アーユス(仏教国際協力ネットワーク)によるスタディー・ツアーが、2月28日から3月5日のスケジュールで行われました。
カンボジアで活動中のNGOを訪れ、その現状を見学させていただくと共に、世界遺産であるアンコール遺跡群を訪ねるというものでした。
このツアーの仲で、今回は私が関わっている「対人地雷」問題について報告させていただきます。
カンボジアは、世界でも有数の地雷・不発弾の被害国です。今までに約4万人もの被災者がいます。2002年には、828人(1日に2人以上)の人が怪我をしたり亡くなったりしています。戦争や内乱の終結により、兵士の犠牲者は減っているそうですが、一般市民の犠牲者はまだまだ続いています。
しかし各国の地雷除去団体の活動により、以前よりも埋設地が減ってきていることは確かです。3年ほど前に私が学ばせていただいた頃の様子は、民家の横や農地内、国道脇にも地雷原を示すマークがありましたが、今回訪れた場所では実際にマークを見る機会はありませんでした。
イギリスの団体によって設立された「カンボジアトラスト」は、地雷や不発弾により手足を失った方々に義手や義足を提供しているNGOです。国内に3カ所の施設を構え、製作やリハビリテーションを行っています。また首都プノンペンでは、義手・義足の製作技術を学ぶ学校もあり、カンボジアはもとより近隣諸国、欧米からも技術取得を目指して学んでいます。
また、カンボジアでは長年に亘る内乱により、ヘルスケアシステムが根本から破壊され、およそ5万人もの人々がポリオに感染したり、その他の障害に苦しんでいます。そういった方々への義足提供や人材育成・技術訓練により、障害をもった方々が希望を持った人生を歩むサポートも行っています。
カンボジアトラストhttp://www.cambodiatrust.com/Japan/
今回のツアーにより、地雷被害の現状が大きく改善されていることを実感しました。ただし生活圏が地雷原であるという切実な状況からは抜け出しつつあるものの、600万個といわれる残地雷。たった一つの地雷があるというだけで、その土地は使用することができません。地雷の無差別性、半永久性、非人道性が消え去るには、まだまだ時間が掛かります。
今回、現地で感じさせていただいたことを大きなエネルギーに変え、「私にできること」を今一度見つめ直しながら、微力でもお手伝いを続けていきたいと思っています。
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遠山 章信 |
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