菩提寺、手次寺など呼び方は様々ですが、決まったお寺はありますか?。あなたは何宗ですか?ということです。
最近、この菩提寺が決まっていないという方が多いです。「私の家はまだ亡くなった人がいないので、お寺もお墓もありません。」とおっしゃる方が大変多いです。
それではご実家は何宗ですか?とお尋ねすると、わからないと言う方がこれまた多いです。お寺の場所と名前はご存じでも宗派はわからない、という方もいらっしゃいます。
いかに毎日の生活の中に「宗教」「仏教」「仏さま」「先祖さま」の締める割合が少ないか(無い)という現れでしょう。現実のこととして、宗教や仏教に親しまなくても日常生活はできます。しかし、これは「ヒト」という動物が生きているだけで、「人間」として生きていることにはならないでしょう。
是非、菩提寺をおもちになってください。そこで仏教の教えに親しみ、私より確かなものへ手を合わせ、頭を垂れていく心をいただき、人間としての生き方を学んでいただきたいと思います。
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この菩提寺がない方が多いという現実から、お葬式の時、僧侶紹介ということがおこなわれます。
これを行っているのは葬儀社が一番多いのですが、以前は自分でお寺を探さなくてはいけなかったのですが、今は葬儀社に頼むとすぐに紹介してくださいます。これはお寺が決まってない方にはとても有り難いサービスですが、そのとき、どういうお寺さん(僧侶)を紹介してくれるかが大問題です。
寺院として活動しているところの僧侶ならば良いのですが、寺院を持たない僧侶を紹介されると、お葬儀の後の四十九日や年回法要を勤めてもらえない、お墓の相談もできない、中にはにわか仕込みのお坊さんなので仏教のことがわかっていない、などの問題が出てきます。これに困って後でまた寺院を探しなおすと言うことにもなりかねません。
なぜ、お寺を持たない僧侶が存在するのかと言うと、収入が良いからです。一般寺院の場合、葬儀など布施収入は寺の会計に入り、その使途は、教化活動、寺院の維持管理、社会事業、住職などの給与などに使われますが、寺院を持たない僧侶はそのままが収入になりますのでその収入は高額で、言ってみれば割の良い仕事なのです。
ですから、経済的高収入を得るためだけに、定年の後など何処かで僧侶の資格を取って、葬儀社に使ってもらうように売り込みに行く方もいるそうです。
また一方では「使ってあげるからうちに登録しませんか」というダイレクトメールが葬儀社から寺に来ることもあります。
こういうシステムの中にいる僧侶の資質が大きく問われています。世間の常識は知っていても仏教の常識を知らない僧侶、人生訓は語れても仏教を語れない僧侶、葬式は出来ても社会問題にまったくかかわらない僧侶、お金のことばかり言う僧侶、こんな形ばかりの僧侶がいて良いのでしょうか。
またこのシステムには明確なバックマージンが存在して、お布施の何%かを葬儀社に返し、そのバックマージンの割合によって、葬儀社から僧侶への依頼数が変わってくると言う現実があります。
ある方から聞いたことですが、本当は近くのお寺があるのにそこを紹介されず、近くにお寺はないと言われ、県外からお坊さんが来たと言うことがあったそうです。これは葬儀社が少しでもバックマージンの多いお坊さんを使おうとした現れだと思います。
こういう現実をいち早く是正しないと、仏教や寺院に対する理解に誤解が生じ、仏教の教えが正しく伝わらなくなり、しいては仏教界全体の乱れとされてしまいます。
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門信徒の皆様には、菩提寺としてふさわしい寺院、僧侶にご縁を結び、生涯にわたって、またその後もおつき合いできる菩提寺を決めて、日頃から懇意にしていただきたいと思います。
そこで菩提寺の決め方は、
@実家に菩提寺があれば、ご住職に近くのお寺を紹介していただく。この場合 実家の宗派と同じになります。
A宗派を決めているのであれば、その宗派の本山や別院に近くのお寺に尋ねる
Bお知り合いの方にお寺があったら紹介していただく。
C東京首都圏、関東地方で浄土真宗本願寺派(西)のお寺をお探しなら、
1、築地本願寺内東京教区教務所TEL03-3541-1666
2、東京首都圏都市開教対策本部TEL 03-5565-5700
にお問い合わせ下さい。
菩提寺と良いおつき合いができているご家庭が1件でも増えますように念願します。
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