最近のニュース 03.12.01 



御正忌報恩講のお斎について


 京都の本山・本願寺(西本願寺)では 、毎年一月に修行される開祖親鸞聖人のご命日法要にあたる御正忌報恩講期間中にお斎接待がある。
 お斎とは、本来、寺院における食事をさすが、寺院以外で営まれる年回法要などの仏事の時の食事もお斎と呼ばれている。本願寺では、法要期間中の一月十日から十五日までの昼食時に接待がおこなわれる。

 お斎は、約五百年ほど前の本願寺第八代宗主蓮如上人の頃にはじまり、現在は、精進料理店「矢尾治」によって丁寧に作られた精進料理である。
 そのお膳は、一汁五菜を基本とし、「一の汁」(西京味噌で仕立てた汁)・「二の汁」(聖護院大根と蕗と湯葉の炊き合わせ)・「椿皿」(柴漬けと沢庵)・「茶津」(胡麻豆腐に山葵醤油)・「留津」(胡瓜とお揚げの酢味噌和えと六条揚げ麩)それに、「折り詰め」(高野豆腐、ひろうす、蓮根、蕪酢漬け、煮豆、鹿尾菜、笹巻饅頭)がつく。

 尚、接待場所には国宝「対面所」が使われている。
 対面所はもともと大名屋敷の応接間をさす言葉で、西側の壁は、大勢の人を迎えるにふさわしい絢爛豪華な絵を得意とした渡辺了慶の筆による「松鶴図」で、巨大な松の老木と鶴たちの姿が一面を覆っている。
 また、欄間には透かし彫りによる10羽の鸛がとびかっているこの彫刻があることから、対面所は別名「鸛の間」と呼ばれている。。
 壁・天井・欄間の全てが桃山の美で飾られた203畳の大空間でのお斎接待は思いで深い。

*予約申し込みは、12月1日より。
 毎回の定員は220名。懇志一万五千円以上。
  お問い合わせは、京都・本願寺・参拝部お斎係りまで。
 TEL075−371−5181