仏暦2551(国際暦2008)年12月27日からイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が始まりました。
犠牲者は増え続け、1000名を超えています。この状況に対し、これまでパレスチナの諸問題に関わってきたNGO12団体の共同で、攻撃への抗議の意志を示し即時停戦を求めるイベントを開催しました。
日時は、今年1月10日(土)でした。当日は、プレイベントとして12時半から、増上寺の慈雲閣で、浄土宗平和協会の共催により『パレスチナ1948NAKBA』(監督 広河隆一)という映画の上映会がありました。
ピースパレードと銘打って、午後3時半に「芝公園23号地」集合(分かりやすく言えば、東京タワーの足元です)、午後4時にパレード、つまりデモ行進が出発です。芝公園から六本木方面に向けて歩きました。午後5時40分位に私は、六本木三河台公園にて終着地に到着しました。
多くの方々が加わってくださいました。私も参加しましたが、当日、東京タワーに観光に来た若い夫妻がベビーカーを引きながら、私たちも参加できますかと、その場でご参加をして頂いた方もいらっしゃいました。
何かがしたい、しかし、何をしたらよいか、分からないというのもまた現実です。
パレードのテーマは「ガザに光を!」ということで、ペンライトや懐中電灯などの光るものを持参して貰いました。
私たちは問題を解決するには、お金のある側、持てる側、強い立場の側が、問題を回避する行動を取ることが大切であることを知っています。だから、それを指摘するのです。
しかし、現実は強い側、持てる側は思い上がって、それを認めません。だからこそ、私たちは自分の中にある自分の思い上がりの姿に痛みを持つことを通して、社会に対する本当の慈悲ある実践と行動を願うことが問われています。
私が仏の教えに生きようとするとは、私はいつの間にか、持てる側で思い上がり、相手の痛みを忘れていないかと問われることであり、本当の生き方に向けての願いを失っていないかと問われることでしょう。あるお坊様は、仏に手を合わせるということは、人間の人として大切な「やさしさ」「まごころ」「きよらかさ」を確認することであり、そして、これが重要なのですが、そうなっていない自分を謙虚に反省することだと思うと教えて下さいました。そして、仏さまとは、その「まごころ」を表した象徴として、私たちは毎日、手を合わせているのだと気づかされることだと教えてくださいました。(あるお坊様とは、呉市の西教寺の岩ア智寧様です)
私の所属するアーユス仏教国際協力ネットワーク(以下アーユス)でも、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への軍事攻撃に強く抗議をし、即時停戦を求め声明を出しています。
「圧倒的な軍事力の差による攻撃は、報復という範疇を遥かに逸脱している。市民の犠牲に躊躇のない軍事行動はどのような理由があろうと是認できるものではないが、特に今回は2月の選挙への影響を目的としたという性格も濃厚と見られ、生命への軽視と冒涜は甚だしい。
また、私たちはこの攻撃が宗教間の対立という枠組みに置かれることも危惧をする。アーユスはこの数年来パレスチナ問題の解決を念頭に現地で活動する各宗教者の対話の機会を設けてきた。その間に学んだことは、平和を希求し憎悪を静めようとの思いは本来的に宗教間に違いは認められないことである。
多くの市民の生命を危険に陥れる軍事行動は徒に憎悪の再生産を進める行為にほかならない。諸悪莫作という仏教の教えを生きる私たちは、憎悪は憎悪を持って止むことはないことを確信し、イスラエル政府に対し即時停戦と人道支援の受け入れを求めるとともに、我々には共存以外の道はありえないことを関係諸機関に対して強く主張する。
特定非営利活動法人 アーユス仏教国際協力ネットワーク」
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というものです。イスラエルの侵攻は1月21日にパレスチナ自治区ガザから「撤退を完了した」と発表され一旦攻撃が中止された状態ですが、今度の侵攻によってもたらされたガザ住民への被害は大きく、特に子どもと女性に向けられた攻撃は国連をはじめ、国際社会からイスラエルの行き過ぎた軍事力行使が非難されています。
ブッディスト・NGO・ネットワーク(BNN)では孤立したガザの住民への生活物資・医療支援のため、加盟団体でNGO支援団体であるアーユス仏教国際協力ネットワークなどを通じて募金活動を開始しています。集められた募金は、日本のNGOを通じて封鎖状態にあるガザの約4万人相当の住民へ煮炊き不要の食料、紙おむつなどの生活物資の配布、また救急活動に携われるボランティアのトレーニング、救急用具の購入などに充てられます。
※より適切な支援をするために現地の状況によって内容が変わる可能性があることをご了承ください。
アーユスの支援する団体(1月28日現在)
・特定非営利活動法人 パレスチナ子どものキャンペーン(ccp)(http://ccp-ngo.jp)
1. パレスチナ農業委員会に協力して、食料や、生活物資を約4000世帯(4万人相当)に配布する活動に協力。物資のガザへの搬入については、ccpのエルサレム駐在員も参加する国連や国際NGOや国際NGOのコーディネーションで実施します。
2. ガザの負傷者が多数運ばれている、ガザ市の公立シファ病院に支援をしています。この支援はccpが以前より連携関係にあるノルウェー救援会を通じて実施します。
3. 今後状況が落ち着いた場合ccpが運営に関わる「アトファルナ聾学校」並びに「ナワール子どもセンター」を中心に子どもたちの心理サポートを実施予定。現在ヨルダン川西岸及びレバノンの難民キャンプで心理サポート事業を実施中。
・特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)(http://www.ngo-jvc.net)
「パレスチナ医療救援協会(PMRS: Palestinian Medical Relief Society)」を通し緊急救援支援を行います。PMRSは、これまで地域の診療所をベースに医療活動を行っており、救急活動に携われるボランティアを数多く養成してきました。JVCは、PMRSのクリニックへの救急セットの配布と救急ボランティアのトレーニングを通して、現地の医療活動を支えることにしました。救援用具と止血や人口呼吸など救急対応をできる人々が地域にいることはこの緊急事態ではとても重要です。
問い合わせ・募金先は
仏教NGOネットワーク
〒135-0024 東京都江東区清澄3-4-22 Tel/Fax:03-3820-7323 E-mail:office@bnn.ne.jp
支援募金受付の郵便振替口座は
加入者名:仏教NGOネットワーク
口座番号:00190-7-583190 ※通信欄に「ガザ住民への支援募金」とご記入ください。
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