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コラム 03.12.16 



年末年始の過ごし方、迎え方


 2003年も残すところ 、数日になりましたが、「年末年始の過ごし方、迎え方」と題して、少し書かせて頂きたいと思います。

 年末には、是非、家の大掃除だけでなく、ご仏壇の大掃除、お墓の大掃除もおこなっていただきたいと思います。そして、大晦日には、1年間の報恩感謝をこめて、家族そろって、ご家庭のご仏壇にお参りされるのがよいでしょう。
 大晦日からお正月にかけては、毎年、おおぜいの方が初詣にお出かけになりますが、圧倒的に、神社にお参りされる方が多いようです。
 レジャー気分の方もいらっしゃるでしょうが、「今年も良い年でありますように、どうぞ、神様・仏様、よろしくお願いします」とお願い事にお参りされる方がほとんどでしょう。
 開運招福・家内安全・心願成就・交通安全・縁結び・商売繁盛・合格祈願・学業成就・勝運祈願・安産祈願・病気平癒など数多くの願い事があり、あるサイトでは、これらの願い事に一番ご利益がある、神社・お寺を紹介してくれるものまでございました。

 しかし、初詣は、自らの信じるみ教えの宗教施設にお参りされるのが、本当だと思います。
 浄土真宗の門徒の方は、1年の始まりを、すがすがしい思いで「阿弥陀如来」の御前で、お参り致しましょう。ご家庭のご仏壇には、打敷をかけ、お餅をお供えしましょう。また、所属のお寺なり、本山、別院では、年末年始の行事を行っておりますので、是非、一家おそろいになってお参り頂きたいと思います。
 私のお寺では、お正月に、『新年法要』を勤めております。始めて、10年ほどになりますが、当初は、お参りが少なかったのですが、徐々に多くなりました。「浄土真宗では、初詣は、お寺にお参りする」というのが、受け入れらるようになったように感じております。
 
 私たちは、いつでも、ないものねだりで、思い通りにいかないと、不平、不満の毎日であり、お互い、心がよごれているのではないでしょうか。特に、今の日本はそんな気がします。
 私たちは、たった一度の人生、限られた時間の中を生きているわけですから、本当に心安らかに、報恩感謝の毎日をすごしたいものであります。
 お寺にお参りさせて頂き、読経し、仏様のお話しを聞かせていただきますと、心が洗われ、日頃の日暮らしを見つめ直す機会になるのではないかと思います。仏様の前に座らせていただくだけで、気持ちがよいものです。

 阿弥陀如来様は、いつも、私たちの事を心配し、心の支えになって下さっています。いつも仏様は、私の為にはたらいて下さっているのです。
 先日、ある新聞記事により、はたらくとは、「はた」を「らく」にすること、と教えていただきました。はたらくとは、周りを楽にするため、幸せにするためにすることなのだと書いてあったのです。阿弥陀如来様は、私たちのために、24時間毎日毎日はたらきどおしです。

 私たちは、いずれ、死にゆく限られた時間の中で生きておりますが、その中で、精一杯生きることが、私たちの勤めだと思います。
 精一杯、生きるということは、言葉でいうのは簡単ですが、生きるということは、どれだけ、苦しく、辛いことか分かりません。もしかしたら、早く、浄土へ生まれる方が、楽だなと思うときもあるかもしれません。
 しかし、親から受けた命です、そして、仏様から願われ、生かされている命です、粗末には出来ませんし、人生をなげやりには出来ません。
 これからも、お念仏申し、浄土への道を歩ませて頂きたいものです。一年のスタートには、是非、阿弥陀如来様の前にお参り致しましょう。


                            伊東 英幸