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コラム 08.03.16 



全寺院「子どものつどい」
― キッズサンガ ― について


 現在、浄土真宗本願寺派では親鸞聖人750回大遠忌に向けて宗門長期振興計画が策定され実施されています。その計画の重点項目の一つに、「次代を担う『人』の育成」が掲げられ、推進事項の一つとして青少年教化対策が揚げられています。この活動は、子どもと寺院および宗門の将来的展望を切り開くため2011(平成23)年度までに、全寺院で「子どものつどい」―キッズサンガ―の実施をめざすものです。
 新たな取り組みとして注目されている「キッズサンガ」について、その内容をご紹介させていただきます。ちなみに、「キッズサンガ」とは、キッズ(kids)は「子どもたち」、サンガ(sangha)は「仏教徒の集団」の意味で、これをあわせた造語で「お寺につどう子どもたち」という意味で名付けられました。


◆阿弥陀さまとのご縁づくり
 お寺とのご縁が法事しかない子どもたちや、阿弥陀さまに手を合わせるご縁が全くない子どもたちに、阿弥陀さまのおこころに触れるご縁づくりをしていこうというのが「キッズサンガ」の大きなねがいであり、活動目的であります。また子どもたちがお寺とのご縁ができれば、自然とその保護者とのお寺とのつながりも生まれ、門信徒との協力を頂きながら活動していく時、世代を超えた本来の活気あるお寺の姿に変わっていくのではないでしょうか。

◆キッズサンガのねがい
 「キッズサンガ」は子どもたちの置かれている状況を考える時、今、私たちが直ちに取り組まなければならない課題です。また「寺離れ」の現代に生きる青少年へのこうしたアプローチは、これからの先を見据えた重要な教化活動でもあります。
 また「キッズサンガ」は、サンガスタッフ(キッズサンガの参画者、主に門信徒や僧侶等)が共に取り組むものです。力を合わせて実施していくことで、子どもから大人までつどう本来の開かれたお寺の姿があらわれ、「ともに いのち かがやく」真のサンガが築かれていくことでしょう。ひいては、阿弥陀さまのおこころをすべての人の居場所にというねがいが込められています。それは「私」自身が育てられていく歩みでもあります。 


◆目的
@お寺を子どもの居場所に
「キッズサンガ」はお寺を子どもの心安らぐ居場所にしていこうとするものです。
  子どもたちに本堂に上がってもらって、いっしょに阿弥陀さまに手を合わせることを基本とします。阿弥陀さまとのご縁づくりです。

A次代を担う「人」の育成
  「キッズサンガ」は、「教書」でお示しの「次代においてその中心となる宗教的情操豊かな青少年の育成」をめざす取り組みです。これは人びとの悩みや思いを受け止め共有する事でもあり、また各お寺や宗門の将来も合わせて切り開かれていくことになります。

◆キッズサンガのアプローチ
 東京教区では企画や実施の段階で相談をお受けできるよう4名の少年教化アドバイザー(教区における少年教化専門の相談員的立場)と各組2名の少年教化サポーター(組における推進役であり相談窓口)がおり、バックアップ体制も整いつつあります。
 
 そして最後に「キッズサンガ」はたくさんの子どもたちを集めることが重要ではありません。たとえ一人でも二人でも、「安心して過ごせる場所=居場所」として気楽にお寺に出入りしてくれることが大切なのです。    


(参考資料:キッズサンガのすすめ事務提要)

成田 真二郎