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 07.10.01 


  

 
  ビルマ(ミャンマー)の平和と民主化を願って


  2007年8月、ガソリン価格引き上げに端を発したビルマ(ミヤンマー)の反軍事政権デモは、国民の9割が仏教徒という国民にふさわしい非暴力という平和的手段で僧侶を中心にひろがりを見せ、首都ヤンゴン(ラングーン)でも最大10万人という大規模デモに発展しました。

 しかし9月25日に治安部隊による発砲という最悪の事態を迎え、1988年の民主化運動弾圧事件を思い出させる最悪の事態に発展してしまいました。
 そして27日には治安部隊の発砲によってジャーナリスト長井健司さんが死亡。政府軍は海外メディアの締め出しとジャーナリストの拘束・国外退去を強行し、情報の統制をしようとしています。

 軍事政権発表による28日現在の死者数は10人とのことですが、イギリスブラウン首相は「死者数は報道よりはるかに多いと信じている」と述べ、アメリカCNNテレビは「路上に35人の遺体を見た」との目撃情報を伝えています。また、アメリカワシントンに本部を置くミャンマー民主化組織は、死者数を最大200人と伝えています。


◇軍事政権

 現在の最高意思決定機関はタン・シュエ上級大将を議長とする国家平和発展評議会です。これは1988年に軍事クーデターによって誕生した独裁軍事政権です。この時には3000人ともいわれる国民が虐殺されました。

 1989年、軍事政権はそれまでの国名ビルマからミャンマーへ、また首都もラングーンからヤンゴンに改名しました。もともとミャンマーという呼び名もあったのですが、軍事政権に反対する人々は、未だビルマそしてラングーンと呼びます。

 軍事政権は豊富な天然資源のもたらす財を独占し、その恩恵を受けない国民の生活は東南アジア諸国の中でも最貧です。しかし温暖で緑豊かで肥沃な大地がもたらす恩恵によって、飢えるということはないようです。

 クーデター当初、軍政は総選挙の実施を約束しました。建国の父アウン・サン将軍の娘アウン・サン・スー・チーさんが政党の国民民主連盟の顔として国民の絶大なる人気を得ると、自宅軟禁という手段を執り、解除と軟禁を繰り返しながら現在まで軟禁を続けています。
 そして1990年に行われた総選挙で国民民主連盟が8割の議席を獲得し圧勝したにもかかわらず、軍事政権はこの結果を無視しました。新憲法制定後に国会の開会を約束しましたが、その新憲法制定を滞り、現在まで制定されていません。

 このような経緯に国民は怒りを秘めていましたが、生活を直撃するガソリン価格の引き上げにとうとう爆発したのが今回のデモでした。






在日ビルマ大使館前での抗議デモ



  9月29日に在日ビルマ(ミャンマー)大使館(品川区北品川)前にて、「ビルマ僧侶の平和的民主化運動を支持する会2007」と題した有志の日本各宗派僧侶と信徒が結集しました。大使館前にて抗議活動をしている在日ビルマ人数百名に合掌と拍手で暖かく迎えられる中、犠牲者を悼んでの読経と声明文の読み上げ、大使館員へ要請文の引き渡しを行いました。





声 明 文

タン・シュエ上級大将
ミャンマー連邦国家平和開発評議会議長

 私たち、日本の仏教者及び仏教団体は、現在のビルマ情勢、及び僧侶・市民の平和的な抗議行動が暴力によって弾圧を受けていることを危惧し、ミャンマー政府に以下のことを申し出致します。

 今年の8月の政府による突然の燃料価格の大幅な引き上げによって、国民の生活はさらに困窮を極めることになり、この状況は多くのビルマ市民に政府に対する行動を引き起こすことになりました。9月に入ってからは、民衆の疲弊した生活をみるにみかねた僧侶たちもまた、抗議行動に立ち上がりました。
 それは生きとし生けるものの安寧を希求する僧侶たちの、宗教的動機に基づく実践であり、その方法も極めて平和的なものでありました。しかし、それに対して軍事政権は、ビルマ国軍を使って一部の僧侶らに暴行を加え逮捕拘束し、強制的に還俗させる行為を続けています。

 こうした軍政の暴力を使った強硬姿勢に対して、僧侶たちは軍政指導者に反省を促すため、軍政指導者からのお布施を拒否し仏教儀式を執り行わないという覆鉢行を行うことで、抗議の意志を示し続けています。私たちは仏教者として、ビルマ全土で行われているこの覆鉢行を重く受け止めます。

 今後の軍政の出方への懸念が強まる中、人々の苦しみの原因を取り除くために圧倒的な暴力に立ち向かい、恐怖の政治から慈悲の政治への転換を身をもって教え諭しているビルマの僧侶たちの行動は、ビルマの未来のみならず、仏教の未来をも大きく切り開くものであります。
 人々を導く僧侶たちの行いが政府によって規制されるということは、すなわち民衆が心の拠り所を失うことであります。熱心な仏教徒が多いビルマにおいて僧侶が仏教者としての行いを実践できないとなると、民衆はより多くの苦難を抱えることになるでしょう。

 私たち日本の仏教者は、ビルマ政府が民衆や僧侶らの平和的行動を暴力によって抑圧しないこと、平和的な手段によって対応することを要求致します。


ビルマ僧侶の平和的民主化運動を支持する会2007




 在日ビルマ人の悲痛なる叫びと、全く人影の見えない大使館。軍事政権への有力援助国である日本。

 経済制裁は弱い人々のいのちを奪うことにつながります。実際イラクでは湾岸戦争後の経済制裁によって多くの子どもが死んでいます。北朝鮮でも同じ事です。
 しかしビルマはそれらの国と違い、自然が豊かなのです。経済制裁で飢えるということはありません。もちろんワクチンなどの援助は続けるべきですが、権力者の懐を潤すだけの援助は即時中止すべきでしょう。

 軍隊・権力、そして金。人はそれを求め、それに溺れ、自ら人間であることを放棄し、獣に落ちぶれていく…。誰もが無邪気で素直で優しい子どもであったはずなのに。

 悲しい生きものである人間。そして人間の私。いつ被害者になり、加害者になるかわかりません。落とし穴はほらそこに…。

 軍事政権が非暴力で声を上げている国民の思い聞き、即座に暴力を止めることを望みます。非暴力のものに暴力で対応することは本当に恥ずかしいことです。そして約束を守り民主化へのプロセスを進めていくことを願ってやみません。

合掌










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