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 07.06.01 


人を恨み、仕返しをしてはいけない
−ご門主のOBサミット参加−



  今年で25回目のOBサミット(インターアクション・カウンシル)が5月21〜23日、ウィーンで開かれ、約30カ国から35人の元大統領・首相らや宗教指導者が集まり、日本からは大谷光真門主、塩川正十郎・元財務相、杉浦正健・元法務相が参加した。大谷光真門主は日本の仏教界を代表し、平和のメッセージを送った。
 5月26日(2007年)の朝日新聞朝刊文化面にこのことが大きく取り上げられ、大谷光真門主のメッセージが国際的に高い評価を得ていることが報道された。

→→朝日新聞記事

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 今回のOBサミットでは「主要宗教指導者との対話」セッションという場が設けられ、世界各国の元大物政治家と宗教指導者との対話が実現したものです。

 ご門主は日本仏教会の代表として発言されたわけですが、釈尊の言葉である「怨(うら)みに報いるに怨みを以(も)ってしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない」の精神が大会声明に盛り込まれたということで、仏教徒しては大変喜ばしいことでした。

 世界の宗教勢力では仏教はまだまだ少数ですが、このような機会を逃さす仏教の平和・共存・非暴力の精神を世界に発信することはとても大事なことと思います。

 9.11を契機として「報復」の正当性が世界的な風潮として蔓延しておりますが、世界だけでなく、日本でも最近は「報復」の論理が横行してまいりました。
 特に事件・事故の被害者や被害者家族に対するテレビをはじめとするマスコミのインタビューは、「憎い」「殺したい」「死刑」といった報復の言葉を引き出さんがためのように思えてなりません。
 視聴率のためだかどうかは知りませんが、いたずらに被害者感情をもてあそぶのは被害者やその家族に対して失礼なだけでなく、世間一般にも「報復」の正当性を植え付けているような気がいたします。

 被害者やご家族の感情はよく理解できますが、「報復」を正当化する論理に私たち仏教徒は正面から「間違っている」と主張したいものです。
 もし私が被害者の家族となった場合、私は加害者を「殺したい」と思ったり、あるいは実際にこの手で殺してしまうかもしれません。でもそれを当然の感情・行為として「報復」を正当化する気にはなりません。

 「怨(うら)みに報いるに怨みを以(も)ってしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない」
この言葉を世界中に、そして身近な人々に発信し続けたいと思います。

橋本 正信


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※インターアクション・カウンシル(OBサミット)とは

 インターアクション・カウンシルは、日本の提唱で1983年に設立されました。
 現在は42名の国家元首、首相経験者がメンバーです。毎年元指導者たちが非公式に集い、人類が直面する政治、経済、社会、倫理等の分野における諸問題の実践的な解決へ向けた提言を検討する、きわめてユニークな組織です。
 日本が打ち出した最善の国際的イニシアチブのひとつとして世界的に高い評価を受けています。

OBサミットホームページより)