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 06.10.01 


第13回世界仏教婦人大会に参加して


   9月1日から3日間、ハワイのホノルルで開催された『世界仏教婦人大会』(もちろん浄土真宗本願寺派における)に参加した。文字通り世界各地(正確には日本、ハワイ、北米、南米)より、総勢4000名近いご婦人方が一堂に集う大会である。

 ハワイは、明治時代に日本から多くの入植者が移り住んだ。(見学したハワイ日本文化センターには、その足跡が残されている。)その方たちは、多くが浄土真宗のご門徒であった。現在は、2世、3世、4世の時代である。

 かつて、私が中央仏教学院に学んだとき、ハワイから日系3世の方が来ていた。彼とは、年が同世代であったこともあり、仲良くしていただいた。
 昨年、ご本山で10年ぶりに偶然にも彼と会ったのである。思いもかけない再会であったが、今度はこの世界大会に、こちらからハワイに行くという約束をして別れたのである。その彼との約束を果たす目的もあった。

 開教使の彼が話すのに、やはりお参りが減っているということである。ハワイでは、日曜日には家族そろって、日曜礼拝に集う習慣がある。しかし、2世の方たちは減り、3世、4世の時代になっているが、この方たちにどうお念仏を伝えるかが、課題であると話してくれた。

 印象的であったのは、パールシティ本願寺に参拝したとき、婦人会の方々が、自分たちで日本料理のレシピ集を作ったというのである。それが、布製のきれいな袋に入れられておかれていた。参拝者に買ってもらって、婦人会活動の収入にしたいというのである。
 3世、4世さらに続く子孫に、どうにかして日本料理を伝え、残したいという思いであろう。以前だったたら、親から子へと自然に日本料理も伝わった。しかし、今はレシピ集を作らねば伝わらないのが、現実である。

 料理はレシピ集で伝わるが、念仏はレシピ集にはできない。念仏は、それを喜ぶ人の姿を通してでしか伝わらない。大会に参加し、多くの方々とのふれ合いを通して、このことを改めて思ったことでした。


 艸香 雄道