最近のニュース 04.01.16 



年末年始「仏教ブーム」



  年末年始「仏教ブーム」ということで、著名人の対談記事や寄稿があいついだ。本当に世間は仏教ブームなのだろうか。少なくとも私は仏教がブームになっているという実感はない。

 人間は年齢とともに何に価値観を見いだしていくか変わっていく。経済力、学業、出世、名誉、流行のファッション、ブランド品など数え出したらきりがない。私の娘などは最新型の携帯電話を持つことに至上の喜びを感じている始末だ。

 しかし、こういった価値観の変遷の中で、私たちはどうやら今まで求めていたことはどれもが必ず消え去っていく、実に不安定な物であったことに気が付くのである。そして、普遍的な価値観のある物を求めていくのである。

 骨董品しかり、熟年登山しかり、その最たる物に宗教(仏教)があるのだと思う。実際にこの年末年始の「仏教ブーム」と言う話題の中で登場した著名人は、一定以上の年齢の方々ばかりである。中沢新一氏1950年生まれ、河合隼雄氏1928年生まれ(12月31日朝日朝刊、オピニオン)、梅原猛氏1925年生まれ、加藤周一氏1919年生まれ(1月1日朝日朝刊、「文化」)などである。この方々は昔から仏教のことに対して造詣が深い方々ばかりだと思うので、いま仏教を語っていても何ら不思議はないが、ただ、この方々や編集者が「仏教ブーム」と感じていることが不思議である。多分、この方々を取り巻く同年代の友人知人が、「仏教」と言う価値観に目覚めはじめ、今まで仏教に関心の無かった方から急に仏教についての話題がふられはじめ、そう思ったのではないかと思う。

 仏教ブームと言うからには全世代にわたって仏教ブームであってほしいところだが、10代や20代からは「いま仏教って、はやってるよね」なんて声は聞こえてこない。これでは本当の「仏教ブーム」とはいえないのではないだろうか。

これには仏教の発信者であるわれわれの力不足と言うことが否めないが、望むところは「全世代仏教ブーム」であり、そうなるよう精進したい。

しかしブームとか流行と言うものは、本当そうなってからではなくそうなる前にマスコミなどによって作り出されるものであるから、先行して「仏教ブーム」として取り上げて盛り上げて下さるマスコミさんには篤く御礼申し上げたい。が、本当に「ブーム」になるのか心配であると言うのが正直な気持ちだ。

合 掌     
                            白川 淳敬