毎日新聞 2007年2月22日 東京夕刊
【公称1000万人の門信徒を誇る浄土真宗本願寺派の本山・西本願寺(京都市下京区)が、儀式の記念に門徒に贈ってきた「門徒式章」の紋が一部、約50年にわたり間違っていたことが21日、明らかになった。
門徒式章は、お参りや法要の際に門徒が首からかける装身具。僧侶の輪袈裟(わげさ)などに織り込まれる宗門の紋は「下がり藤」で、内側の花は本来7枚だが、8枚あった。式章に紋を入れ出したのが1956年ごろという。僧侶も門徒も気づかないまま、昨年末に業者が気づき、寺側に謝罪した。】
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まず結論から。標記記事の問題点は、下がり藤の数ではありません。当寺にあった門徒式章3本の花びらを数えてみました。一つは当寺の式章、これは7枚、次に即如門主伝燈報告記念式章、これも7枚、さてはと思いこのたびの750回大遠記記念式章を見れば、これが8枚、ついでに法衣店のカタログ掲載の式章は、坊守式章も蓮如上人五百回遠忌も7枚です。
一報道機関の誤りかとウェブを開くと、京都新聞にも下記のようにあります。
【門徒式章は門信徒が法要時などに仏に敬意を示す意味で、首から胸にかける装身具。誤りがあったのは式章に描かれた「下り藤」の紋で、内側の花びらの枚数が本来は7枚のところ、一部式章で8枚になっていた。業者からの申し出で分かったという。「下り藤」は先々代の故大谷光瑞門主が1903年に宗門の紋とした。式章にこの紋を入れるようになったのは戦後の56年ころ。以後約50年間、宗派関係者の誰からも誤りの指摘はなかったという。4年後の宗祖・親鸞の750回大遠忌に伴って現在贈られている約9000本のうち、約1000本は正しい式章に交換されたという。今後も申し出があれば無料で交換するとしている。】
私の見るところでは宗祖の750回大遠忌の記念式章だけが、間違っているように思われますが、宗派側の報道の不徹底さか、報道価値のまったくない一部式章の納品ミスを、本願寺記者クラブでオープンにしたので、報道者側が早とちりしたものか、それとも私が数えた数種類の式章だけが7枚であったのか。どちらにしてもこの問題の面白さは、花ビラの枚数以外のところにあります。
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西原 祐治 |
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