことが前提となろう。
 今回の自民党の問題を見るにつけ、引き際も大切だと思わされた。


                            柘植 芳秀